【前編】新校舎「真理館」に散りばめられた愛着あるこだわり。名前の由来と設計ポイントに迫る!

新しくできた真理館の外観

2020年の春に完成した京都産業大学の新校舎「真理館」。どうしても目的地の教室や食堂に急ぎがちですが、建物そのものにも注目してください。実は随所にいろいろな思いが込められているのです。
そんな真理館ができるまでの裏側やこだわりを、大学の施設に詳しい管財部主任の西浦匠吾(にしうら・しょうご)さんに案内していただきました。
この前編では「真理館」がどういう建物なのか、名前の由来や設計のポイントについてご紹介します。
普段、真理館に足を運ぶ機会のない方も、ぜひ注目してみてください。

学歌の一節に由来するネーミング

並楽館前のエスカレーターを上って12号館のアーチをくぐると、右側に大きなガラス張りの建物が見えてきます。この建物が今回取り上げる「真理館」です。
実は、この場所にはもともと外国語学部が主に利用していた3号館とクラブボックスが設置されていた7号館が連なって建っていました。しかし、この2つの建物は少なくとも築50年以上の開学当初からの建物であったため、耐震強度の面で不安がありました。そこで教室拡充のために3号館と7号館を1つにして新しく真理館が建てられることになりました。現在は主に国際関係学部と法学部の学生が使用し授業を受けています。
また、「真理館」という名前は、京都産業大学学歌の3番の一節に由来します。

鋼鉄(はがね)なす 身体を錬(きた)え
黄金(くがね)なす 精神(こころ)を磨(みが)き
新珠(あらたま)の 真理を窮(きわ)め
剛健の 意気高らかに
天翔(あまがけ)る 希望(のぞみ)抱きて
五大洲 七つの洋(うみ)に
雄飛し行かむ

「新珠(あらたま)の真理を窮(きわ)め」には、「掘り出したままで、まだ磨かれていない玉(宝石)を磨くように真理を極める」という意味があります。歌詞をあらためて見ると、「真理館」というネーミングに込められた、学びへの思いを感じ取ることができます。

そんな経緯で建てられた真理館。管財部の西浦さんにお話をお聞きしたところ、普段使っていてもなかなか気づくことのできない工夫がいたるところに隠されていることがわかりました。

周りとの「統一感」と「独自性」を両立させる

身ぶり手ぶりを交えて詳しく説明してくださる管財部の西浦さん。
まずは管財部の西浦さんに、全体の設計のポイントをお聞きしました。大きく、次の3つの工夫に真理館の特徴が集約されています。

工夫ポイント①“開放感”

現在、真理館は12号館・サギタリウス館・雄飛館とともに4棟でピロティをロの字で囲んでいます。真理館は建物に吹き抜けスペースがあり、まるで風が吹き抜けるかのような、広い空間が気持ちいい!階段や渡り廊下などはオープンに。窓ガラスの面積を増やして、開放感のあるスペースになるように意識したそうです。
風通しのいい構造になっている階段や渡り廊下。

工夫ポイント②“統一感”

真理館の向かい側にあるサギタリウス館は真理館より先に建てられました。景観に統一感を出すために、真理館もサギタリウス館のようにガラス張りの部分を多くし、壁をレンガ風にするなどの工夫したデザインにしたそうです。また、カウンター席を多く設置し、机や椅子もサギタリウス館と類似したものを採用し統一感のあるように、外見だけでなく内装も似た雰囲気になっています。

教室は全体に統一感があって、授業に集中しやすい雰囲気。
教室は全体に統一感があって、授業に集中しやすい雰囲気。

工夫ポイント③“スタイリッシュな天井”

そして、真理館だけが持つ特徴があります。それは、真理館内の教室の天井は照明や空調設備がすべて見えるようになっていることです。西浦さんによると、天井をあらわにした主な理由は、最近の内装のトレンドを踏まえつつ、天井の化粧板をなくすことで震災が起こっても天井が落下しなくなるため、怪我をするリスクが低くなるというメリットがあるのだそうです。また、必要となる部材が少なくなることから、コストカットも見込めるとのこと。実際に間近で見るとスタイリッシュで、とてもおもしろい発想だなと感じました。
この天井の違いは気づいていなかった人も多いのではないでしょうか? 真理館の教室を利用した際は、ぜひ天井を見上げてみてくださいね!
化粧板を貼らない真理館の天井。採光のいい教室で、スタイリッシュな印象を与えます。

Hot Tag 注目のタグ

      学生広報スタッフ募集中!記事の話題になる情報も気軽にお寄せください!

      文章やイラスト作成、写真や動画の撮影や編集に興味はありませんか?広報部直轄の学生団体である学生広報スタッフは、キャンパスWEBマガジン「サギタリウス」に掲載する記事を企画から取材、原稿執筆までスタッフ内で分担して作成しています。また、最近は記事だけでなく写真や動画の撮影と編集、SNSの運用にも力を入れています。

      こんな学生におすすめ
      ★新しいことを始めてみたい
      ★情報発信に興味がある
      ★文章を上手に書けるようになりたい
      ★出版や広告、メディア方面の就職を視野に入れている
      ★写真、動画の撮影や編集に興味がある

      記事作成や撮影についての研修会も実施しているので、誰でもチャレンジできます。 興味があれば、ぜひ広報部までご連絡ください! また、「大学のこの情報も取り上げてほしい!」など、情報提供もお待ちしています。 一緒にサギタリウスを盛り上げましょう!


      広報部(本館2階)
      Tel:075-705-1411
      Mail:kouhou-bu@star.kyoto-su.ac.jp
      PAGE TOP