2024.02.20

カルチャー

2024年の大河ドラマ「光る君へ」にちなんで紫式部ゆかりの体験型スポットへ行こう!

廬山寺(ろざんじ)にある紫式部の座像

2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」は紫式部が主人公です。京都には紫式部にちなんだスポットがたくさんありますが、今回の記事では2つの体験型スポットをご紹介します。皆さんもこの機会に紫式部ゆかりの名所を訪ね、聖地巡礼してみませんか?

源氏物語誕生の地に行ってみよう!「廬山寺(ろざんじ)」

廬山寺の入り口。門の奥には元三大師堂が見えます。
廬山寺は、京都御所の東側にあり、京阪電車・叡山電車の出町柳駅から徒歩約15分で行くことができます。廬山寺は京都の中でも歴史あるお寺の一つで、平安時代に建てられました。重要文化財に指定された彫像や、明智光秀が身につけていたとされる念持仏(ねんじぶつ)などが安置されています。
※念持仏:個人が身の近くに置き私的に礼拝するための仏像。武将が勝運などの願いを込めて合戦に持ち運ぶこともあった。
 
ちなみに、節分でも有名で、以前サギタリウスでも詳しく紹介しています。
 
▼過去の記事はこちらから!
 
そんな廬山寺は、実は源氏物語が誕生した地でもあります。今回の取材は平日に行いましたが、大河ドラマ「光る君へ」が放送されていることもあり、多くの人が訪れていました。
源氏庭。右手前の黄色い実をつけた木が橘の木です。
紫式部は生涯のほとんどを邸宅で過ごし、源氏物語や紫式部日記の執筆はこの地で行われたと言われています。廬山寺の「源氏庭」がある辺りに、かつて紫式部が住んでいた邸宅があったそうです。自分が今いる場所に、約千年前には紫式部がいたと思うと、不思議な気持ちになりました。
 
源氏庭には、源氏物語の中で光源氏が詠んだ歌にちなんで橘(たちばな)の木が植えられていたり、物語に朝顔の名で登場する桔梗が植えられていたりと、源氏物語に関係するストーリーも隠されています。源氏庭の前には座ってゆっくりとくつろげるスペースもあり、平安時代に思いをはせながら落ち着くことができました。
 
また、本堂では源氏物語絵巻の複製や源氏物語の一場面を題材に描かれた掛軸、びょうぶの展示もあります。お寺の授与所には、ポストカードをはじめとした源氏物語を題材にしたアイテムが並びます。源氏物語の世界が想像でき、より紫式部が身近に感じられます。
源氏物語の一場面をイラストにしたポストカード(600円)
そして廬山寺では、法要などの都合で開催していない日を除き、基本的に毎日自由に写経体験をすることができます。筆ペンなど必要な道具はすべてそろっているので、初心者でも安心です。じっくりとお経を書き写すのに、だいたい1時間から1時間半ほどかかるので、午後2時半までに受付を済ませましょう。紫式部が執筆した地で行う写経は、特別な経験になりますよ。
 

廬山寺

住所:京都市上京区寺町通り広小路上る北之辺町397
拝観時間:9:00~16:00(1/1、2/1~2/9は拝観休止)
拝観料:500円(特別拝観中は800円)
写経納経料:500円(別途拝観料が必要)
 
【令和5年度 第58回 京の冬の旅 特別拝観中(2024/1/6~3/18)】
拝観時間:10:00~16:00(3/3は拝観休止)
 

