ぽて湯が入っているのは、JR西日本ホテルズの新ブランド・梅小路ポテル京都。「ポテル」という名前は、「Port（港）」のように価値ある出会いが地域だけでなく国内外からも集まる場所を目指し、ホテルの「ホ」に「゜」をつけることでご縁が生まれることを願って命名されました。

また、観光地である京都のホテルでは忙しなく過ごすことが多いですが、そんな中でも「ぽーっと」過ごせるような空間を作りたいという思いも込められています。

女湯の浴場に入るとまず目に入るのは大きな銭湯絵。描かれているのは渡月橋や鴨川を思わせる、季節感のある風景です。
男湯には東寺や茶畑が描かれ、女湯とはまた違った景色が楽しめます。
また、浴場内の壁はタイル張りです。実は銭湯は関東と関西で文化が違い、関東では壁に銭湯絵が描かれるのに対して、関西では壁にタイルを敷き詰めるのだそうです。ぽて湯では、その関東と関西の銭湯文化を融合させた銭湯が楽しめます。

お風呂にはノーマル・ジェットバス・露天風呂があり、その横にはサウナがあります。昔ながらの銭湯のように、桶や椅子を自分で取るスタイルで、隣の人に水がかかるのを防ぐためにシャワーの首も固定されています。

銭湯にはさまざまなマナーがあるので、入り慣れていない人は難しいと感じるかもしれません。しかし、ここでは銭湯が初めての方でも気軽に利用できるように、写真のようなポスターが貼られています。

ぽて湯は昔から続いてきた銭湯文化の継承をコンセプトに、銭湯の魅力を最大限に生かした施設です。ポテル宿泊者以外でも利用できるため、宿泊者と地域住民とのつながりが生まれることも魅力の一つです。ぽて湯の向かい側には「梅小路醗酵所」というお店があり、ドリンクやお酒、発酵食品を楽しめるので、お風呂上りに一杯いただけるのも素敵です。

ぽて湯を取材して、「銭湯に行ってみたいけど、地域の銭湯に行くのはハードルが高い……」という学生にこそぜひ行ってみてほしいと感じました。アメニティが販売されているため、手ぶらでも銭湯を楽しめます。梅小路公園で汗を流した後や、京都水族館で楽しんだ後に、フラッと立ち寄ってみてください。モダンで落ち着いた空間にきっと癒されますよ。

梅小路銭湯 ぽて湯

住所： 京都市下京区観喜寺町15
営業時間：15：00～20：00（銭湯のみ利用の場合）　※最終受付19：30
定休日：年中無休
入湯料：大人（中学生以上）600円、小学生300円、幼児150円

平安湯には3代目店主の村中 稔さん手作りの薬草風呂があり、時期によって変わる薬草風呂が楽しめます。

例えば、ミカンの皮を乾燥させた陳皮(ちんぴ)や、ヨモギ、ドクダミなどがあり、中でもレモンを使用したお風呂が一番の人気です。過去には畳の材料であるイグサを使用した珍しいお風呂も提供。イグサ風呂は近くの畳屋から余った部分を譲ってもらい実現したもので、1畳分ほどのイグサをそのまま丸めて風呂に入れており、インパクトも大きかったそうです。

平安湯の風呂の水は地下80～90mの深さにある天然の地下水を汲み上げて使用しています。水質は柔らかく、肌当たりの優しさが特徴です。また、サウナは約110度の室温が維持されており、小さく裁断して丸めたイグサを窓際に置いているので、香りも楽しめます。
近年、サウナと水風呂に交互に入ることで心身を「ととのえる」（リラックス状態を味わう）ことも流行となっていますが、「銭湯の楽しみ方はサウナに加え、お湯に漬かり疲れを癒すことにある」と、店主の村中さんは教えてくださいました。
村中さんは、お湯の入った浴槽と水風呂を交互に漬かる温冷交代浴を勧めています。この方法は水風呂がある銭湯ならではの楽しみ方であり、お湯に漬かるだけになりがちな銭湯に慣れていない若者に向けても、この方法はおすすめなのだそうです。

銭湯の下駄箱には、学生とのコラボによってつくられた珍しい木札が使われています。

また、瓶ジュースはもちろんのこと、ご当地のサイダーやクラフトビール、メロンサワーなども販売されていて、お風呂上がりの時間も楽しめます。

今後の経営について村中さんにお話をうかがったところ、「平安湯を観光地にしたい。例えば、壁面のタイルに京都のさまざまな観光地を描くことで、訪れた観光客に京都全体を一周するような気分を味わってほしい。また、将来の子供たちに残していけるような銭湯にしたい」と熱く語ってくださいました。平安湯は地域に根付いた銭湯であり、地元の学生がよく訪れるので、若者や初心者にも入りやすいですよ！

平安湯

住所：京都市左京区吉田下大路町22
営業時間：15:00～25:00
定休日：木曜日
入浴料：大人450円、中人150円、小人60円

家のお風呂ではなく、銭湯の広いお風呂に入ると、疲れが癒やされます。お風呂の後に、瓶ジュースやサイダーを飲んだりするのも楽しみの一つ。いろいろな銭湯を巡って、自分流の楽しみ方を見つけてみてください。別の記事では『雰囲気抜群の老舗銭湯編』特集しています。ぜひ読んでください！