【法学部】「自分はだまされない」過信は禁物! 特殊詐欺被害対策のエキスパートから学ぶ防止策とは?
2022.11.24

法学部の専門教育科目「社会安全政策Ⅱ」(担当:田村 正博 教授)では個別の犯罪類型ごとに現状と対策を学びます。今回の講義は、ゲストスピーカーとして京都府警察より藤井康伯警部をお招きし、特殊詐欺について講義をしていただきました。藤井警部は、特殊詐欺被害防止のために、だまされやすさを判定するアプリを開発するなど特殊詐欺対策のエキスパートで、特殊詐欺のさまざまな手口や被害の防止策について話をされました。
(学生ライター 法学部1年次 町原捷月)
特殊詐欺とは、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、指定した預貯金口座への振り込みやその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪のことです。 講義は特殊詐欺の主な種類の説明から始まり、詐欺に遭わないための方法、そして私たちが今後心に留めておきたいことも教えていただきました。
詐欺の種類
今回解説された詐欺の種類は、①オレオレ詐欺、②還付金詐欺、③預貯金詐欺、④架空料金請求詐欺の4つです。それ以外にも、融資保証金詐欺、金融商品詐欺、ギャンブル詐欺や交際あっせん詐欺などの特殊詐欺があります。
①オレオレ詐欺
皆さんが特殊詐欺と聞いて真っ先に思い浮かべるものは、オレオレ詐欺ではないでしょうか。オレオレ詐欺とは、親族、警察官、弁護士等を装い、親族が起こした事件・事故に対する示談金などを名目に金銭等をだまし取る詐欺のことをいいます。これは比較的被害金額が大きく、今年度すでに263万円の平均被害額が出ています。被害者の平均年齢は80代で、全員が女性という調査結果が出ています。最近では犯人が耳鼻咽頭科の医師をかたる事案が増えているそうです。
⓶還付金詐欺
還付金詐欺は、税金還付などに必要な手続きを装って被害者にATMを操作させ、口座間送金により財産上の不法の利益を得る、電子計算機症詐欺事件または詐欺事件のことを指します。これは過去に主流であった詐欺でしたが、令和3年から全国的に多発しました。この詐欺の肝は被害者自身に振り込む意識がないことにあります。主に65~69歳が狙われることが多く、介護保険の還付を口実としている事が傾向として見られているそうです。
③預貯金詐欺
預貯金詐欺はキャッシュカード詐欺盗ともいわれ、親族や警察官、銀行協会職員などを装った犯人から、「口座が犯罪に利用されておりキャッシュカードの交換手続きが必要である」などの連絡が入り、キャッシュカードやクレジットカード、預貯金通帳などをだまし取られる詐欺を指します。被害者の平均年齢は82歳です。この詐欺は被害に遭ったという事実の発覚を遅らせる手口で、カードの枚数×発覚までの日数×限度額が被害額として計上されます。最近の傾向として、百貨店の店員をかたる手口にだまされる方が多いようです。
④架空請求詐欺
架空請求詐欺は、手口として未払いの料金があるなど架空の事実を口実とし、金銭などをだまし取るものです。主にSNSや電子メールに通信料金やサイトの登録料の未払いの連絡やパソコンのサポート費用を請求される事が多いそうです。被害者の平均年齢は60歳で、男性の被害者が多いそうです。最近の傾向としては、パソコンに端を発する事案、サイトの登録料請求、通信費用や税金の滞納、不動産の購入に関する名義貸し、アップルギフトカードやgoogle payをコンビニで買うように指示しカードの番号を聞くなどの方法が増えてきています。
被害に遭わないために
では、詐欺に遭わないためにはどうすればよいでしょうか。24時間365日いつでもどこでも警戒心を持つというのはあまりに酷です。まずは、「知ること」が防犯の第一歩となるそうです。実際、詐欺の手口を知らない人の3分の2はだまされ、手口を知っていた人の3分の2は詐欺被害に遭わなかったのです。
そもそもなぜ人はだまされるのでしょうか。これには大きく4つの要因があるそうです。
