平成30年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」 英語教育科目

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

本年度は基礎レベルの新カリキュラム完成年度(2年目)ということで、基礎レベルのクラスのみにおいて調査を実施し、新カリキュラムの効果と課題を検証した。まず、新カリキュラム2年間に着目し、今年度2年次生と昨年度1年次生(つまり同じ学生群)を比較したところ、日本人教員担当科目(TOEIC Bridgeの授業)およびネーティブ教員担当科目(コミュニケーションの授業)の両方において、自らの成長、英語への興味・理解、授業への満足度等の項目において今年度(2年次生)の方が高い傾向があった。次に、日本人教員担当の新カリキュラム科目(今年度2年次生、TOEIC Bridgeの授業)と旧カリキュラム科目(昨年度2年次生、TOEICの授業)を比較したところ、新カリキュラム科目の方が上記項目等において高い傾向があった。これらのことから、新カリキュラムは当初の目的であった、より基礎レベルの学生に合った授業内容を提供すること(TOEICではなくTOEIC Bridgeで基礎力を育成、1年次生からコミュニケーションの授業を実施することによるバランスの取れた英語力の育成)を、2年間を通してある程度達成したようである。また、今回新たに加えた設問「期末試験として英語の資格試験を受けてみたい(基礎レベルの試験で受験料はかからないものとします)。」において平均4.04で、「強くそう思う」「そう思う」合計75%であったことから(「そう思わない」「あまりそう思わない」は4%)、多くの基礎レベルの学生が授業を通して資格試験受験に意欲を持ったこともうかがえる。

2.「ワークショップ」についての報告

必修英語カリキュラム独自の研修会を実施した。概要は以下の通りである。
①日本人TOEICクラス研修会(秋学期に向けての研修会)

日時 平成30年9月12日(水)13時~14時30分
場所 サギタリウス館(S201教室)
参加者 TOEICクラス担当の専任3名、実学英語講師17名、非常勤講師3名(計23名)
プログラム概要 講師千田潤一先生による学習動機付けに着目した英語教授法に関する講演

②日本人TOEICクラス研修会(新年度に向けての研修会)
*同日に日本人基礎クラス担当者説明会も実施した。

日時 平成31年2月18日(月)13時~16時30分
場所 サギタリウス館(S501教室)
参加者 TOEICクラス担当の専任3名、実学英語講師16名、非常勤講師5名(計24名)
プログラム概要 カリキュラム概要説明、教授方法のシェア(模擬授業実施)、多様な学生への対応に関するディスカッション、学生支援に関する講習会(障害学生教育支援センター主催)

③ネイティブ コミュニケーションクラス研修会(新年度に向けての研修会)
②と同日に本学においてコミュニケーションクラス担当者を対象としたカリキュラムの説明、授業運営に関する説明、教授方法や研究テーマのシェア、学習支援に関する講習会(同上)等を実施した。

3. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

学生のレベルに合わせたカリキュラムの提供を意識しており、また担当者の活発な研修活動を通して質の高い授業運営を目指している。

(2)1と2において確認された改善すべき点

基礎レベルは新カリキュラム導入によって以前より自らの成長、英語への興味・理解等が高まってきたようであるが、さらに改善するために検討していく必要がある。

4.次年度に向けての取り組み

基礎レベル新カリキュラム2年間の成果と課題を報告書としてまとめ、今後の方向性を検討していきたい。学生がより明確な目標をもって意欲的に取り組めるカリキュラムを目指したい。また、他のレベル(初級~上級)の成果も合わせて注視していく。
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