2023.04.28
カルチャー眺めるだけじゃ物足りない!?歴史ある京都の観光地で、陶芸&坐禅の文化体験!
せっかく京都の大学に通っているのだから、歴史ある神社仏閣を眺めるのもいいですが、京都らしい文化を「体験」してみたいですよね。今回は、約250年の歴史を持つ清水焼の窯元で体験できる「陶芸体験」と、禅寺で体験できる「坐禅体験」を紹介します。どちらも初心者でも気軽に体験できるので、休みの日に、仲間と一緒に出かけてみてはいかがでしょうか。
電動ろくろを使って、自分だけの器が作れる!「瑞光窯」
京都の観光スポットといえば、真っ先に清水寺を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。そんな清水寺から徒歩7分の立地で、京都の伝統技である京焼・清水焼の体験ができるのが「瑞光窯」です。
京都の繁華街・四条河原町からだと、京都市営バス207系統に乗って、「清水道」で下車。京都の町家が立ち並ぶ美しい景観を眺めながら、石畳の坂を上っていくと徒歩3分ほどで、到着します。
瑞光窯の現社長・土谷瑞光さんは6代目。幼い頃から、ものづくりや陶芸のデザイン、会社経営に興味があり、好きなことを仕事にしたいという思いで、25歳の時に先代から跡を継ぎました。
土谷さんは、家業である伝統工芸と観光業を組み合わせ、若年層をターゲットに体験教室を始めました。初心者にはなかなか難しい陶芸ですが、スタッフの皆さんによる手厚いサポートで、楽しく綺麗に仕上がると話題に。今では観光客を中心に、20代の若者から大人気です。
私たちも実際に体験してみました!まずは、予約時にプランを選びます。「ライトプラン」(2,500円〜)は、お手本に沿ったマイカップが作れます。「スタンダードプラン」(3,600円〜)は、好きな形の器が作れます。どちらもオプション(600円)で取っ手をつけることができます。
「丸っこいカップが良い」など、希望の器の形や大きさをスタッフさんに伝えた後は、釉薬(ゆうやく)と呼ばれる、表面を覆うガラス質の部分の色を選びます。
「スタンダードプラン」では、ホワイト、レモン、アメ、ターコイズ、ブロンズの5色から選ぶことができますが、どれもシンプルながらモダンな色でかわいいです!
釉薬とは、木の灰や金属酸化物の粉を水で溶かしたもので、器を焼く前に塗ります。焼き上げると、見本のような色が付きます。
窯の中でも置く場所によって温度が異なり、それに伴って色合いが微妙に変わるので、小さな窯で手間をかけて一つ一つ丁寧に焼き上げているそうです。
作りたい器の形を決めたら、いよいよ電動ろくろを使って成形していきます!基礎の形はスタッフさんが作ってくださるので安心です。手の形や力の入れ具合によって、形がどんどん変わっていきます!指先への力の入れ方など、丁寧にアドバイスを受けながら、自分好みの形に整えていきます。出来上がったら、今日の体験はここまで。約30分間の体験です。
店内には、美しい桜色の一輪挿しや、陶器のリングなど、プロの方が作った商品もずらりと並んでいます。体験だけでなく、ショッピングも楽しめますよ。
瑞光窯 京都清水店
住所:京都市東山区八坂通下河原東入 八坂上町385-5
※体験は、Webサイトから事前に予約が必要です。
お坊さんに背中を叩かれる!?勝林寺の坐禅体験
歴史ある神社仏閣が点在しているのも、京都の魅力の一つ。その中でも、禅寺で坐禅体験が行われていると聞き、勝林寺へやってきました。JR奈良線・京阪「東福寺」駅から徒歩8分の場所にあります。
坐禅体験の参加には、予約が必要です。事前に、Webサイトで坐禅体験(1人1,000円)をやっている日時をチェック・予約しておきましょう。
※2023年5月1日から1,200円に価格変更予定。
当日、開始時間をめがけてやってきましたが、すでに会場はほぼ満席状態!平日は30人ほど、土日だと50人以上の体験希望者が集まることも多いそうです。
坐禅体験が始まると、まずは住職さんからお寺の紹介や坐禅についての説明を受けます。
坐禅では、着座(ちゃくざ)という足の組み方をします。 あぐらを組むポーズをして、膝の上につま先が乗るように組むのが正しいフォームです。初めてだと難易度が高いので、あぐらを組むポーズでも大丈夫だそうです。完全に目を閉じるわけではなく、視線は斜め下に向けます。手は、丸い球を両手のひらで包むような形です。
呼吸は、ゆっくりと鼻から。1から10まで頭の中で数え、10まで数えたらまた1に戻って続けます。これは数息観(すそくかん)といって、より坐禅に集中できる呼吸法です。
そうして、心の中のいらないものを離していく感覚を意識します。すると物事への余計な執着がなくなり、前向きな気持ちになってくるそうです。
坐禅体験では、15分間の坐禅を2セット行います。
坐禅を行っている最中、眠気が襲ってきたり雑念が浮かんだりした時には、胸の前で合掌をし、少し前に屈むような体勢を取ります。すると、住職が、警策(けいさく)という棒で、パーンと背中を叩いてくれます。この様子は、テレビなどで見たことがある人もいるのではないでしょうか。
私も坐禅中に一度叩いてもらいました。率直な感想としては、大きな音がするものの、あまり痛くなかったです。 むしろ心地の良い気持ちよさがありました。
私の場合は、後半になるにつれ呼吸も一定に整ってきました。15分間も実際より短く感じ、約1時間の坐禅体験は、あっという間に 終わりました。
体験後は、脳を再起動させたような、すっと落ち着く不思議な心地になりました。
最後に、「禅では、時間を大切にします。何を優先すべきかを考えて、学生ならではの時間の使い方を意識して過ごしてみてください。きっと将来の役に立つと思います」と、住職の宇野虓堂(うの・こうどう)さんがメッセージをくださいました。
境内を散策すると、かわいい花手水や、季節ごとに変わるオリジナル御朱印やレースのお守りなどの珍しい授与品を見つけました。眺めるだけでも楽しかったです。
坐禅体験に行く前は、大学生の私にとっては少し敷居が高く、難しいイメージがありました。しかし実際行ってみると若者の参加者もたくさんいて、温かい囲気で体験することができました。 皆さんも一度、勝林寺に訪れてみてはいかがでしょうか。
今回は2つの体験を通して、京都の文化を体感することできました。陶芸も坐禅も、いきなりは難しいイメージがありましたが、初心者でも楽しめる内容でした。どちらも時代の変化に合わせながら、体験という形で、伝統を伝えられていました。京都の文化を体感したい方にはおすすめです!みんなで京都の学生ライフを楽しみましょう。