ユヴァスキュラ便り7(服部 拓磨:国際関係学科4年)

外国語学部国際関係学科4年 服部 拓磨

オラヴィリンナ城

 こんにちは。5月に入りフィンランドでは春から夏に季節が移り変わろうとしています。木々は緑で包まれ、タンポポなどたくさんの花が咲き始めました。日照時間も長くなり、夜の11時以降になっても、明るいと感じてしまいます。 そんなフィンランドでの留学もあと数週間となってしまいました。思い返せば8月からの9か月間に様々な経験をすることができました。最後のユヴァスキュラ便りでは、先日訪れた小学校見学の感想と、留学の簡単なまとめを書きたいと思います。

 先日、ユヴァスキュラからバスで4時間ほど離れたサボンリンナという町に行ってきました。サボンリンナは東に位置しており、ロシアとの国境が近くにあります。今回の旅行の目的は、小学校見学をすることでした。サボンリンナに滞在中はサボンリンナ在住の日本人の方の家に泊まりました。1日目は夜の7時ごろに到着しました。晩御飯をいただき、サウナに入り、ビールで体を冷やし、マッカラ(巨大ソーセージ)を食べて就寝をしました。2日目は、町を観光しました。小さな町なのですぐに回ることができました。なんとこの町はあのアメリカの有名ファーストフードチェーンが撤退した町であると、お世話になった家族の方が言っていました。確かに、町の中にあのMの看板がなかったです。ほかにも、サボンリンナは多くの有名なアイスホッケー選手がいます。この日もご飯に、サウナなどたくさんお世話になりました。フィンランドでは、犬もサウナに入るのですね(笑)。

 そして、3日目は小学校に見学をしに行きました。国語と算数の授業に行ってきました。気が付いたことは、どの授業も先生が一方的に教えるのではなく、生徒が考え発表する場があるということです。例えば、国語の授業では教科書に出てきた単語の反対語を考えたり、自分たちで文章を作りお互いに見せあって間違いを探したりしていました。算数の授業では、こどもたちは3つのグループに分かれて、別々の問題を解いていて、時間が来たら別のグループに行って違う問題解いていました。1つのグループでは、サイコロを使いゲーム形式で問題を解いていたり、ほかのグループでは問題集で計算問題をしていたりしていました。先生が生徒に全てを教えるというよりも勉強をマネージメントしているという印象をうけました。どの授業でもこども達の集中力を維持するための工夫がたくさん見ることができました。

フィンランド小学校 教室内

 私の訪れた小学校では休み時間こども達は必ず外に出なくてはいけません。特別な理由(おなかが痛いなど)がある場合は教室に残ることができますが、15分間外で遊び、チャイムが鳴れば教室に帰ってきて勉強を続けます。ほかにも、昼ご飯後の長休みはなく、食べたらすぐに授業が行われます。こども達は全部の授業を終わらせてから、家に帰り思いっきり遊びます。そして、夏休み期間中は宿題がなく、こどもたちは朝から外で遊びます。
 学校の先生も自分の担当するクラスのカリキュラムや教えるやり方などを自分たちでアレンジすることができます。実際に私たちが、学校訪問をするということで時間割を変更してくれました。また、生徒の勉強の能力は全員同じではありません。授業についていくことのできない生徒をサポートするために学力別でクラスを分けたりしてそれぞれのレベルに合わせた授業を行っています。「平等な教育機会をすべての子供たちへ」というフィンランドの教育理念は、今回の学校訪問でたくさん見つけることができました。

 フィンランドに来て9か月が経とうとしています。深夜になっても空は薄暗く、昼間は暖かくできることならフィンランドで夏をすごしたいのですが、そろそろ帰国の準備を始めなくてはいけません。帰国後は就職活動が待っています。留学で自分がどれだけ視聴できたのか力試しの意味も含めて就職活動も全力で頑張りたいと思います。そして、まず日本に帰ったらおいしい日本食をたくさん食べたいです。

 数回にわたりユヴァスキュラ便りを書いてきました。便りを書くことで、留学学中に感じたことや学んだことを頭の中にインプットするだけではなく、自分の言葉でアウトプットしてきました。この作業はとても大切なことだと思います。振り返ってもう一度考えることにより、理解がより深まり、次への課題が見えてくるからです。そうして、私たちは経験(過去)を活かして未来へ繋げることができると思います。ときどき日本語の言い回しが間違っていたり、読みにくいところがあったかもしれません。最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

(2014年5月)

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