令和2年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」 人間科学教育科目

1. 「学習成果実感調査」についての分析結果

令和2年度の人間科学教育科目はオンラインで実施され、学習成果実感調査も初めてオンラインで行われた。アンケートの回答率は30%程度にとどまっており、例年とかなり異なる結果が得られた。
本年度のテーマである授業満足度と成長実感の把握に関して、授業満足度を示す「この講義で学びの面白さを感じたか」と「総合的にみてこの講義に満足しているか」の設問で、8割の受講生が「強くそう思う」「そう思う」と回答している(昨年は7割)。成長実感を示す「この講義の学習を通じて、知識を得たりスキルを伸ばすなど、自らの成長を実感することができたか」の設問では、8割の受講生が「強くそう思う」「そう思う」と回答している(昨年は6割)。このように授業満足度と成長実感において昨年度よりも高い数値を得た。
その他の項目では、準備学習が30分未満の受講生が2割であった(昨年は5割)。「受講するにあたって、もっとも重視したもの」を問う設問では、「講義内容」と回答した受講生が6.5割であった(昨年は5割)。「基本科目と展開科目の関連性を考えて履修したか」の設問で、5割の受講生が「強くそう思う」「そう思う」と回答している(昨年は4割)。このように、多くの調査項目で、数値上は積極的な学びの姿勢が見られた。
オンライン授業における学習の円滑さ(通信速度や操作性)を問う設問では、9割の受講生が「できた」「どちらかといえばできた」と回答している。オンライン授業による学習意欲を問う設問では、5割の受講生が「高まった」「どちらかといえば高まった」、4割の受講生が「変わらなかった」と回答している。したがって、授業環境に若干の問題はあるが、オンライン授業は学習意欲を高める効果があったと考えられる。
このように学習成果実感調査の結果は、総じてポジティブなものであった。しかし、昨年度に比較して意欲を持って授業に取り組んだ受講生の比率が高かった可能性があり、調査結果について継続的な観察が必要である。

2. 総括

(1)1において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

本学の人間科学教育における特徴である、人文・社会・自然科学の各領域における「基本科目」と「展開科目」という枠組みでのカリキュラム設定によって、多面的に幅広い教養を身につけ、体系的な知識の習得が継続できていたと思われる。令和2年度は、オンライン授業でカリキュラムを実施したことによって、授業環境に若干の問題が発生したようであるが、学習成果実感調査の結果からは、学習を円滑に進めることができ、学習効果を高める効果もあったことが伺える。

(2)1において確認された改善すべき点

 今年度についてはアンケートの回答率が30%程度であるため、調査結果から受講生全体の動向を十分に把握することが難しかった。回収率の主な低下要因は調査をオンラインで行なったことであると推察されるので、具体的な実施方法を改善することが要請される。

3. 次年度に向けての取り組み

学習成果実感調査がオンライン化されたことに伴い、アンケートの回収率が著しく低下した。これを改善するために、具体的な実施方法を検討する。また、令和2年度の年間計画として、1. 「基本科目」・「展開科目」の履修選択動向の確認、2. 準備学習の実施率の調査方法の検討、が上がっていた。これらについては、継続的な取り組み事項とする。
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