2022.04.08
グルメ京都三奇祭「やすらい祭」とあぶり餅で今宮神社の歴史と魅力を堪能!
京都市北区の古社・今宮神社で行われている京都三奇祭の一つ「やすらい祭」。桜と共に散り広がる疫病のもとを花傘に集めて疫社(えやみしゃ)へ封じ込めることで、1年間の無病息災を願う祭りです。(2022年の花笠巡幸は中止で、神事のみ斎行されます。)今宮神社参拝の後は、門前茶屋であぶり餅を楽しむこともできます!今回は祭りと2店舗ある老舗のあぶり餅について学生広報スタッフが取材してきました。
疫病鎮静を願って鬼たちが踊る奇祭
※本学から上賀茂神社までは無料シャトルバスが出ています。
この日は、赤装束の黒毛や赤毛の鬼たちが、太鼓や鉦(かね)を打ち鳴らしながら、長いざんばら髪を振り回して踊ります。
「やすらい花や~」と囃子(はやし)たて街々を練り歩き、大きな花傘に疫病のもととなる疫神を集めながら、神社を目指します。
※ざんばら髪とは、乱れたの髪のこと。
神社には御本殿の横に「疫社」があり、花傘に引き寄せられた疫神は、儀式により社へ封じ込められます。
祭りの象徴は、何といっても直径2メートルにも及ぶ緋色(ひいろ)の花傘で、上には若松、桜、柳、山吹、椿などの植物が飾られ、この傘の下に入ると1年間無病で過ごせるともいわれています。
平安時代から続く花鎮め(はなしずめ)の祭
平安時代の人は、ちょうど桜の花の散る頃に、花の精にあおられて疫神が飛散すると考え、街々を練り歩いてその疫神を花傘に誘い、疫社へ鎮め、「花鎮め」として1年間の無病息災を願いました。季節も暖かくなり、食べ物も腐りやすくなって、病気が流行しやすい時期だったのかもしれません。
今宮神社の周辺は、かつて都の中心からは少し離れた農村地帯でした。やすらい祭は、この地域の人たちが無病息災を願う村の祭りだったのです。以前はもっと多くの地域を含めた祭りでしたが、現在は旧上野村と、旧川上村の2カ所の地域が、やすらい祭の日に今宮神社を目指して、練り歩いて来るそうです。
「まつりごとは、もともと強い思いがあって生まれています。やすらい祭には、疫病がなくなってほしいという強い願いが込められています。生活と共に信仰があり、その地に必要な神様が祀られている、そんな地域の思いに心を重ねてほしいです」と今宮神社広報担当の山田さんは語ってくださいました。
今宮神社
住所:京都市北区紫野今宮町21
アクセス:上賀茂神社行「今宮神社前」下車すぐ
門前菓子の名物「あぶり餅」を食べてみた!
※床几とは、簡易的な腰掛けのこと。
かざりや
炭火で香ばしく焼かれた温かなお餅に、甘い味噌だれがよく絡まって、とてもおいしいです!ひと口サイズで食べやすく、お茶との相性も抜群でした。
本家 根元かざりや
住所:京都市北区紫野今宮町96
営業時間:10:00~17:00
定休日:水曜(但し、水曜が1、15日、祝日に重なった場合は営業で翌木曜休み。また、年末は16日から31日まで休み。)
一文字屋和輔
注文してから作られるため、こちらもできたてを楽しめます。
店内の雰囲気からは、今宮神社と歩みを共にしてきたお店の伝統が感じられました。
一文字屋和輔
住所:京都市北区紫野今宮町69
営業時間:10:00~17:00
定休日:水曜
現在の私たちも疫病、すなわち新型コロナウイルスの流行でいろいろな影響を受けていますが、今に限らず、人類は疫病と共存し、存続してきました。今宮神社のやすらい祭やあぶり餅は、過去のそんな人々の思いを今につないできているのかもしれません。皆さんもぜひ訪れて、その歴史の深さを実感してみてください。