【国際関係学部】PSIR主催!映画『ワタシタチハニンゲンダ!』の上映会を実施しました!

2023.07.10

2023年6月28日の3・4限に国際関係学部公認団体PSIR主催で映画『ワタシタチハニンゲンダ!』の上映会が開かれました。また、上映後、映画を制作された監督 高賛侑さんのトークセッションも行われました。

(学生ライター 国際関係学部4年次 中野 莉子)


まず、映画の上映前に、PSIRのメンバーから「在日韓国・朝鮮人問題」「外国人実習生問題」「入管問題」の背景や課題を整理する発表がありました。同内容の事前勉強会は上映会前に3度に渡り昼休みに開かれましたが、勉強会に参加していない人にとっては映画を見る前に問題について知る、そして勉強会に参加した人にとっては問題を再認識するとてもよい機会となりました。
PSIRメンバーによる事前発表の様子
メンバーによる発表の後、映画『ワタシタチハニンゲンダ!』が上映されました。『ワタシタチハニンゲンダ!』は、在日外国人に対する差別の実態を映し出したドキュメンタリー映画です。映画は「在日コリアン」「技能実習生」「難民」「入管」に焦点を当ててそれぞれの問題の背景に切り込み、様々な差別に直面する在日外国人の生の声を収めています。私は映画を通じて在日外国人に対する差別政策の歴史的経緯や実態に触れ、こうした問題が日本社会で不可視されてきたことを痛感しました。また、外国人に対する差別の実態が声高に訴えられるようになってもなお、日本がこれらの声に応えられないのはなぜなのか、映画が進んでいくにつれて疑問が大きくなっていきました。印象的であったのは映画の題にもなった「わたしたちは人間だ」という言葉と、行動を起こした人々の「これは私だけの戦いではない。みんなの戦いだ」というものです。これらの言葉は、問題の本質と差別を受ける人々の気持ちを表していると感じました。
映画鑑賞の様子

上映後は、本映画の監督である高賛侑さんをオンラインでお招きし、トークセッションを行いました。セッションでは高監督に映画を制作した背景、差別問題への想いをお話ししていただきました。高監督は、前作『アイたちの学校』で朝鮮学校差別問題を扱ったので、次は在日外国人全体に焦点を当てたいと考え、この作品を作られたそうです。監督は、参加者へのメッセージとして、「これはブラック映画ではない!見た人が衝撃を受けて何か感じたら行動してください」と強く話されました。トークセションでは、学生からの質問に対し、高監督自らの体験や映画製作を通じて知り合った人々の思いに言及されながらお答えいただきました。監督の熱い思い・お考えをお聞きして自分たちに何ができるのだろうと考えさせられました。

高監督とのトークセッションの様子

回の上映会・監督とのトークセッションは、学生にとって在日外国人の問題を多角的に捉え、日本の差別政策やその現状を知る貴重な機会となりました。また、高監督のメッセージから、私たち学生がいかに在日外国人に対する差別問題を知り、感じ、考え、行動していくか改めて考えさせられました。

今回の上映会、そして3回の事前勉強会で学んだ問題をしっかりと受け止め、日本で起こっている深刻な人権状況に対してどのようにアプローチしていくか、今後も考え続け、行動していきたいと強く感じる上映会・イベントとなりました。

上映会・高監督のお話を受けての質問の様子