2024.09.20
カルチャー京都の幕末を感じるひとときを!新選組の史跡巡り

アニメや漫画、ゲームにもなり、若者から人気を集めている「新選組」。2024年秋には、新選組をテーマにした人気漫画「青のミブロ」もアニメ化されます。そこで今回は、新選組が結成された地・壬生(みぶ)にある、新選組ゆかりのスポットを2つご紹介します。皆さんもこの機会に新選組の歴史に触れてみませんか?
新選組が訓練をしていた場所!新選組ファンが集う、壬生寺

壬生寺は、阪急電鉄大宮駅・京福電車(嵐電)四条大宮駅から徒歩約10分の場所にある、991(正暦2)年創建のお寺です。1863年に壬生の地で誕生した新選組は、会津藩主・松平 容保(まつだいら・かたもり)の配下で京都の治安維持のために活動しました。壬生寺は、約160年前に新選組が兵法訓練をしていた場所です。隊士たちが汗を流していた姿を思い浮かべながら、境内を散策してみてください。
拝観料300円で、壬生塚と壬生寺歴史資料室を見学できます。壬生塚は、新選組隊士の墓所。近藤 勇の髪の毛を祭る遺髪塔や、7人の新選組隊士の合葬墓など、新選組の隊士11人が祭られています。
拝観料300円で、壬生塚と壬生寺歴史資料室を見学できます。壬生塚は、新選組隊士の墓所。近藤 勇の髪の毛を祭る遺髪塔や、7人の新選組隊士の合葬墓など、新選組の隊士11人が祭られています。

ここで注目は、近藤 勇と土方 歳三の胸像のクオリティです。凜々しい表情とたたずまいは、今にも動き出しそうで感動しました!土方 歳三の胸像は、朝と夕方の日光の当たり方によって表情が変わるようにこだわって作られています。

阿弥陀堂内の地下には、壬生寺歴史資料室があります。こちらでは新選組にまつわる資料や羽織の復元品、「誠」の文字が入った旗の復元品が展示されています。羽織は当時20着のみ作られた貴重な物で、現在の価格にするとなんと1着あたり約30万円の高級品だったそうです!

資料も見応えがあります。たとえば「壬生寺文書」には、新選組の大砲の訓練の衝撃によって壬生寺本堂の瓦が落ちた、という記録が残されています。新選組の訓練がいかに規模の大きなものだったのかを知ることができ、驚きました。新選組は明治維新の頃は賊軍と見なされ、現在に至るまでに資料はほとんど廃棄されているため、貴重なのだそうです。

まさに新選組ファンの聖地ともいえる、壬生寺。絵馬や新選組ゆかりのノートには、新選組に対する思いやアニメキャラクターの絵が描かれていて、新選組ファンの情熱を感じることができます。新選組ゆかりのノートは、はじめは壬生寺が設置したものですが、そのうち自主的にノートを持ち寄る有志が現れ、現在は10冊以上ものノートが設置されているそうです。

壬生寺限定の新選組グッズもたくさんあります。中でもユニークなのが「ミズしるべ」です。指に水を付け、紙に描かれた模様に沿って指でなぞると、新選組隊士の名言がランダムに浮き出てきます。誰の名言が出るか楽しみながら、ぜひ体験してほしいです。


壬生寺
住所 | 京都市中京区壬生梛ノ宮町31 (正門:坊城通り四条下る) |
拝観時間(阿弥陀堂) | 9:00~16:00(壬生寺の閉門は17:00) |
拝観料 (壬生塚・歴史資料室を含む) |
300円 |
ミズしるべ | 1回300円 |
ご朱印受付時間(寺務所) | 8:30~16:30 |
芹澤 鴨暗殺時の刀傷も!新選組発祥の地「八木家」
壬生寺のすぐ北側には、新選組 壬生屯所旧跡である「八木家」があります。新選組結成の地であり、新選組初代筆頭局長・芹澤 鴨が暗殺された場所です。

江戸時代、浪士隊の宿所に選ばれた八木家には、芹沢 鴨、近藤 勇、土方 歳三、沖田 総司などのメンバーが滞在。浪士隊から分かれて京に残った彼ら13人は、新選組と名前をつけ八木家に残りました。これが新選組の誕生とされています。その後次第に隊士も増え、八木家だけではなく周囲の家も宿所とするようになりました。

八木家での見所は、新選組の初代筆頭局長・芹澤 鴨が暗殺されたという奥座敷です。酒癖の悪かった芹澤。宴会の後泥酔し、八木家で愛人の女性と眠っていたところを、土方 歳三ら数人に襲われました。庭に面した縁側を通って隣室へ逃げ込もうとしますが、入口近くの文机につまずき、とどめを刺されたといわれています。芹澤がつまずいた文机や、暗殺時にできた鴨居の刀傷が今も残っています。


暗殺は、芹澤の問題行動を受けて松平 容保が出した粛清命令だとされるほか、さまざまな説があるそうです。彼がどんな人物だったのか、想像が広がります。
また、八木家の敷地内には、先代が約60年前に創業した和菓子屋「京都鶴屋 鶴寿庵(かくじゅあん)」があります。八木家のツアーの参加者は、見学後に店内で、屯所餅とお抹茶をいただけます。屯所餅は、壬生で栽培された京野菜の壬生菜(みぶな)が入ったお餅と、粒あんが相性抜群のお菓子です。
また、八木家の敷地内には、先代が約60年前に創業した和菓子屋「京都鶴屋 鶴寿庵(かくじゅあん)」があります。八木家のツアーの参加者は、見学後に店内で、屯所餅とお抹茶をいただけます。屯所餅は、壬生で栽培された京野菜の壬生菜(みぶな)が入ったお餅と、粒あんが相性抜群のお菓子です。


新選組が暮らした壬生に今も残る八木家は、彼らが見た情景が時代を超えて息づいています。新選組に詳しくなくても、臨場感あふれる空間で解説に耳を傾けると、その魅力に引き込まれます。幕末にタイムスリップした気分を味わってみてください。

八木家
京都鶴屋 鶴寿庵
京都鶴屋 鶴寿庵
住所 | 京都市中京区壬生梛ノ宮町24 |
八木家拝観時間 | 9:00〜17:00(最終受付は16:00) |
鶴寿庵営業時間 | 8:00〜18:00 |
定休日 | なし |
元々新選組の存在は知っていましたが、実際に足を運んだことで、今まで知らなかった新選組についての知識、裏話などをたくさん知ることができ、その当時の歴史をリアルに感じることができました。皆さんにもこの機会にぜひ訪れてほしいです。