Pick up ゼミナール

現代社会学科

社会課題を発見し、エビデンスをもとに解決に導く。

「家族・仕事・ジェンダーなどにおける社会問題の発見・ 分析・解決を探る」藤野 敦子ゼミ

「家族」「仕事」「ジェンダー」をキーワードに、学⽣⾃らが社会課題を発⾒・解決策を導き出すゼミです。 例えばゼミの一グループは、近年話題になっていた「⼥性の⽣理(月経)の貧困」を自分達の身近な問題としてテーマに据えました。
まずは、SNSのテクストや学内で実施したアンケートから得たデータを分析しました。そこから、生理用品の購入という女性に課せられる経済的負担だけが問題でないことが見えてきました。生理により授業を欠席することや課外活動が制限されることで、女子学生が様々な機会を喪失している実態が明らかになりました。また女性達は理由が語れない精神的な抑圧も感じていました。社会で言われている「貧困」にとどまらず、ジェンダー不平等という大きな枠組みでこのテーマをとらえなければ解決につながらないことがわかったのです。
こういったことを踏まえ、⼤学の⼥⼦トイレに「OiTr(オイテル)」という⽣理⽤品の無料ディスペンサーを導⼊することを大学に実際に提案するなど、いくつかの解決策を導きました。
個人的な悩みや苦しみあるいはそこまででなくても、もやもやとした気持ちを抱えている人は多いと思います。そういった個人的な思いは、実は社会の課題と密接につながっています。私たちはこのような身近な社会課題を科学的に分析し、エビデンスにもとづき解決に導くというチャレンジをしています。

幸せを感じる「場」をデザインする

「場のデザインとソーシャルイノベーション」宮木 一平 ゼミ

世界は「場」で成り立っている

宮木ゼミでは「場のデザイン」をテーマに研究や実践を行っています。「場」とはその名の通り日常で関わる地域、商店街、食堂…。通学に使う電車やバスの中などはもちろん、本やネット空間などメディアの中も含まれます。
このような「場」を居心地よくするにはどうすればいいか。地域や商店街なら「町おこし、地域づくり」ですし、職場なら「働き方改革」、さらに視野を広げれば「国際NGO活動」、あるいは「ネット上の誹謗中傷をなくすには?」など。「場のデザイン」という観点から幅広く研究テーマを模索できるのがゼミの特徴の1つです。

絵本の中が「場」になることも

場のデザインにおいて大切なのは、現場に寄り添って耳を傾けることです。「誰が何に困っているのか」「何をしたら喜ぶのか」。
具体的なゼミ活動の一例を挙げると、絵本を出版した学生がいます。その内容は、家庭環境にハンデキャップを抱えた子供たちに向けたもの。「居場所がない」「帰る場所そのものがない」。そんな子供に対して何かできるか。たとえば絵本を読んでいるとき、没頭しているときは本の中の世界が「場」になるのかもしれない。そんな思いを込めて「読んで元気になる、笑顔になる絵本」を制作しました。
現代社会学部は、自分たちで社会を変えることのできる人材を育成する学部です。ゼミ活動を通して、「変えたい」という志を具体的なアクションにつなげるための道筋を、論理的・実証的に学んでください。


文学作品で養う「社会を見る目」

「現代社会と文学」菅原 祥 ゼミ

文学や小説がゼミの教材

社会や世界について知ろうとしたとき、身近でかつ有力な情報源となるのは、文学や小説、映画などのフィクション作品です。菅原ゼミでは国内外の文学作品を素材に、社会的なテーマや人間と世界の関わり方などを考察します。
特に盛り上がるのは全員が共通の作品を読んで、それを基に行う「ディスカッション」です。文学作品の中でも、特にSF(サイエンス・フィクション、スペキュレイティヴ・フィクション)は<もしも>の世界を扱う一種の思考実験なので、実は社会学的なテーマと相性がいい。たとえば「感染症が世界に広がったら」「遺伝子操作が可能な未来になったら」といった仮説の題材から、社会や人間の在り方がどう変化していくかを議論することができます。

作品は自分と世界を映す鏡

ゼミ生の中には、卒業制作としてオリジナルの小説を執筆する人もいます。「小説を書く」というと特別なことに感じるかもしれませんが、「読む」ことが基礎をつくるものだとしたら、「書く」ことは実践として文学と向き合うということ。上手に書くことより、世界へのアプローチ方法の1つとして捉えることが重要です。
同じ作品でも、誰もが自分なりの読み方ができる、自分だけの感想があるのが小説の面白いところです。それは小説を媒介にして自分自身や社会を映し出しているから。文学作品を教材とする一番の目的は、そこにあります。インプットとアウトプットを繰り返していけば、自然と世界の見え方がクリアに、より緻密になってきます。文学作品を通して世界の形を探り、自分と対話する面白さを、ぜひ一緒に学んでいきましょう。


複数のメディアを駆使して、情報を伝える

「マルチプラットフォーム・ストーリーテリング」脇浜 紀子 ゼミ

現代では、個人が触れるメディアや情報はかつてない種類と規模になっています。新聞・テレビ・ラジオ・インターネット・SNS・デジタルサイネージ(電子看板)など、さまざまなメディアの仕組みを理解して組み合わせ、そこでの有効なマネジメントと表現手法である「マルチプラットフォーム・ストーリーテリング」を身に付けることが重要になっています。
私のゼミでの具体的な活動としては、例えば、学生が大学内のデジタルサイネージを活用し、設置の折衝から実際のコンテンツ作成までのプロジェクトを立案・完遂したり、ライブ配信で2時間の番組制作に挑戦したり。こうした「実務」に特化した学びの中で、メディア業界のみならず、社会で求められる情報コミュニケーションのあらゆる場面で通用するスキルや思考を身に付けていきます。


地域社会の活性化につなげる河川・名水の文化的特性の研究

鈴木 康久 ゼミ

観光、伝統、治水、交通など、河川が持つ役割はさまざま。それらと地域社会との関わりを探り、地域活性化につなげるゼミです。
例えば、京都市内の橋の中でも、特に歴史のある三条大橋のプロジェクト。完成当時の欄干がいまだに使われていたり、過去の刀傷が残っていたり、あまり知られていないですが、実は文化的価値の高い橋です。
この橋の魅力を広く伝えるため、ゼミでは京都市役所とタッグを組み、橋への理解や修復のための寄付に向けた活動を展開。その中で開催したのが、三条大橋の写生大会です。「優秀作品はポスターに採用」という賞を設けたことで、多くの参加者が集まり、橋の細部に目を向けてもらうことができ、三条大橋の魅力を伝える機会となりました。
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