結果分析・改善計画(平成23年度 秋学期)

1.結果の総評

 学部全体のアンケート対象履修者6,861名のうち、3,162名からの回答を得た(回答率46.1%)。そのうち、とくに分析の対象としたい初年次導入教育については、経済学入門4クラス、入門セミナーB16クラスでBアンケートが実施され、それぞれ468名、344名からの回答を得た。これら科目について学部独自で集計を行った。出席率80%以上の履修者の回答を集計したところ、その過半数が、学びの面白さの実感、自己の成長の実感について肯定的な回答をしていることが分かった。また、集計対象者の3分の2が科目に満足していることが分かった。

2.授業アンケートにみられる本学部授業の課題

 上述のとおり、本学部の初年次導入教育の根幹となっている経済学入門および入門セミナーBの履修者のうち、80%以上出席している者については、その過半数が履修を通じて学びの面白さや自己の成長を実感しており、また、3分の2が科目に満足していることから、初年次導入教育クラスの教育の質は、科目全体としてはおおむね確保されていると言える。

 クラス別でも集計を行い、科目全体の集計との比較を行ったところ、全体として分布の散らばりはさほどないが、いくつかのクラスについては差異も見られた。入門セミナーBについて、総合満足度のクラス別平均と全体平均を比較したところ、全体平均より高い評価を受けているクラスが3クラス、全体平均より低い評価を得ているクラスが1クラス見られた。また、経済学入門において非常に良好な回答を得ているクラスが1つあった。とくにマイナスの差異については、これを小さくしていくことが一つの課題である。

 また、質問間の相関分析により、入門セミナーBについては、学びの面白さや自己の成長の実感と満足度との間にはっきりした特徴が見られなかった。小規模クラスにおける教育の質を決定する要因について探ることがもう一つの課題である。

3.2の各項目についての改善計画

 全体平均より高い評価を受けているクラスについては、優れた教授法等を実践していることが示唆される。こうしたクラスについて次年度における公開授業やワークショップの場でモデルケースとして取り上げることで、優れた教育スキルに関する情報共有を図りたい。また、春学期の初年次導入教育についても同様の項目でアンケートを行うことで、今回の集計結果の頑健性について検証することを予定している。なお、上述のとおり、小規模クラスにおいては、今回調査した項目以外の要因が受講生の満足につながっていることが示唆された。これを判断材料の一つとして、アンケートにおける調査項目の見直しを検討する方向で議論を進めたい。

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