2021.06.02

特集

「苦しい時こそ、ありがとう!」京都産業大学卒業生・詩画家「たけ」さんにインタビュー

作品をバックに座る「たけ」さん

今年度の京都産業大学の交通広告ポスターに、卒業生である詩画家「たけ」さんのメッセージが掲出されていることをご存知ですか?たけさんこと河村武明さんはある日、脳梗塞を発症し後遺症の中34歳で人生の再出発をされ、現在も詩画家として最前線で活躍されています。
今回は書面でインタビューを行い、在校生がさまざまなことにチャレンジしていく中で、困難を乗り越えるためのメッセージをいただきました。そんなたけさんの半生や考え方を紹介します!

京都産業大学の軽音楽部で活動し、ミュージシャンの道へ

1967年、徳島県に生まれたたけさん。父の影響でギターと歌が大好きで、高校生の頃からバンドで活動し、入学した京都産業大学では軽音楽部に入部しました。

——大学時代で印象に残っていることはありますか?。

軽音楽部の先輩たちは自由で、退廃的な雰囲気があって、すごいテクニックを持った人たちでした。京都には伝説の老舗ライブハウスがいくつもありますが、『拾得(じっとく)』や『磔磔(たくたく)』に出演してギャラをもらったことが嬉しい思い出です。

卒業後は上場企業に入社したものの、すぐに路上音楽活動へ転向。「たけかめ」というユニットで精力的に活動を続けます。

脳梗塞と重い後遺症。立ち直るきっかけになった気付きとは

しかし2001年10月12日、突然の脳梗塞がたけさんを襲いました。

——脳梗塞を発症し、重い後遺症を抱えた当時のことを教えてください。
ミュージシャンとして作詞・作曲した歌を歌い、ボーカルとギターを担当していました。34歳でCDが売れ続けていたその時、脳梗塞を発症。2日後に発見され、生死の境をさまよっていたそうです。目覚めた時には重い障害が遺っていました。
失語症、聴覚障害、発音が困難になる構音障害、右手麻痺。一時は「もう死んだほうがマシだ」と思い、目に映る景色が色を失ってモノクロに見えるほど、何度も絶望に襲われました。

——それほどの深い絶望から、どのように気持ちを立て直されたのでしょうか。

失った能力を、山のような大金を積んででも取り戻したいと心底思った時に、それまでの自分がどれだけ幸せだったのかに気付きました。それなのに、呼吸ができることにも声が出ることにも、両手が動くことにも感謝したことがありませんでした。「オレって産まれた時から"ありがとう"で埋め尽くされてたやん!」と気付いたのです。それから、周りの景色も再び色付いていきました。

——その後、詩画を描き始められたのですね。もともと絵や詩は得意でしたか?

作詞はやっていましたが、絵は小学校以来初めてでした。映画『HANA-BI』で半身不随になった刑事が絵を描き始めるシーンがあります。真似をしてみたら、なんと左手なのにスラスラ絵が描ける!感動して、病院で毎日絵を描いていました。

「表現者たけ」、「日本一無口な講演家」として全国へ
作品を路上で販売したところ徐々に共感者が増え始め、たけさんの活動の幅は広がっていきました。講演活動も開始し、パワーポイントと代読で行う『日本一無口な講演』が評判を呼びます。

——個展活動についてのやりがいや、現在の活動について教えてください。

個展はおよそ月1回、全国各地を巡っています。2020年にはニューヨークで展示会も行いました。個展ではたくさんの素晴らしい人との出会いがあって、妻と出会ったのも個展がきっかけでした。
ただ、現在はコロナ禍の影響で、個展の中止や延期が続いています。そこでVRを活用したアートを伝えられないかと考えています。

ニューヨークの個展会場で

——『日本一無口な講演』を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

15年前のある日、風呂場で頭を洗っていると「ありがとうを広げよ」という声が聞こえたのです。私は言葉を聞き分けることが難しいのですが、頭に直接響くような声でした。天の啓示か、空耳だったのか。とにかくやる気が出て、”ありがとう”の奇跡を伝えるプロジェクトとして、『日本一無口な講演会』をスタートしました。講演は口コミで広がり、2018年には500回を達成!現在は580回を迎えています。

学生へ、前向きに生きていくためのメッセージ

——京都産業大学の好きなところを教えてください。

キャンパスからの景色が素晴らしい。特に日が沈む時間帯は好きでした。学園祭も楽しくにぎやかで、有名ミュージシャンがゲストに登場するなど充実していました。私は5年も在籍した決して優秀とは言えない学生でしたが、仲間との出会いに恵まれました。学生時代の友達は一生ものですよ。

——学生生活で辛いことが起きた時、どうやって立ち直れば良いと思いますか。

無理やりにでも『ありがとう』と思い続けることです。私は脳梗塞で倒れてから、苦しい時こそ感謝することを実践し、その中で自分にできることを発見していきました。無理やりだとしても、人生は言葉で変えることができると思います。

——最後に、京都産業大学の学生に応援メッセージをお願いします。

友人が体験したエピソードですが、ある日焼き栗屋さんの長い行列に並んでいたところ、あと2人のところで売り切れになってしまったそうです。店の人が「今、次を焼いているので少しお時間をいただきます」と言うと、長い間待たされた最初の人は怒ってどこかへ行ってしまいました。次の人は「焼きたての一番を食べられるんですね!」と笑顔で言ったそうです。同じ状況でも、運がいいと捉えるか悪いと捉えるかは考え方次第です。発想と言葉を前向きに、すべて自分次第の学生生活を楽しんでください!


今回の取材の中で、たけさんの「生まれた時からありがとうで埋め尽くされていることに気付いた」という言葉がとても印象的でした!
コロナ禍で、これまで当たり前に出来ていたことも、出来なくなってしまったことが多いです。日常の楽しみが以前より減ってしまったように感じている学生も多いのではないでしょうか。
こんな時だからこそ、私たちも「ありがとう」と感謝する気持ちに気付くことが大切だと思います。
今回のたけさんの記事が、日々を前向きに過ごしてみるきっかけになれば嬉しいです。

プロフィール

河村 武明(かわむら・たけあき)
1967年5月21日生、徳島県出身
1991年3月 京都産業大学経済学部卒業
全国での個展、「ありがとうのパワー」を伝えたいという気持ちと共に、小中学校などでの無料の"無口"な講演、企業広告、雑誌の連載執筆など、その活動は「日本一無口な路上の絵売り」(たけ曰く)の域を超えて、広がり続けている。
2021年4月から 京都産業大学「頑張る受験生を応援」でコラボ。

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