国際関係学部 「外交論Ⅰ」で外務省から講師をお招きし「外交講座」をオンライン・ライブで実施しました

2021.07.08

外交講座の様子
7月6日(火)、「外交論Ⅰ」で外務省の総合外交政策局総務課の山崎智章氏をお招きし、「外交講座」をオンライン・ライブで実施しました。

テーマは「日本外交とインド太平洋戦略」でした。日本政府が「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」をいかに構想し、日本の外交政策の方向性を示すビジョンとして打ち出していったのか、その背景と経緯をお話しいただきました。

FOIPは、インド太平洋地域において日本が実現したい秩序として構想されました。2017年の外交青書では、①法の支配や航行の自由を保障する海洋秩序の維持・強化、②「質の高いインフラ」整備等を通じた経済的繁栄の追求、③海上法執行能力の向上支援などの平和と安定のための取り組みとして、具体的ビジョンが示されています。対中国政策と思われがちなFOIPですが、日本政府はFOIPは特定の国に対抗するものではなく、インド太平洋地域で法の支配を始めとする共通の価値や原則に基づく自由で開かれた秩序を実現することが、地域全体、ひいては世界の平和と繁栄を確保する事に繋がると主張しています。山崎氏は、外交の現場でこうした日本政府の各国・地域への働きかけに携わられ、いかにFOIPのビジョンに基づく価値や原則がアメリカ政府をはじめ各国・地域に共有され、支持されてきたのか、また日本の取り組みを方向付けるようになったのかをお話ししてくださいました。

講義の終盤では質疑・応答の時間を取りました。学生からは、韓国のFOIPへの反応や中国の一帯一路との違いについての質問がありました。最後に、山崎氏がなぜ外交官を目指そうと思われたのかをお話くださいました。実務家として世界各地を訪れ国際関係の現場で活躍する外交官のやりがいが伝わってくる貴重な講義でした。「外交講座」には50人を超える参加者があり、盛況に終わりました。

国際関係学部の授業では、外交、ビジネス、国際協力の現場で活躍する実務家を招き、世界の最前線の知識や実情を学びます。
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