1つ目が「緊張は続かない」です。上記で述べた通り、24時間365日いつでもどこでも警戒心を持つことはできません。むしろ警戒心や緊張感を持っている時間の方が短いこともあります。
2つ目は「人がゆえに曖昧」であることです。文字の最初と最後だけ認識すればその間の文字がバラバラでも文が読めるように、人間には修正能力があります。こういった能力が仇となり、自分に都合が良いように情報を捉えるようになってしまい、詐欺に遭ってしまうのです。
3つ目は「私たちは嘘の中で暮らしている」ということです。これはどういうことかというと、多くの人々は生活の中でお世辞を言ったり情報をごまかして伝えたりするなど、小さな嘘をついています。些細なものであっても嘘が溢れている世の中で生活する中で嘘に慣れ、だまされるということに繋がってしまうそうです。
最後の4つ目は「相手は誘導している」ということです。これは単純な話で、相手が言葉巧みに私たちに詐欺に遭っているという認識を持たせないようにしているのです。
そもそもなぜ人はだまされるのでしょうか。これには大きく4つの要因があるそうです。
1つ目が「緊張は続かない」です。上記で述べた通り、24時間365日いつでもどこでも警戒心を持つことはできません。むしろ警戒心や緊張感を持っている時間の方が短いこともあります。
2つ目は「人がゆえに曖昧」であることです。文字の最初と最後だけ認識すればその間の文字がバラバラでも文が読めるように、人間には修正能力があります。こういった能力が仇となり、自分に都合が良いように情報を捉えるようになってしまい、詐欺に遭ってしまうのです。
3つ目は「私たちは嘘の中で暮らしている」ということです。これはどういうことかというと、多くの人々は生活の中でお世辞を言ったり情報をごまかして伝えたりするなど、小さな嘘をついています。些細なものであっても嘘が溢れている世の中で生活する中で嘘に慣れ、だまされるということに繋がってしまうそうです。
最後の4つ目は「相手は誘導している」ということです。これは単純な話で、相手が言葉巧みに私たちに詐欺に遭っているという認識を持たせないようにしているのです。
対策
それらに対する具体的な策として、大きく3点あります。1つ目は、固定電話に行う工夫として「固定電話の廃止」「電話番号の変更」「防犯機器の利用」が挙げられます。2つ目は周囲がカバーしてあげることです。社会として詐欺に遭わせないための対策、例えばATMコーナー内での通話自粛や、身内の高齢者と電話などで頻繁なコミュニケーションを取るようにするなどです。最後3つ目は、お金やカードを詐欺師に渡さないための事前の水際対策です。これは金融機関が行うものとして高齢利用者の高額出金時の警察への通報や、ATM利用制限、口座の凍結などがあり、自らが行う対策としては生活に支障がない程度に引出限度額を引き下げることなどがあります。私たちが手軽に、かつ誰でもできる対策としては「声をかけること」です。もしかしたら詐欺被害に遭っている最中かも知れない、そんな様子を感じ取ったらなるべく声をかけてあげるようにしてください。それが詐欺被害を減少させる第一歩なのです。
私自身、講義を受けるまで自分は詐欺には遭わないだろうと高をくくっていた所がありました。しかしその認識の甘さが詐欺被害に遭う可能性を高めていることを知りました。この記事を読んだ皆さんも、詐欺について知識を得ることができたのではないでしょうか。記事にあるように、手口を知っていればほとんどの人はだまされません。皆さんも、自分は詐欺に遭わない、だまされるわけないと思わずに、いつか自分にも魔の手が伸びてくると頭の片隅にでも置いておけば、それが被害防止の第一歩になりえるのだと思います。
私自身、講義を受けるまで自分は詐欺には遭わないだろうと高をくくっていた所がありました。しかしその認識の甘さが詐欺被害に遭う可能性を高めていることを知りました。この記事を読んだ皆さんも、詐欺について知識を得ることができたのではないでしょうか。記事にあるように、手口を知っていればほとんどの人はだまされません。皆さんも、自分は詐欺に遭わない、だまされるわけないと思わずに、いつか自分にも魔の手が伸びてくると頭の片隅にでも置いておけば、それが被害防止の第一歩になりえるのだと思います。