松坂 真知(ドイツ)

大学の建物の一部

 私は2011年9月から翌年7月まで約11ヵ月間、交換留学という形式でドイツのパッサウ大学で留学をしました。この11ヶ月間で私は様々な経験をすることが出来ました。

 パッサウについた初めての日、私は大学への道が分からず迷ってしまいました。留学期間中は寮で生活することが決まっていたので、まず、大学で寮の鍵を受け取らなければいけませんでした。その為、とにかく大学に行って鍵をもらいそのあと寮に行くという予定でした。後ほど分かったのですが、駅から大学と反対方向に歩いてしまっていたようでした。暫く歩いて、さすがにおかしいと思い始め、人通りの少ない中、たまたま通りかかったおじさんに道を尋ねると「反対方向だ」と言われてしまいした。それからその方は遠いのに大学まで送ってくれ、さらに大学のことは学内の人の方が知っているからと大学内にいた人に事情を説明してくれました。するとその人たちが今度は鍵を受け取る所に連れて行ってくれ、その後、寮まで送り届けてくれました。おかげで私は無事 その日を寮で終えることが出来ました。このときの私にとって、異国の地で日本語も通じず誰とも連絡が取れない状態で道を尋ねることは勇気がいることでした。しかしこの経験のおかげでとても自信がついたと思います。

馬に乗って道を歩いた後

 11ヶ月という長い期間の中、寂しかったり、苦しかったりもしましたが慣れていくうちに、散歩をしたり遠出をしたり、Bierfest(ビール祭り)に参加したりとその土地の文化に触れる余裕も出来てきました。特にこのBierfestはとてもドイツらしさ、パッサウらしさを感じることが出来ました。パッサウはとても小さな街ですが、小さい街なりの良さがあったと思います。参加者はほとんど民族衣装を着ていますし、皆がとても仲良く、まさに会場にいる全員で楽しんでいる雰囲気でした。また、散歩をするのにも、気候は適していましたし、景色も素晴らしかったです。私はもともと散歩が好きだったので、息抜きによく散歩をしていました。パッサウは町並みが美しく、とても良い気分で散歩ができました。実際にドイツで散歩をしてみると、ドイツ人は散歩が好きだというのも、とても共感できました。

 一人の時間も大切ですが、色々な人との出会いも多くのことを私に体験させてくれました。たとえば、たまたま知り合ったドイツ人の知人のおかげでパッサウの近くにある小さな牧場で乗馬体験や馬の世話を手伝わせてもらったりも出来ました。出会えたのはドイツ人だけではありません。偶然出会えた日本の方にもドイツで働くことはどんなものか、何故ドイツで働こうと思ったのかなど多くのことを教わり、多くのことを経験させてもらいました。

 まだまだ経験したことはありますが、どれも、これから生きていく上で役に立つ何かを教えてくれるものでした。留学は、その人次第で多くのことを学べるものだなと感じました。


  • パッサウのBierfestの様子

  • ライン川の向こうに見えるパッサウの大聖堂
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