2024.02.10

特集

伝統文化が散りばめられたおしゃれなカフェ〜卒業生が経営する飲食店紹介

カフェのカウンター。店内の至るところに茶筒が。

今回は卒業生シリーズの特別版です!京都には、ジャンルも歴史もさまざまで魅力的な飲食店がたくさんありますが、その中でも、本学の卒業生が営むお店に注目しました。今回は、京都駅からも徒歩でアクセスできる、おしゃれなカフェ「Kaikado Café」を紹介します。ドリンクはもちろん、カップやカーテンにいたるまで随所にこだわりが散りばめられています。1996年に本学の外国語学部を卒業した、開化堂6代目・八木 隆裕(やぎ・たかひろ)さんに、在学中の思い出を振り返っていただきながら、カフェに込めた熱い思いを、お聞きしました。

今回、この記事を読んだ学生限定で特典を受けられます!ぜひ最後まで読んでみてください。

Kaikado Caféは、京都市営バス「七条河原町」の目の前にあります。来年で開業150周年を迎える、茶筒で有名な「開化堂」が2016年にオープンしたカフェです。
外観は大きな窓が特徴的
京都市電の車庫の建物をリノベーションした店内は天井が高く、開放感があり、落ち着いた雰囲気でくつろぐことができます。
 
今回は、「Kaikadoチーズケーキ(ドリンク付き)」(1,950円)と、「あんバタ(ドリンク付き)」(1,700円)をいただきました。ドリンクは、「開化堂のほうじ茶オレ」と「Kaikadoアールグレイ」です。
「Kaikadoチーズケーキ」と、「開化堂のほうじ茶オレ」
名物のチーズケーキは、栃木県・那須高原にある有名店「チーズガーデン」のチーズケーキが茶筒の形になったオリジナル仕様です。濃厚な味わいを堪能できるベイクドチーズケーキの上部には、あっさりとしたサワークリーム。底にはメープルとヘーゼルナッツの風味が香る、サクサクのクッキー生地が。口に入れると、チーズとサクサクとしたクッキー生地の相性が最高で、とろけるような気持ちになりました。
ほうじ茶オレは、ほうじ茶の茶葉のうまみと甘いミルクが合わさった優しい味がします。寒い冬にほっこりと落ち着ける一杯です。
トーストの上にたっぷりあんこがのった「あんバタ」
あんバタは、無添加で丁寧に手作りする、中村製餡所のあんこがたっぷり。砂糖不使用であっさりとした味わいのパンは、中京区のパン屋 HANAKAGOのもの。ハード系食パンの塩味があんこを引き立てます。
ショーケースでは茶筒やカップの展示販売も。
店内を見渡すと、コーヒー豆の容器として、砂糖入れとして、インテリアとしてなど、あらゆるところに茶筒が使われていて、工芸を身近に感じることができる空間になっています。
「Kaikadoアールグレイ」。カップ、砂糖やミルクの器にも注目です。
実はカップも宇治の窯元 朝日焼です。飲み口は少し長円がかり口の形に沿って飲みやすく、持ち手は、カップの熱い部分に指が触れないようになっています。そして、大きな窓にかかるカーテンは西陣織のものだそう。
 
他にもまだまだこだわりが詰まっているカフェなので、ぜひご自身の目で魅力を発見してみてください!気になることがあったらお店の方に尋ねると、丁寧に教えてくださいますよ。
 
特 典
「京都産業大学のWEBマガジン『サギタリウス』の記事を見た」と伝え、本学の学生証提示で、店内飲食のお会計金額から100円引き!(テイクアウト、物販を除く)
※特典期間は2024年3月末まで

「Kaikado Café」は本学卒業生のお店!

