令和2年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」 初年次教育科目

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

本分析は、「学習成果実感調査」が実施された、「複眼的思考で見る多様な世界」1 クラス、「日本語表現1」10クラス、「日本語表現2」2クラス、「ハテナソンセミナー」2クラス、「熊本・山鹿フィールド」1 クラス、「ファシリテーション入門」2クラスの合計18クラスの結果を総合したものである。オンライン環境の中での調査実施ということからか回答率は低く、38.9%であった。当該科目の学習を通じて大学で学ぶ意欲が高まったかを尋ねた設問7については、「強くそう思う」27%、「そう思う」53%、両者で 80%(昨年は74%)、大学で学ぶための知識を得たりスキルを伸ばすことができたかを尋ねた設問8については、「強くそう思う」32%、「そう思う」53%、両者で 85%(昨年は78%)となり、初年次教育科目の目的という観点からは、昨年より微増しており概ね良好な結果を得ているといえよう。コロナ禍で学生の授業への関り度合いが懸念されたが、授業満足度も総じて高い。総合的な科目満足度を尋ねた設問13においては「強くそう思う」43%、「そう思う」47%となり、合わせて90%(昨年は85%)にも及ぶ。ただ、自分の専門外の学問分野について興味・関心が高まったかを尋ねた設問9においては「強くそう思う」23%、「そう思う」49%、両者で 72%(昨年は66%)であり、肯定的評価は微増しているが、さらなる改善が期待されるところである。リレー式科目である「複眼的思考で見る多様な世界」については、自由記述において、オンデマンドだったため自分の都合の良い時間に授業を視聴することができたことへの高評価や、この授業を通して自分の通っている大学について知ることができたし、授業の中ででてくる大学に関する問題などを解くことで大学に関する知識を深めることができたとの記述があり、科目の目標達成に成果が出ていることを窺わせる。本分析対象である5つの科目は、それぞれ性格が異なるので一概に考えることには慎重でなければならないが、履修者の動向やニーズに留意しながら、科目内容の今後の改善を図っていきたい。

2. 総括

(1)1において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

大学で学ぶことの意義とその意欲の喚起、さらには、大学での学びのためのスキルの修得、多様な視点を学生が獲得することに貢献しており、初年次教育科目としての役割を十分に果たしている。

(2)1において確認された改善すべき点

科目の効果や受講者の満足度は、概ね良好ではあるが、専門外への関心喚起や科目構成の在り方の検討など、さらなる改善の余地があると思われる。リレー式講義については、本学の各センター組織からの出講とすることで、科目としての一体感の進捗効果はみられていると判断できるが、講義者の個性をさらにどのように生かしていくか検討が必要であろう。

3. 次年度に向けての取り組み

「自己発見と大学生活」は、学生ファシリテータの安定的な確保や円滑な実施体制の確立などその枠組みの実質化をさらに進める必要がある。また、教材等のさらなる充実・改善に取り組むことも重要である。昨年度にティーチングガイドの大幅な改訂が図られ、授業内容の充実が図られたが、コロナ禍による授業オンライン化のため、本年度は内容の一部変更を余儀なくされた。昨年度改訂に基づく授業実施は次年度において本格的に検証されることになる。
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