9月8日(月)、京都産業大学は、和歌山県みなべ町と「包括的連携協力に関する協定」を締結しました。
この協定は、世界農業遺産に登録されている「みなべ・田辺の梅システム」を中心に、地域資源の活用と次世代人材の育成を目的とした多面的な連携を推進するものです。
みなべ町役場で行った協定締結式には、みなべ町 山本秀平町長と本学 在間敬子学長が出席し、協定書への署名を行いました。
締結式では、はじめに山本町長から、「人口減少、高齢化の状況下でも住民やみなべ町に関わる方がいかに幸せに暮らしていけるかが大事。地域外からの方がみなべ町に来ていただけるきっかけづくりとしても京都産業大学とのつながりが非常に重要な役割を果たす。大学のみなさまに活気をもらい、勉強に役立つ地域資源を提供していくことでお互いにWin-Winになるような連携を進めていきたい。」と挨拶がありました。
続いて在間学長が、「この協定は地域の魅力向上や新しい産業・観光資源につながる可能性があり、人材交流や人材育成に発展させていくものだと確信している。学生にとっても大学で学んだことを地域で実践できるのは大きな成長の機会である。協定を新しいスタートとして、協力し合いながら新たな価値を生み出していきたい。」と述べました。


記念集合写真の撮影の後、生態系サービス研究センター長の高橋 純一 准教授(生命科学部)から今後の取り組み内容と展望が語られました。生命科学部4年次生の吉尾 実莉さんからは、世界農業遺産の「みなべ・田辺の梅システム」やみなべ町の魅力を多くの学生に知ってもらうための企画と意気込みについて発表がありました。
なお、本学はこれまで12の自治体との包括連携協定を締結しており、今回で13件目の締結となります。


<今後の主な取り組み(予定)>
- ミツバチによる梅受粉やミツバチの保全に関する共同研究
梅の結実率を上昇させる誘引剤の試験をみなべ町の梅林でみなべ町の高校・企業と共同で行う。 - みなべ町うめ課と梅のクエン酸成分を利用したスポーツ食品の開発
梅のクエン酸成分を利用したスポーツ利用食品の試験・開発をみなべ町と進める。 - 生徒・学生向世界農業遺産の学習体験ツアー企画・立案
世界農業遺産のウメシステムを体験する学習ツアーを修学旅行生向けコンテンツを旅行会社およびみなべ町と開発する。 - 世界農業遺産の学習教材の開発
ウメシステムや生物多様性を理解するための学習教材(下敷き、書籍、アプリ)の開発を引き続き進める。 - 梅の木に集まる生き物調査
世界農業遺産に登録されているウメシステムの中で生物多様性の調査を地元のボランティアおよび高校生と共同で調査をする。8月と2月に地元の小中高校生向けに観察イベントをみなべ町主催、本センターが共催で開催する。また、1年間を通じて調査した結果を国際連合食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産の会議で本学学生と南部校の生徒が共同で発表・報告することを最終的な目標とする。 - 学生主体の地域イベントの開催
「SOIカフェ」や「みつばち同好会BoooN!!!」によるPRイベント「五感で楽しむUME SYSTEM」の開催 - みなべ町の民間企業と京都産業大学の梅干商品の開発
みなべ町の梅生産者、障がい者支援NPO法人らと本学学生が梅の収獲、梅干漬け、パッケージ、商品企画をおこない、京都産業大学の梅干を開発・販売する。