2024.12.20

特集

【Staff Column】大学史展示室 第2回企画展『京都産業大学と学園祭-神山祭を中心に-』 に行ってみた!

第3回神山祭ポスター。当時実際に掲示されていたものです。

在学生の皆さんが毎年楽しみにしている学園祭『神山祭』は、2024年で59回目の開催となりました。しかし、神山祭の歴史について知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?前回のスタッフコラムでも取り上げた、大学史展示室開設記念特別展『学祖荒木俊馬の生涯と京都産業大学の誕生』に引き続き、4号館の1階で行われている大学史展示室 第2回企画展『京都産業大学と学園祭-神山祭を中心に-』について、大学史編纂室の方にお話をお聞きしました。皆さんもこの機会に京都産業大学と神山祭の歴史に触れてみましょう!


大学史展示室についてのサギタリウスの過去記事はこちらから

【Staff Column】(前編)学内で特別展が開催中!学祖・荒木俊馬先生の生涯と私たちの大学の歴史を学ぼう!
  https://www.kyoto-su.ac.jp/about/koho/sagi/2024/SC_04_01_sagi.html

【Staff Column】(後編)学内で特別展が開催中!学祖・荒木俊馬先生の生涯と私たちの大学の歴史を学ぼう!
  https://www.kyoto-su.ac.jp/about/koho/sagi/2024/SC_04_02_sagi.html

京都産業大学の学園祭の歴史に迫ろう!

第1回神山祭のポスター(複製)

神山祭はいつから始まったのですか?

開学から2年目の1966(昭和41)年に、本学で初めての学園祭として開催されました。統一テーマは『創造期における我々の現実と役割』で、副題は、1961年~1963年までアメリカの大統領を務めたジョン・F・ケネディの演説での一節「国が何をしてくれるか尋ねるのではなく、国のために何ができるかを尋ねてもらいたい」が使用されました。
当時は約1カ月という短期間で、忙しく準備をしたそうです。当時の実行委員長の千葉 仁さんは、『京都産業大学新聞』第2号にて、「一部のスターの出現を許すことが出来なくとも、諸君一人一人がスターになることは許されるのではないだろうか。」と語りかけています。学生一人一人がスター、主役になる、ということが神山祭に込められた本来の目的なのかもしれないですね。
第1回神山祭のアルバム。アルバム上部の右上の写真が『やきもち』の模擬店。

特におすすめの展示は何ですか?

第1回 神山祭に関する資料は、予算要望書、広告明細書、パンフレットなど、当時のものが全て残っています。今となっては大変貴重な資料だと思います!
アルバムには当時の様子を記録した写真が残されており、『産大名物  やきもち』などの出店は、本当に名物かどうかはわかりませんが、学生の遊び心のようなものがうかがえますね。
パネル左側のカラー写真に、荒木俊馬先生が競技に参加する様子が記録された写真を使用しています。

そうなのですね!その他にも体育祭が開催されていたのですか?

開学から3年後の1968(昭和43)年に第1回 体育祭が開催されました。第1回 体育祭では東山高校の山科グラウンド、第2回は京都府立大学のグラウンドを借りた後は本学の総合グラウンドで行われました。第1回の開催にあたっては、学祖・荒木 俊馬先生が「Mens Sana in Corpore Sano(健全な精神は健全な身体に宿る)」という言葉を参加学生に贈りました。大学におけるスポーツは、人間形成のための手段である、という思いが込められていました。このラテン語でのメッセージを荒木 俊馬先生が直筆で書かれた色紙があり、こちらも展示されています。
また、この体育祭には、「秋の産大名物」とも言われた京都市内を練り歩く市内パレードや、一般市民も参加できるチャリティー・コンサートも含まれていました。これら市内パレードやチャリティー・コンサートは、主に京都産業大学を知ってもらう、という目的で始められたものですが、1992(平成4)年の市内パレードを最後に、現在は行われていません。
こちらもパンフレットやアルバムなど当時のものが残されています。1972(昭和47)年に行われた第5回 体育祭では、荒木 俊馬先生が借り物競走に笑顔で参加しているカラー写真がパネルにあるので、そちらも是非見ていただきたいです。
第2回追分寮祭のアルバム。賑やかな様子がわかります。

他にも京都産業大学ゆかりの祭り があったのですか?

