【法学部】公務員に求められることとは?公務員行政職の内定者に迫る

2024.12.09

報告会の登壇者(左から田中さん、片桐さん、田川さん、山田教授)

法学部独自のイベントとして、公務員行政職内定者による採用試験の体験報告会が行われました。会の前半では、大学4年次生3人が、インタビュー形式で公務員試験を振り返り、後半には、本学の理事長で前京都府知事の山田 啓二 教授からも公務員志望の学生へアドバイスをいただきました。

(学生ライター 法学部 1年次 笹山 美咲)


イベントに登壇したのは、法学部4年次生中村ゼミ 片桐 樹さん(内定先:東京都庁)、草鹿ゼミ 田川 透也さん(内定先:京都市役所)、岡本ゼミ 田中 愛弓さん(内定先:鹿児島労働局)の3人です。質問に対して自身の経験を語ってくれました。以下は3人の一問一答です。

 

公務員を志望した理由を教えてください。

片桐さん:公務員を志望している友人が多いこともあり、大きく格好いい東京都庁の高層ビルで働きたいと思って東京都庁を志望しました。
田川さん:
出身高校で、高卒区分の公務員になる同級生が多かったのですが、彼らが一足先に公務員として働いている姿を見ているうちに、自分自身も公務に携わりたいと考えるようになりました。
田中さん:
公務員の親戚がおり、昔から公務員に興味がありました。法学部も公務員になるために選び、地元で働きたい気持ちが強かったので、鹿児島県の省庁を選択しました。

いつごろから、どのような勉強をしていたか教えてください。

田中さん:3年次の春から勉強に本腰を入れました。公務員講座のテキストや動画、問題集を活用し、問題集は5~6周繰り返し解きました。
田川さん:
3年次の春から、公務員講座を受講しました。ゴールデンウィーク明けからは、必ず毎日勉強を続けると目標を立てて取り組みました。一日の勉強時間は、2~3時間の時もありましたが、試験が近づいてくると6~8時間勉強していました。
片桐さん:
3年次の秋ごろまで進路を公務員か民間企業かを決めきれていませんでした。公務員の受験を決意した冬は、市販の数的処理のテキストを友人と一緒に解いていました。2月に東京都庁の受験を決めてからは専門試験の勉強を集中的に行いました。毎日必ず8時間以上勉強していました。

学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)は面接ではどう答えていましたか?

片桐さん:中村ゼミでゼミ長をしていた経験を話しました。また、刑法討論会で司会を担当していたので、人をまとめることが好きだとも伝えました。
田川さん:
スチューデント・アシスタント(SA)と、草鹿ゼミでの活動を主に話しました。特に、草鹿ゼミで民事訴訟法の討論会を行った際に、しっかりと自分の意見を相手に伝えることができた過程をアピールしました。
田中さん:
岡本ゼミの活動の中で、刑法討論会でグループ活動を頑張った経験を話しました。ゼミ長ではなかったので、面接ではゼミ内での役割を質問されましたが、リーダーの経験がなくても、自分の役割を果たせた経験があれば良いと思います。
田川さん:
私もグループ内でのポジションを質問されました。色々な人と関わるのが好きだったので、サポート役として、全体の状況を周囲に伝える立場だったと答えました。

面接試験に向けてどのような対策をしていましたか?

片桐さん:6月の1次試験の合格発表から、面接試験までの2週間で対策しました。想定質問への模範解答を作り、答える練習をしました。試験前日に受けた、山田教授の模擬面接で原稿を読んでいるように見えた点や、志望先に入りたい気持ちが伝わらないと指摘を受けたので、自分が思ったことや、入りたい気持ちを面接官に伝えることを意識し、本番に挑みました。
田川さん:
併願していた民間企業にエントリーした3月に、ガクチカと自己PRを作っていました。公務員のエントリー時期の6月ごろ、志望動機や面接の研究を始めました。面接は、京産ナビの就活体験記で自分と同じ省庁を受験した先輩の記録を見て、準備をしていました。進路・就職支援センターでの面談も頻繁に受け、言語化していくことで精度を上げていきました。
田中さん:
模擬面接は受けなかったのですが、学内で開催された3年次生向けの履歴書作成セミナーに参加しました。その後3年次の12月までに、自己PRやガクチカの一部を作っておきました。言うことを決めておくと面接練習もしやすいです。必ず聞かれる志望動機、自己PR、ガクチカは早めに作成しておくと良いと思います。


最後に後輩へアドバイスをお願いします。

田中さん:勉強は苦手科目もあると思いますが、繰り返しやれば解けるようになります。面接でも、その場で面接官と会話する意識を持ち、落ち着いて笑顔で取り組めば大丈夫だと思います。長期戦ですが、最後まで諦めずに頑張ってほしいです。
田川さん:
最後は自分を信じる気持ちだと思います。根拠のある志望理由を考えておけば、迷った時の支柱になるので、それを信じて頑張ってください。
片桐さん:
今の時期は不安だと思いますが、きっと合格できると思います。ネガティブに捉えすぎず頑張っていただけたらと思います。


引き続いて、山田教授から公務員に求められる資質などについて参加者にアドバイスがありました。
公務員試験までにしなければいけないのは、「社会の変化に興味を持つこと」です。社会の変化は速く、新しいチャレンジをしなければいけない。そのためにも日々新聞やニュースを読み込んでほしいと述べられました。 そして「採用したい」と思える人物像と面接時のポイントをいくつか挙げてくださいました。
山田教授にも試験のコツをお話しいただいた

志望先の自治体への思い入れを伝える

仕事や志望先への思い入れが大切です。地方自治体などは出身地であれば伝わりやすいですが、国家公務員や出身地でない場合でも、ゼミでの活動や家族との思い出など具体的なエピソードを入れ、その自治体や省庁に入りたいという思いを伝える必要があります。


面接では考え込まないでテンポよく

面接では考え込まずに、回答が短くても明るくテンポよく、相手の目を見て元気に会話することが大切です。知識は面接前の筆記試験で確認されているので、知識よりもコミュニケーション力を見られます。

相手の立場を理解できること

公務員の仕事は納税者である一般住民を相手にします。そのため、反対意見にも配慮することが必要です。相手を思いやり、住民の立場に立ち、物事を考えられる人が求められています。

最後に、「面接は採用してもらうためにお願いに行く場だ」とアドバイスをされました。面接の初めには名乗り、最後には「ぜひ入りたい」とお願いしても良いそうです。「最後の一言のお願いで明暗が分かれるかもしれないため、意識して試験に臨んでほしい」と締めくくられました。 私自身も公務員を進路先として考えていますが、今回のお話を伺い、面接対策など具体的なイメージすることができました。面接対策やガクチカでは、民間企業と共通の面もあるのではないかと感じます。今回のイベントが、公務員志望者の意識向上のきっかけにもなればと思いました。