【国際関係学部】学部の学びを超えて活躍する3年次 水田 淳実さんを取材しました!
2022.12.19
学部の授業以外にも活躍の場を求めて積極的に取り組む学生を紹介する本企画。
今回は、「カンボジアの国際協力とビジネスのつながりを探る旅」をテーマにカンボジアを訪問し研究を続けている、国際関係学部3年次の水田 淳実さんにお話を聞きました。

「国際関係」に興味を持ったきっかけを教えてください
今、注力している取り組みは何ですか?


その取り組みに参加(応募)したきっかけ・動機を教えてください。
国際協力とビジネスの両立に関心があったからです。授業でBOP ビジネスやソーシャルビジネスを知り、それまでボランティアとかODAとかが国際協力のイメージだったのですが、途上国の課題を解決しながら利益を生み出して持続的に国際協力ができる方法があるんだ!と感銘を受けました。また、実際に、近年、企業においても CSR 活動や ESG 投資への注目度が高まっていて、ビジネスと国際協力の境目は無くなってきているなと感じていました。しかし、国際協力とビジネスの両立はまだまだ成功例が少なく難しいという現状を知って、そのような中でも取り組んでいるところはどうやって両立させているのか?と疑問を持っていました。それで、実際に、国際協力とビジネスの両方の現場について学び、繋がりを模索したいと考えました。
カンボジアを選んだ理由も、授業で、東南アジアについて学ぶ中で、カンボジアは、ASEAN 諸国の中でもより開発が進んでいない後発開発途上国だけれど、経済成長が著しいタイとベトナムに挟まれASEAN 諸国の中でも経済的にも重要な場所なのだと知りました。国際協力の必要性とビジネスチャンスの可能性が共存しているから、多くの学びが得られると考えました。それで、実際に現地に行き、主体的にカンボジアのビジネスの現場と国際協力の現場について学びたいなと思って応募しました。
また、以前からずっと途上国に実際に行って学びたいなという思いがありました。春休みに行った海外フィールドリサーチでカナダから帰ってきて、実際に行くことの重要性ともっと自分から積極的に動くべきだったなと反省をしていたところに、この補助事業の募集がありチャレンジすることに決めました。
参加して、ご自身にとってプラス(成長)につながったこと、気づきは?
アポ取りなどの準備から渡航に至るまで、1人でやったのは、初めての経験でした。採択から渡航までの期間がかなり限られている中で、アポ取りが難航したり、先方に合わせた交渉の対応をしたり、なかなか希望通り進まないことの方が多く間に合うのかなと焦るときもありました。結果的に、一部、当初と違う訪問先になりましたが、そのおかげで、新たな訪問先の方々に知人や関わりのあるお店などを教えて頂き、当初より多くの訪問先に行かせて頂き、現地の生の情報をより深く学ぶことができました。この渡航前の準備期間だけでも、時間管理や柔軟な対応力、粘り強さを鍛えられました。当初は不安もありましたが、何も知らないからこそ、とにかく自分から積極的に行動したり相談する中で、様々な学びを得ることができました。短期間でしたが、とても濃い期間でした。
例えば、これまで、何か挑戦したいことに対して、行動する前から難しい点を見つめて悩んでしまうことが多かったのですが、実際に行動しなければ分からないことの方が圧倒的に多いため、できる限りの準備はした上でまずは挑戦してみることが大切だと学びました。実際にそういう経験は、色々な場面でありました。また、カンボジアで起業されている方々にお話を伺った際も、それを実感しました。
また、自分から積極的に他者に働きかけることが大切だなと実感しました。未知のことこそ、ネットで調べたりとか、自分の力だけでなんとかしようとしすぎず、色んな人の意見とか知恵とかを自分から集めることで、発展するなと思いました。本当に、多くの人々の助けを得たからこそ渡航できました。自分だけでは、分からない事だらけだったし、狭い出会いだったと思うのですが、色々な人に質問したりヒアリングさせて頂く中で、様々なヒントや新たな出会いが与えられました。




国際問題を考えるうえで、普段から心がけていることはなんですか?
今の活動をとおして、今後の抱負、また将来に繋がること・繋げたいことは?
今回の渡航を通して、ハード面ではなくソフト面での支援の重要性を実感しました。カンボジアは、過去の悲惨な歴史ゆえに指導者層が不足しているため、全ての課題の根本要因に教育の問題があります。あるNGOの方から聞いた話では、ハード面の支援として、学校建設をしたものの建てただけで帰国するボランティアサークルなどがあると聞きました。もちろんハード面も不足していますが喫緊の課題として教える教員の不足があります。必要な教員が確保できず廃校になってしまうという事例が割とあるそうです。いくら教室が揃っていたとしても、先生がいなかったら教育を施すことは難しいけど、もし環境があまり整っていなくてもそこにいる人が知識や意識をしっかりと育っていれば、その環境を変えることができます。様々なモノなどをそろえるような支援は、もちろん速効性があるし目に見える結果があるけど、人を育てたりすることはとても時間がかかる分より根本的な課題解決に繋がるなと感じました。また、国際協力とビジネスのバランスは、それぞれのアクターの特性によって全然違っていて、ビジネスが国際協力のアクターとなってきたのもまだまだ最近のことであると学んで、その分可能性が大きいし試行錯誤しがいがあるなと思いました。
こういった学びを踏まえて、将来的に、ビジネスと両立したソフト面で途上国の課題解決に貢献したいです。カンボジアでは、その実現に向かって様々なアプローチがあることを知ったので、そこに至るまでの方法とかキャリアは柔軟に選択し続けたいです。とりあえず、まだまだ具体的な課題や方法は実際に現場でもっと勉強したり経験しないと分からないなと感じているので、近いうちにまた途上国に行きたいです。