見て、体験して楽しもう!「宇治市源氏物語ミュージアム」

宇治市源氏物語ミュージアムの正面入り口
宇治市にある宇治市源氏物語ミュージアムは、京阪電車の宇治駅から徒歩約8分の場所にあります。宇治は、源氏物語の宇治十帖(うじじゅうじょう)の舞台になっている、源氏物語と縁が深い場所です。こちらのミュージアムは体験ブースも充実していて、源氏物語の概要や平安時代の貴族の暮らしについて、楽しく学ぶことができます。展示ゾーン(有料)は主に「平安の間」「宇治の間」「物語の間」の3つに分かれています。
※宇治十帖とは、全五十四帖ある源氏物語の中の最後の十帖。源氏物語は四十二帖から光源氏の子孫らが主人公になり、四十五帖から宇治を主な舞台として悲恋の物語が繰り広げられる。
平安貴族の暮らしぶりが分かる展示
最初の「平安の間」では、平安貴族たちの暮らしや年中行事の模型展示があります。展示室の中央スクリーンでは約8分の映像で、源氏物語について学ぶことができます。またここでは、垣間見(かいまみ)体験ボックス「垣間見よう」に注目です!垣間見とは、平安貴族の男性が、普段は姿を見せない女性たちをすだれや垣根越しに見ること。それが体験できるのが「垣間見よう」です。大きなボックスに20cmほどの穴が開いており、実際にのぞいてみると、片側からはすだれ越しに人の姿が見え、もう片側からは全く見えないことに驚きました。
「垣間見よう」の内部。明るさの差が重要で、暗い場所(左)からは、すだれの向こう側はよく見える。一方、明るい場所(右)からだとすだれの向こう側は見えない。
次に、「架け橋」を抜けると、「宇治の間」へ行くことができます。「宇治の間」では、展示室全体がシアターになっていて、宇治十帖のあらすじを鑑賞することができます。光や音の演出もあり、幻想的な雰囲気です。
都から宇治への移動経路を模した「架け橋」と呼ばれる通路
最後は、「物語の間」です。源氏物語の中の「宇治」について展示パネルで紹介されています。さらに進むと、5つの身近な香りで「源氏香(げんじこう)」を体験できるコーナーがあります。
 
源氏香とは、いくつかのお香を嗅いで、その香りの組み合わせを当てる遊び「組香(くみこう)」の一つ。5種類の香木をそれぞれ5粒切り取って1つずつ袋に包み、計25袋の中から適当に5袋を選びます。そして選んだ5つの香りの組み合わせを「源氏香図」の中から当てて楽しみます。「源氏香図」の組み合わせは52種あり、組み合わせにはそれぞれ最初と最後を除いた源氏物語五十四帖の名前が付けられています。香りの体験ブースは珍しく、人気だそう。
源氏香の展示。実際に香りを嗅ぎ、源氏香図を当てます。
展示ゾーンを出てからも、情報ゾーンには源氏物語に登場する六条院や源氏絵を用いた「源氏物語に親しむコーナー」や、併設されているおしゃれカフェなど、まだまだ見どころがあります。「源氏物語に親しむコーナー」は、一人でももちろん楽しめますし、友達と一緒に行っても楽しそうです。
※六条院とは、源氏物語のなかで光源氏が造営した邸宅。
「六条院引き出し」。六条院の住人が描かれた透明の板を引き出すと、説明が読めます。
宇治にはミュージアムの他にも、浮舟の一場面が再現された宇治十帖モニュメントや紫式部像など、源氏物語に関するスポットがあります。以前ご紹介した宇治の抹茶グルメのお店も近くにあるので、ぜひ一度宇治に訪れてみてください。
 
▼過去の記事はこちらから!
宇治十帖モニュメント(左)と紫式部像(右)

宇治市源氏物語ミュージアム

住所:宇治市宇治東内45-26
開館時間:9:00~17:00 (入館は16:30まで)
観覧料:600円
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)・年末年始


源氏物語とその作者である紫式部は有名ですが、実際に廬山寺や宇治市源氏物語ミュージアムに足を運んでみて初めて知ったことがたくさんありました。ミュージアムでは当時の風習を体験することで、より源氏物語の世界に対する理解を深めることができました。大河ドラマ「光る君へ」で紫式部や源氏物語が話題になっているこの機会に、今回紹介したスポットにぜひ足を運んでみてください。

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