2022.01.27

カルチャー

踊る鬼を退治せよ!京都最古の廬山寺節分会とは?

踊る3匹の鬼。赤、緑、黒の鬼は人間の煩悩を表すそう。

2月の行事といえば節分。京都市上京区にある廬山寺(ろざんじ)の節分会(せつぶんえ)は京都最古として知られており、なかでも3匹の鬼による「鬼踊り」が有名です。境内に現れた鬼を退治する儀式や豆・餅まきが行われる、京都を代表する節分行事。みんなで厄やコロナを払いましょう!

そもそも節分とは?

京都御所の東隣、寺町通りに面する「大本山廬山寺」。平安中期の938年、比叡山延暦寺の僧・元三大師良源(がんざんだいし りょうげん)が開いたお寺です。紫式部が生まれ育った地としても知られ、ここで『源氏物語』『紫式部日記』が執筆されたことから世界文学発祥の地ともいわれています。執事長の町田亨宣(こうせん)さんに節分会について伺いました。
「皆さんは節分の意味を知っていますか? 節分とは季節が始まる日の前日のこと。立春、立夏、立秋、立冬の4つのうち、とくに2月の立春は新年を迎えるおめでたい日です。そのお祝いとして前日に厄除けの儀式をするのです」。

廬山寺の「鬼踊り」は、良源が宮中での300日の修行中に現れた鬼を護摩(ごま・火を使う儀式)の力で追い払ったことに由来するそうです。正式名称は「追儺式鬼法楽」(ついなしきおにほうらく)。追儺は「追い払う」、法楽は「経の読誦(どくじゅ)や舞を舞って神仏に奉納する」こと。また節分会の「会」はお寺の行事を指すそうです。

護摩焚きの様子。厄除け開運、所願成就を祈ります。

今年の節分は2月3日(木)、蓬莱豆は1月25日(火)から販売中!

※コロナにより節分会は一部変更の可能性があります。
ホームページより最新情報を確認してください。

鬼を払う矢を天に向かって射る勇壮な姿。

立春は太陽の位置で決まるため、年によって日付が変わります。
今年の節分は2月3日。廬山寺では3日の午後3時から「鬼踊り」が始まり、手に武器と松明(たいまつ)を持って暴れる鬼を護摩と弓矢で追い払うイベントが繰り広げられます。
鬼の踊りや空に向かって弓を射る様子は一番の見どころで、インスタ映えするシーンです!
なお、3匹の鬼は人間の煩悩とされ、赤が貪欲、青⻤が瞋恚(しんい・自分の思い通りにならない事への憤り、周りの人間への憎しみの心)、黒鬼が愚痴を表すそうです。

午後4時からは「豆まき」タイム。蓬莱師(ほうらいし)、福娘、年男、寺侍(てらざむらい・寺に仕えた武士)が蓬莱豆(ほうらいまめ・大豆を煎って砂糖をコーティングしたもの)や福餅を盛大にまいてくれます。
また鬼踊りの奉納が終わった後に、「鬼の御加持」(おかじ)といって、邪気払いされた鬼が人々の病気平癒や身体健全を祈ってくれます。

鬼の御加持の様子。邪気払いされた鬼が病気平癒を祈ってくれます。
紅白の蓬莱豆。一粒ずつ食べると寿命が延びるそう。
「蓬莱豆」は1月25日から購入可能とのことで1袋400円(税込)と150円(税込)の2種。
当日は開運出世の「福餅」(小餅2つ入り、150円(税込))も販売されます。

なぜ鬼が踊るの?

「もともと舞には清めや、気力を高める意味があります。鬼の踊りは猿楽や狂言、能といった伝統的な儀式・踊りにもつながっています」と町田さん。「踊り」は古来より祭礼や儀式には欠かせないもので、宮中行事や祭事から中世の庶民の楽しみとして広まったようです。
「思い立ったときに出かけられるのが学生の特権。京都にいる間に歴史や伝統行事にたくさん触れてくださいね」と町田さん(左)。※撮影時のみマスクを外しています。

私は節分といえば「豆まき」しか知らなかったのですが、取材を終えて、古(いにしえ)の時代から、前の年の厄を払い新しい年を迎えるためのさまざまな祭事が行われてきたことを知って驚きました。ちなみに御加持には「頭をよくしてほしい」と真剣な顔で頼んだ学生さんもいたそうです。皆さんのお願いもかなうかもしれませんよ!
新型コロナ感染症が広がってきています。対策を万全にして節分を過ごしましょう。

廬山寺

住所:京都府京都市上京区寺町通り広小路上る北之辺町397
アクセス:市バス「府立医大病院前」下車 徒歩5分
拝観料(個人):源氏庭/大人500円、小中学生400円

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