2025.10.20

「みなべ・田辺の梅システム」世界農業遺産認定10周年記念式典で学生が参加・発表

2025年10月17日、和歌山県田辺市にて、「みなべ・田辺の梅システム」の世界農業遺産(GIAHS: Globally Important Agricultural Heritage Systems)認定10周年を祝う記念式典が開催されました。式典には、地域関係者や研究者、行政関係者など約300名が出席しました。

「みなべ・田辺の梅システム」は、2015年12月に国際連合食糧農業機関(FAO)から世界農業遺産に認定されて以来、今年で10周年を迎えます。本学は、みなべ町と2025年に締結した連携協定を通じて、地域の生物多様性保全と梅産業の持続的発展に取り組んでおり、今回の式典には本学生態系サービス研究センターの高橋 純一准教授が来賓として出席しました。

会場では、みなべ町や田辺市で世界農業遺産に関連する活動を行う団体をはじめ、全国各地のGIAHS認定地域の団体、大学や高校などによる展示ブースが設けられました。本学の展示ブースでは、生命科学部先端生命科学科4年次生の吉尾 実莉さんが登壇し、これまで本学で進めてきた「京都産業大学梅プロジェクト」の活動内容や、梅林における生き物調査の結果を発表しました。発表では、地域と大学が連携した環境教育および研究の意義についても紹介され、多くの来場者の関心を集めました。

発表を終えた吉尾さんは、「本学の展示ブースに来てくださった多くの方が、梅林の生物多様性や本学の梅プロジェクトに興味を持っていただきました。梅林には想像以上の多種の生物が生息しているのかと驚かれる声もあり、展示を通して梅林の生物多様性を実感していただけたように感じました。また、梅プロジェクトの活動についても地域の方たちから関心や励ましの言葉をいただきました。中でもみなべ町在住のOBの方から激励をいただくなど、今後の取り組みへの励みになりました。また、シンポジウムを通して、梅づくりの文化と自然環境のつながり、そしてそれを支える地域の方々の思いに触れることができ、とても貴重な経験になりました。」と語りました。

また、基調講演やパネルディスカッションでは、世界各地のGIAHS認定地域が連携し、地域資源を活かした製品開発や販売促進など、価値向上に向けた多様な取り組みが紹介されました。生態系サービス研究センターの高橋純一准教授は、「本学も今後、地域の生態系サービスを活用した研究と社会実装の両面から、みなべ町との連携をさらに進展させ、『みなべ・田辺の梅システム』のさらなる発展に貢献していきます。」と述べました。

京都産業大学の展示ブースで研究結果をみなべ町長に説明をする本学4年次生の吉尾 実莉さん

来賓挨拶をする宮崎泉和歌山県知事(上左)、開会の挨拶をする山本 秀平みなべ町長(上右)、
地域住民と高校生らによるパネルディスカッション(下左)、閉会の挨拶をする真砂充敏田辺市長(下右)

みなべ・田辺の梅システム認定10周年シンポジウム

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