2024.11.20

カルチャー

マンガ好き学生が「京都国際マンガミュージアム」の魅力を取材!

マンガ好きの島田さん

京都には、日本の文化・芸術に触れられるスポットが多くあります。今回はその中でも、国内外を問わず多くの観光客でにぎわう京都国際マンガミュージアムを紹介します。デジタルイラストを手掛ける 文化団体連盟構成クラブ「電子計算機応用部(C.A.C.)」所属の、マンガ好きの文化学部1年次 島田さんと一緒に、その魅力を取材しました。

京都国際マンガミュージアムは、マンガ博物館であり図書館

京都国際マンガミュージアムの入口。
烏丸御池駅から歩いてすぐの場所にある、京都国際マンガミュージアム(以下、マンガミュージアム)。総合的にマンガ文化を扱う施設としては日本初のマンガ博物館・図書館として、2006年11月に京都市と京都精華大学の共同事業で開館しました。マンガ資料の収集・保管や、展示・イベントの企画運営、マンガ文化に関する調査・研究などを行っています。所蔵しているマンガはなんと約30万点です。 
 
昭和初期に建てられた龍池小学校の校舎をリノベーションした建物で、その頃の歴史も感じられます。現在は国の 登録有形文化財に指定されています。
各階の壁際や廊下には、「マンガの壁」と呼ばれる書架があり、その配架のマンガは全て手に取って読むことができます。
マンガミュージアム広報担当の中村 浩子さんは、「館内のマンガ本はグラウンドに持ち出して読むこともできます。寝転がりながらマンガを楽しまれている様子は、こちらも和やかな気持ちになるので好きな風景です」と案内してくださりました。
「マンガの壁」には、マンガがぎっしり。

マンガについて楽しく学べる常設展と企画展

マンガミュージアムには、常設展と企画展があり、常設展のメインは2階にある「マンガって何?」の展示です。マンガの歴史やマンガ執筆  に使われる道具、世界のマンガなどが分かりやすく紹介されています。
マンガならではの吹き出しや記号についての解説を見ることができます。
「日本人は幼い頃からマンガが身近にあるので、コマを読み進める順番やオノマトペ(擬音語・擬態語)を、当たり前のように読み取っているんです。常設展では海外の方はもちろん、日本人が見ても新たな発見があると思います」と、マンガミュージアム学芸員の倉持 佳代子さんはおっしゃいます。
マンガ好きな島田さんは「たしかに、これまで読む順番やオノマトペを意識したことはなかったです!」と驚いた様子でした。
常設展「マンガ家の手」では、マンガ家の石膏手型を展示しています。みんなが知っているあのマンガ家の手型も!?
年に3〜4回ほど行われている企画展では、ユニークな企画もあります。2017年の企画展「クッキングパパ展 旅する。食べる。料理する。」では、『クッキングパパ』(作者:うえやまとち)で作中に登場する料理を再現し、その料理を実際に食べることができるイベントも行いました。企画展は、完成まで早くて1~2年、構想段階を入れると5年ほどかかることもあるそうです。
 <近日開催予定の企画展>
「のこす!いかす!!マンガ・アニメ・ゲーム展」
  • 期間:2024年11月23日(土)~2025年3月31日(月)
  • 会場:京都国際マンガミュージアム2階ギャラリー1、2、3
  • 概要:マンガ・アニメ・ゲームのアーカイブにおいて、どのようなモノが、どのような形でアーカイブされているのかという現状を紹介します。また、今後何をどのように集める=〈のこす〉のか、どのように〈いかす〉のか、そのあり方や意義について学べる展示です。

マンガを研究的な視点で楽しむ!

学芸員の倉持さんに、大学生にお薦めのマンガの楽しみ方を伺いました。「マンガ雑誌を『時代を読み解く資料』として見ると興味深いですよ。マンガはその時々の流行や人々の思想を常に反映してきました。マンガのテーマや、マンガ雑誌の小さな広告ひとつとっても、当時のトレンドや考え方が見えてきます」。

また、1階にあるさまざまな国や地域の言語に翻訳されたマンガを日本語版と比べてみることもお薦め だそうです。日本語特有のオノマトペの扱いや言語による横書きと縦書きの違いなど、翻訳上のさまざまな工夫を知ることができます。
1階のマンガ万博では、世界の言語に翻訳されたマンガを読むことができます。
地下収蔵庫にある閉架のマンガ資料が閲覧できる「研究閲覧室」(要予約)。「マンガを論文のテーマに取り入れてみては」と倉持さん。

マンガを愛する学芸員と学生が語る「マンガの魅力」

最後に、学芸員の倉持さんにとってマンガとはどのような存在なのか伺いました。「子供の頃からずっと読んでいて、なくてはならない存在です。今も、仕事でもプライベートでも読んでいます。子供の頃に読んだマンガを大人になってから読むと、昔とは違うキャラクターに共感したり、違う見え方を発見したりします」。

倉持さんの言葉を受け、マンガ好きの島田さんと学生広報スタッフは「マンガは読み返すたびに自分の成長を感じられる」「成長することによって感動する場面が違うのが面白い」と、共感しました。

これまでの人生で、マンガに大きな影響を受けてきたと話す島田さんは「例えば、スポーツマンガによくある『劣等感』という感情。ストーリーを追うごとに、どうネガティブな感情を消化したら良いかを楽しみながら、学ぶことができます」と、漫画の魅力を語ってくれました。

皆さんもマンガミュージアムを訪れて、今までと少し違ったマンガの楽しみ方を発見してみませんか。
島田さんと訪れることができて良かったです。
京都国際マンガミュージアム
住所:京都市中京区烏丸通御池上ル (元龍池小学校)
営業時間:10:00~17:00(最終入館時刻: 16:30)
定休日:毎週水曜(休祝日の場合は翌日)、年末年始、メンテナンス期間
 
※マンガミュージアムの写真は許可を得て撮影・掲載しています。
マンガミュージアムでの撮影に関しては、同館サイトの「館内での撮影について」をご確認ください。


マンガミュージアムは、子どもの頃に訪れて以来でした。今回成長して伺う機会を得たことで、改めてマンガの面白さに気付き、感動しました。同じマンガでも、子どもの頃に読むのと大人になった今読むのと、違う発見があります。マンガの魅力に気付くことができた取材でした!

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