はい。まず1つ目は追分寮祭です。1966(昭和41)年に、滋賀県大津市に開寮した追分寮で行われていた行事です。当初は3日間と大規模な開催で、模擬店の出店だけでなく、大原での紅葉狩り、学長によるシンポジウムなど、豊富なプログラムだったようです。1982(昭和57)年に寮は京都市静市市原に移転し、今年2024(令和6)年4月に本山寮が開寮したことで追分寮は閉寮してしまいましたが、寮祭という一つの伝統は残り続けるのではないかと思います。第1回の出納帳や第2回のパンフレットやアルバムが残されています。
 
第11回乱舞祭パンフレット(上)と乱舞祭パンフレットの挨拶寄稿依頼書(下)
二つ目は乱舞祭です。この祭は、本学が開学した1965(昭和40)年に結成された応援団(昭和43年、全学応援団に改称)による祭りで、1967(昭和42)年に第1回学外発表会として行われました。以前は名前の通り、京都府立勤労会館などで開催されていましたが、近年は神山ホールでの開催となっています。1978(昭和53)年から『乱舞祭』の名称の使用が確認されており、以降『乱舞祭』の呼称となりました。準備や人員の関係で一時中止された時期もありましたが、その後復活し、2023(令和5)年の12月に開催された乱舞祭で第46回となりました。
ここではパンフレットの挨拶寄稿依頼書・原稿が展示されています。学生が、かなりしっかりとした手続きを踏んで寄稿を依頼していた、ということが分かりますね。

『産大まつり』とは?

第9回産大まつり開会式の写真展示。ピロティでのパレードの様子が残されています。

今まで4つの『祭』を見てきました。最後に『産大まつり』とはどのような行事なのですか?

今までご紹介した『神山祭』『体育祭』『追分寮祭』『乱舞祭』を統括し、この一連の行事を学園祭としてまとめて行う、という試みが1977(昭和52)年から始まりました。これが『産大まつり』です。ですので、全く新しい学園祭、というわけではありません。1回目の開催時は準備の関係上、乱舞祭はなく、他3つの行事で開催されました。開会式ではピロティにて学長のあいさつ、パレードも行われており、その様子を撮った写真も展示しています。また、同じく展示している『学報』70号では、当時実行委員長を務めた学生の『産大まつり』に対する意気込みが語られています。
しかし、学生・教員の中でも、「学園祭は神山祭である」「今まで開催されていた行事とは全く別物の行事だと思っている」という意識の人も少なからずいたようです。このように定着度が低いこともあってか 、1985年(昭和60)の第9回開催をもって『産大まつり』は当時の志学会をはじめとする学生間の話し合いで中止となり、以後、学園祭として行われる行事は神山祭のみとなりました。
『京都産業大学報』97号の展示。産大まつりの定着度の低さがうかがえます。

『産大まつり』の中止後は、どのような歴史をたどっていったのですか?

『産大まつり』が中止となり、翌1986(昭和61)年からは、神山祭が唯一の学園祭として行われるようになり、「アカデミック性の充実を最大の柱として推し進めた」そうです。コンサート、110を超える模擬店のほか、『我が大学独自の部展企画』と題した部展巡りなど、神山祭の充実が図られました。コロナ禍は中止となった時期もありましたが、昭和、平成、令和という時代を辿りながら今日まで続いています。
このように続いてきた神山祭ですが、時代によって神山祭実行委員会が試行錯誤をしていた、ということが分かる資料があります。1995(平成7)年に実施した神山祭アンケートの集計資料や、1988(昭和63)年11月9日に開催された学生部委員会の議事録のパネル展示がそれです。特に後者のパネルからは、昭和末期のこの時期に、昭和天皇の体調悪化を鑑みて、神山祭の運営方法について話し合った、ということが分かります。このような国の大事の時にどのような対応をしたのか、という先例を知っておくことは有効なことなのかもしれませんね。
学生部委員会議事録。一部行事の中止、時間の繰り上げなどが明記されています。
展示室の入り口右手に設置されているアンケート回収箱。
また、展示室の入り口右手には、実際に足を運んでくださった方向けにアンケート回収箱を設置しています。足を運ばれる方はアンケートの回答へご協力くだされば幸いです!
この企画展は2024年12月24日(火)まで 行われています。今後は、京都産業大学の歴史にまつわる展示をブラッシュアップした特別展や学祖・荒木 俊馬先生のご子息で京都産業大学の教授でもあった荒木 雄豪先生にまつわる資料展示といった企画も考えられているそうです。ぜひ積極的に足を運んでみてください!

開室時間:月曜日~金曜日 10:00~16:00(土・日・祝日は閉室)
展示期間:2024年12月24日(火) まで
 

京都産業大学の一大行事でもある、神山祭。その歴史や過去の取り組みについて、普段主体的に神山祭に参加している私たち学生がまだ知らないようなことを、当時の貴重な資料と共に知ることができたことは、めったにない機会でした。これからの神山祭の一層の盛り上がりのためにも、京都産業大学の学生である私たちがその歴史を知る、ということは大切なことではないでしょうか?皆さんにもぜひ足を運んでいただきたいです!

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