2024.05.24
特集【Staff Column】(前編)学内で特別展が開催中!学祖・荒木俊馬先生の生涯と私たちの大学の歴史を学ぼう!

皆さんは、京都産業大学の誕生、歴史についてどのくらい知っていますか?普段の学生生活において、その歴史を知る機会、触れる機会は意外と少ないのではないでしょうか。今回は、4号館の1階で行われている大学史展示室開設記念特別展「学祖荒木俊馬の生涯と京都産業大学の誕生」について大学史編纂事務室の方にお話をお聞きしました。皆さんもこの機会に京都産業大学誕生の歴史に触れてみましょう!
京都産業大学誕生の歴史に迫ろう!
京都産業大学を創立した荒木 俊馬 先生

京都産業大学を創立した荒木 俊馬 先生はどのような人物ですか?
荒木 俊馬 先生は1897(明治30)年に熊本県にお生まれになりました。県有数の進学校に行くほど幼少期から学業成績も優秀で、京都帝国大学(現在の京都大学)に進学されます。2年生の時に宇宙物理学の道を志し、卒業と同時に京都帝国大学の講師となり、ドイツ留学中に博士号を取得、海外で天体観測をするなど研究活動を活発に行われました。このような教育・研究に関する活動に力を入れる一方で、芸術に親しむことも同じように大切にされていたそうです。このエピソードを裏付けるかのように、海外を訪れた際に各地の植物や風景のほか、太陽と月をモチーフにした絵をたくさん描いておられます。
勉学も芸術も大切に考えておられたのですね!印象的なエピソードはありますか?
1922(大正11)年には来日したアインシュタインが京都帝国大学を訪れて講演した際、荒木 俊馬 先生が学生代表としてドイツ語で挨拶をされたそうです。挨拶を聞いたアインシュタインは素敵なドイツ語だと賛辞を贈ったというエピソードからも、荒木 俊馬 先生が学生時代から優秀だったことが伺えますね。大学を創立して以降は、大学の行事はもちろん、学生のコンパなどに参加されることもあったそうです。


大学史展示室ではどのようなものが展示されていますか?
この特別展では時系列に沿って9章に章立てされており、展示資料は約100点あります。前半は荒木 俊馬 先生の生い立ち、宇宙物理学の道を進み学者として活動した軌跡を、学生時代の講義ノート、博士論文の下書き原稿などの資料と共に紹介しています。そして戦後以降となる後半にかけて、教育に対する危機感を抱いた荒木 俊馬 先生が、京都産業大学創立に向けてどのように奮闘したのか、さらに京都産業大学の草創期について、第1回開催の神山祭ポスター、学部パンフレットなどの史料と共に創立に伴う当初の京都産業大学の活動の跡を追うことができる展示となっています。

たくさんの資料があるのですね!他にも特徴的な資料はありますか?
展示室の中にテレビを設置しているのですが、1969(昭和44)年の第1回卒業式の様子が放映されています。当時としては貴重なカラー映像となっており、現在とはまた異なった雰囲気を持つ京都産業大学を見ていただけるのではないかと思います。
あの人気作品のルーツがここに!?この展示に注目!
記念特別展で展示されている数多くの資料の中で、取材した際に特に注目してご覧いただきたいと感じた展示を2つご紹介します。

この展示に注目!➀
まず注目していただきたい展示は、荒木 俊馬 先生が京都産業大学を卒業する学生に向けて贈られた色紙です。これらは荒木 俊馬 先生が直筆でしたためられたものだそうです。筆まめだったというエピソードを持つ荒木 俊馬 先生らしい贈り物ですね!特に、上の写真中央の色紙の「夢」という文字は、2024年1月に京都産業大学の新たな学生寮として竣工した本山寮の入口にある陶板モニュメントに使用されています。YouTubeでも紹介されているのでぜひこちらもご覧ください!
本山寮についてはこちらから
本山寮についてはこちらから

この展示に注目!②
続いて注目していただきたい展示は、荒木 俊馬 先生が天文学の入門書として著された『大宇宙の旅』です。中学1年生の星野宙一が光の女神フォトンに導かれ宇宙へ出かける、という物語風の著作です。実は真理館の吹き抜けになっている階段やその踊り場の床に星座が印字されており、これは『大宇宙の旅』の挿絵を採用しています。▽真理館についてのサギタリウスの過去記事はこちらから
【後編】新校舎「真理館」の随所に散りばめられたこだわり。真理館に隠された遊び心とは?学生注目の食堂情報も! |
さらに、漫画家の松本 零士さんはこの『大宇宙の旅』を読み宇宙へと関心を持ち、なんと大ヒット作『銀河鉄道999』の着想を得られたそうです!『大宇宙の旅』に登場する女神フォトンは『銀河鉄道999』に登場するメーテルのモデルとなったとも言われており、荒木 俊馬 先生が教育という分野に留まらず世に与えた影響が大きいということが皆さんにも感じてもらえると思います!
さらに、漫画家の松本 零士さんはこの『大宇宙の旅』を読み宇宙へと関心を持ち、なんと大ヒット作『銀河鉄道999』の着想を得られたそうです!『大宇宙の旅』に登場する女神フォトンは『銀河鉄道999』に登場するメーテルのモデルとなったとも言われており、荒木 俊馬 先生が教育という分野に留まらず世に与えた影響が大きいということが皆さんにも感じてもらえると思います!
後編では大学史展示室のテーマや、常設展示についてご紹介します!
【Staff Column】【後編】学内で特別展が開催中!学祖・荒木俊馬先生の生涯と私たちの大学の歴史を学ぼう!