こんな素敵なカフェをされている、八木 隆裕さんにお話を伺いました。
本学卒業生の八木 隆裕さん

カフェを始めたきっかけを教えてください。

私は開化堂の6代目です。次の世代にも茶筒を作り続けたいと考えていたあるとき、「私」と「私の子ども」の文化は違うということに気付きました。将来、子どもの世代が大人になったときに日常生活の中で、茶筒を使ってもらうには、その世代の文化に忍び込んでおかないといけないと考えました。そこでカフェを通して、次の世代に工芸の魅力に触れてもらうことを思い付いたのです。工芸へのこだわりを押し付けるのではなく、店内の至るところにその要素を散りばめることで、「このカップの口当たり、心地良くて好きだな」とか、それぞれの観点で気に入ったものを見つけてもらえるような空間にしたいと思っています。

八木さんは、本学の卒業生と聞きました!学生時代の経験が現在に役立っていることはありますか?

在学当時は自由な校風だからこそ、やること全て自己責任という環境で過ごすことができました。スキーサークルに入っていたのですが、それも楽しかったですね。サークルでは会計担当で、サークル運営の難しさや人間関係などいろいろな困難にぶつかりました。その時に小さな失敗を繰り返して、学んで、今があると思います。
就職活動では、自分の長所を「笑顔」としていました。「そんな自己PRで大丈夫か」と友達には笑われていましたが、今でも笑顔は私の強みです。笑顔には、その人らしさがにじみ出て、相手と接点を持つときに和ますことできる力があります。仕事で関わる相手先とのお付き合いの中でも生かされていると思います。

大学卒業後は、どのように進路を選ばれたのですか。

茶筒は一度購入すると、100年後に修理の依頼があるようなものです。経営はなかなか一筋縄ではいきません。父からは工芸が重宝される世の中はもう長くないから、自分の代で開化堂は閉じると聞いていました。
私は英米語学科(現:英語学科)だったので、社会に出てからも英語を使う仕事がしたいと思い、海外からの観光客にお土産を売る、「京都ハンディクラフトセンター」に就職しました。当時、免税ができるお店は限られていたので、京都ハンディクラフトセンターは京都に来た観光客の大半が訪れるような場所でした。英語で接客し、工芸品や真珠、器、電子機器まで日本のあらゆるものを販売していました。そこで、家業の茶筒も扱ってもらうようになりました。
 
ある日、海外から旅行に来ていた女性が茶筒を買ってくれました。興味があったので、「何に使うんですか?」と尋ねたところ、「キッチンで使います」とのこと。以前、海外にお土産で持っていった茶筒が、棚にしまわれて使われていないことを知っていたので、日常で使いたいという答えに驚きました。
英国のアフタヌーンティーをイメージして作られた菓子缶。中には2段組のトレーが収納されていて、いろいろなお菓子をのせて楽しめます。
この出来事をきっかけに、茶筒は他国の文化にも忍び込むことができる、世界中で売れるはずだと考え始めました。父に海外で茶筒を売らせてほしいとお願いしたところ、「売れるわけがない。まずは作る仕事を覚えなさい」と言われ、茶筒を作る職人生活が始まりました。その数年後、ロンドンの紅茶屋さんから連絡がありました。その方のお父さんがたまたまアート業界で著名な方で、お父さんと息子さんが茶筒を売りたいと言ってくれたのです。現地に道具を持って行って実演販売を行ったところ、なんと10日間で百数十万円分もの茶筒が売れ、それをきっかけに世界へ広がり、現在では15カ国で茶筒を売ってもらっています。

在学生に向けて、学生時代にやって良かったことを教えてください。

海外に行くことです。海外での経験は、自分で飛行機のチケットを取ることから始まり、一つ一つに学びがあります。社会人になってから海外に行くのとは違う自由さもあります。
 
私は在学中、一人でアメリカの田舎町に住んでいた親戚に会いに行きました。滞在した1カ月間、海外の日常を経験させてもらいました。サングラスを買ったお店でのフレンドリーな接客、初めて出会うアジア人である私を珍しそうに見つめる子どもたち。全てが新鮮でカルチャーショックを受けました。
気さくに話してくださいました。
私も初めから英語がすらすらと話せたわけではありません。海外に一人で行く怖さもありましたが、このような経験が人を強くすると感じました。「社会人になってどんなことが起こっても、自分は大丈夫」と自信がつきました。


カフェでくつろぎながら、茶筒をはじめ工芸に触れる機会がある空間はとても新しく、楽しむことができました。また、八木さんの大学生活での経験から得た学びや考え方が、心に響きました。

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