生命科学部
JT生命誌研究館
中井 彩香さん
2018年 大学院 生命科学研究科修了
- Keywords
- 研究、企画
「面白すぎる」生命科学の世界を、多くの人に発信したい
2019年の春から、生命科学をテーマとしたミュージアム兼研究所で研究員として働き始めました。具体的には、施設が発行する『生命誌』という季刊冊子の編纂・執筆をはじめ、展示やイベントのコンテンツ制作、また施設を訪れる人たちの案内役も勤めています。難しく思われがちな生命科学のことを、誰でも理解できるように、面白く・わかりやすく発信することが醍醐味です。
学生時代は学部から大学院まで進んで、腸の細胞の仕組みを研究していました。生きものの器官の中でも腸は特に細菌が多い部位ですが、通常はその菌が内部に入らないよう細胞同士が手をつなぐようにしてバリアをつくっています。一方で腸の細胞は新陳代謝のペースが速くて一日一回くらいで細胞分裂を行なっている。そこで古い細胞を放すとき、どうやって菌が入らないようにしているのだろう?と、そんな疑問から研究に取り組んでいました。こうした体の中の細胞が毎日入れ替わる仕組みや、それに関わる生物の進化の歴史など、私にとっては生きものの研究自体が面白すぎて。生命科学の世界をたくさんの人に知ってほしいと、この道を選びました。
学生時代は学部から大学院まで進んで、腸の細胞の仕組みを研究していました。生きものの器官の中でも腸は特に細菌が多い部位ですが、通常はその菌が内部に入らないよう細胞同士が手をつなぐようにしてバリアをつくっています。一方で腸の細胞は新陳代謝のペースが速くて一日一回くらいで細胞分裂を行なっている。そこで古い細胞を放すとき、どうやって菌が入らないようにしているのだろう?と、そんな疑問から研究に取り組んでいました。こうした体の中の細胞が毎日入れ替わる仕組みや、それに関わる生物の進化の歴史など、私にとっては生きものの研究自体が面白すぎて。生命科学の世界をたくさんの人に知ってほしいと、この道を選びました。
度重なる発表の場で気づいた、伝えることの面白さ
京都産業大のカリキュラムでよかったことは、大学・大学院を通して、研究を発表する場がとにかくたくさんあったこと。オープンキャンパスでは学部発表がありますし、院では小規模な研究室が多数あり、研究室同士が集まって行う発表会もさかんでした。相手はその分野のことを何も知らない人。工夫して作った文章やスライドを片手に研究内容を説明すると、相手のなかでふわっと何かが立ち上がる瞬間が訪れるんです。自分の好きなものが伝わった手応えとともに、この瞬間の喜びは格別でした。発表を通して知った伝えることの楽しさは、今の仕事を目指す動機になりました。
今の仕事はよく楽器の奏者に例えられます。楽譜を見ただけではよく分からないものを、実際に弾いてみて、誰にでも分かりやすい形で伝えるという役割。現代は生命科学の研究がものすごい速さで進んでいながら、その活用法や知識の理解が追い付いていない状態です。今後はそんな研究だけでなく、私たちのような伝える仕事や、技術を活用する分野に専門的な知識を持った人たちの活躍の場がどんどん増えていくと思います。
今の仕事はよく楽器の奏者に例えられます。楽譜を見ただけではよく分からないものを、実際に弾いてみて、誰にでも分かりやすい形で伝えるという役割。現代は生命科学の研究がものすごい速さで進んでいながら、その活用法や知識の理解が追い付いていない状態です。今後はそんな研究だけでなく、私たちのような伝える仕事や、技術を活用する分野に専門的な知識を持った人たちの活躍の場がどんどん増えていくと思います。
※掲載内容は取材当時のものです。