2021.02.05
キャンパスライフ【前編】新校舎「真理館」に散りばめられた愛着あるこだわり。名前の由来と設計ポイントに迫る!

2020年の春に完成した京都産業大学の新校舎「真理館」。どうしても目的地の教室や食堂に急ぎがちですが、建物そのものにも注目してください。実は随所にいろいろな思いが込められているのです。
そんな真理館ができるまでの裏側やこだわりを、大学の施設に詳しい管財部主任の西浦匠吾(にしうら・しょうご)さんに案内していただきました。
この前編では「真理館」がどういう建物なのか、名前の由来や設計のポイントについてご紹介します。
普段、真理館に足を運ぶ機会のない方も、ぜひ注目してみてください。
学歌の一節に由来するネーミング
並楽館前のエスカレーターを上って12号館のアーチをくぐると、右側に大きなガラス張りの建物が見えてきます。この建物が今回取り上げる「真理館」です。
実は、この場所にはもともと外国語学部が主に利用していた3号館とクラブボックスが設置されていた7号館が連なって建っていました。しかし、この2つの建物は少なくとも築50年以上の開学当初からの建物であったため、耐震強度の面で不安がありました。そこで教室拡充のために3号館と7号館を1つにして新しく真理館が建てられることになりました。現在は主に国際関係学部と法学部の学生が使用し授業を受けています。
また、「真理館」という名前は、京都産業大学学歌の3番の一節に由来します。
鋼鉄(はがね)なす 身体を錬(きた)え
黄金(くがね)なす 精神(こころ)を磨(みが)き
新珠(あらたま)の 真理を窮(きわ)め
剛健の 意気高らかに
天翔(あまがけ)る 希望(のぞみ)抱きて
五大洲 七つの洋(うみ)に
雄飛し行かむ
「新珠(あらたま)の真理を窮(きわ)め」には、「掘り出したままで、まだ磨かれていない玉(宝石)を磨くように真理を極める」という意味があります。歌詞をあらためて見ると、「真理館」というネーミングに込められた、学びへの思いを感じ取ることができます。
そんな経緯で建てられた真理館。管財部の西浦さんにお話をお聞きしたところ、普段使っていてもなかなか気づくことのできない工夫がいたるところに隠されていることがわかりました。
周りとの「統一感」と「独自性」を両立させる

工夫ポイント①“開放感”

工夫ポイント②“統一感”
真理館の向かい側にあるサギタリウス館は真理館より先に建てられました。景観に統一感を出すために、真理館もサギタリウス館のようにガラス張りの部分を多くし、壁をレンガ風にするなどの工夫したデザインにしたそうです。また、カウンター席を多く設置し、机や椅子もサギタリウス館と類似したものを採用し統一感のあるように、外見だけでなく内装も似た雰囲気になっています。


工夫ポイント③“スタイリッシュな天井”
この天井の違いは気づいていなかった人も多いのではないでしょうか? 真理館の教室を利用した際は、ぜひ天井を見上げてみてくださいね!
