国際関係学科 横山ゼミ生がベトナム製布製雑貨の輸入販売を実施
2022.01.18
外国語学部国際関係学科・横山ゼミ(※)では、フェアトレードを中心にグローバルな社会課題解決に資するビジネスの仕組および動向について学んでいますが、4年次ゼミ生である植村夏帆さんが、ゼミでの学びを実践につなげる活動として、ベトナム山間地方の少数民族が伝統的な素材・手法で作る布製雑貨を輸入して日本に取り寄せ、それを期間限定(2021年12月22日~2022年1月6日)で店頭販売する活動を行いました。
※国際関係学部は外国語学部国際関係学科の教育研究を基盤として2019年4月に開設。外国語学部国際関係学科で現在開講している「国際関係研究演習」(ゼミ)について、国際関係学部では、2021年度から「研究演習」として同一内容で開講しています。


植村さんは、2年次に履修した共通教育科目「海外インターンシップ」において、ベトナムの布製雑貨(バッグ、ポーチ、ぬいぐるみなど)製造販売会社であるチエ・クラフト・アンド・デザイン社(Chie Craft & Design)でのインターン(2019年8月)に参加し、ハノイ市内の観光客向けショップでの接客・販売およびベトナム北西部山間地域の生産現場での調査・見学を経験しました。同社は、少数民族に伝わる伝統的な素材(綿、麻、絹など)、手法(手紬ぎ・手織り・藍染めなど)、デザインを活かした布製雑貨を生産し、それをハノイで主に外国人観光客向けに販売しており、販売価格を安価に設定するのではなく、品質・デザイン面での付加価値に応じた価格とし、それを理解してくれる消費者への販売を行うことによって、生産地の産業振興と生産者の生計維持に資することを理念としています。


植村さんはこのときの経験を出発点とし、チエ・クラフト・アンド・デザイン社の製品を日本へ輸入して販売することにより、同社の製品の良さを日本の消費者にも知ってもらうとともに、そのことを通して生産地での仕事量の拡大に貢献することを目標に掲げ、その実現に向けた活動をゼミでの学習と並行して進めてきました。同社と英文メールで連絡を取り、20数種類・約160点の商品を選定して発注し、代金(米ドル建て)をネットバンキング経由で支払い、商品は先方から国際航空郵便を利用して日本へ送ってもらうというように、いわゆる個人輸入を行うための様々な手続きを自力で調べながら実行していきました。
このような方法でベトナムから輸入した商品の販売は、フェアトレード商品を中心に衣類や雑貨、コーヒーなどの東南アジア・南アジア各地からの輸入販売を手掛けている京都企業である有限会社シサム工房のご協力を得て、同社店舗内のスペースに商品を展示し、同社のスタッフさんに接客・販売を委託する方法で行いました。2021年12月22日から2022年1月6日までの2週間の期間中に、60点近くを販売することができました。




植村さんはこの活動をふりかえって、「3年前に抱いた思いを実現するまでには、日本とベトナムの間での輸送や送金の方法、関税の有無、商品の選定、販売価格の設定、宣伝方法、販売委託先との交渉など、一つ一つ手探りで調べて決めていかなければなりませんでしたし、コロナ禍の影響でベトナム側での動きが止まった期間もありましたので、販売まで本当にたどり着くことができるのかと常に不安を抱えていました。けれども、一つ一つを実行していく過程で、モノやカネの国際的な流れを実感として理解できていきました。やっと日本に届いた商品が店頭で消費者の手に渡るのを見届けることができたときには、大きな達成感を感じましたし、この活動全体を通して、教室とは異なる実践的な学びを進めることができました。」と述べてくれました。植村さんは今、このような実践的活動とゼミにおける学びを融合させた卒業論文の完成に向けて、学生時代最後の取り組みを進めています。