2023.01.16

カルチャー

学生でも楽しめる!京都の老舗3選

「鍵善良房」の店内。江戸時代に使われていた木型も飾られています(写真左上)。

歴史ある京都の街には、数百年以上前から続く老舗がいくつも存在します。しかし、老舗といえばどこか敷居の高いイメージを持ってしまいがちとの声も。今回は、学生でも訪ねやすい、香り・ご飯・スイーツのお店を紹介します。思いきって老舗に訪れて、ぜひ京都らしさを体験してくださいね。

心をほっとさせてくれる“香り”を見つけられる「香老舗 松栄堂」

まず紹介するのが、300年の歴史を持つ「香」の専門店「香老舗 松栄堂」。京都本店は、地下鉄烏丸線「丸太町駅」7番出口から南へ徒歩3分、オフィス街の真ん中にあります。店内は落ち着いた雰囲気で、若者から高齢の方まで幅広い年代の方が商品を手に取っていました。
「香老舗 松栄堂 京都本店」の外観。
お香のことをあまり知らない方も多いのではないでしょうか。
お香には「お線香」のように火をつけるもの、「練香」のようにあたためるもの、常温で香る「匂い袋」などがあります。
宵詩・想月・草奏・雪柳・花圃の5種の香りが入った「薫路 アソート」(1,320円)と、花束のように華やかに広がる6種の香りを楽しめる円錐型のお香「六種花世界 コーン」(2,750円)
お香を使う目的は人それぞれです。例えば、部屋の掃除が終わった後の気分転換や、勉強などで集中したいときに、自分の好きな香りのお香を使うことで気持ちを切り替えることができます。
大きさ、デザイン、香りと、さまざまな種類がある「匂い袋」。
初めて使う方にオススメなのが、しおり型のお香や匂い袋です。匂い袋「誰が袖(たがそで)携帯⽤」は、440円で、学生でも手を出しやすい価格帯。おだやかな和風の香りが楽しめます。
しおり型のお⾹「ふみか 京小袖」は、財布やかばんに入れて使うこともできます。お金や物を取り出す度にお香の優しい香りをほのかに感じる事ができると、日々の生活が楽しくなりますね!

店内で気になる商品があればその場でお香を焚いてもらい、香りを試すこともできます。香木を焚いていただくと、優しい香りに包まれ、森の中にいるような感覚になりました。私はお香に馴染みがなかったので、お香の香りはもちろん、店内で見るものすべてが新鮮でした。とても素晴らしいお店なので、足を運んでみてほしいです。
香老舗 松栄堂 京都本店
住所:京都市中京区烏丸通二条上ル東側
定休日:年中無休(年始を除く)
営業時間:9:00 ~ 18:00
HP:https://www.shoyeido.co.jp

情緒あふれる店内でいただくお蕎麦&コーヒーにも合う蕎麦菓子「本家尾張屋」

次に紹介するのは「本家尾張屋」です。本店は、地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池駅」から北へ徒歩3分ほどの場所にあります。
歴史を感じる「本家尾張屋」の外観。
創業はなんと応仁の乱の前年の1465年。今も行列が絶えない蕎麦屋さんですが、始まりは菓子屋だったそうです。「練る・切る・伸ばす」という製菓技術が、蕎麦の製麺にも応用できるとされ、寺社からの注文も受けるようになり、その後 江戸時代に蕎麦屋を始めました。
にしんそば(1,430円)
今回は、「にしんそば」をいただきました。お蕎麦は、毎日蕎麦を打ち、注文が入ってから湯がくので、コシと香りが抜群です。自慢のおだしは、利尻昆布の旨みを活かしたまろやかで優しい味わい。お店の地下から汲み上げた水を使っているそうで、驚きました!食べるごとに、にしんの甘みがおだしに染みわたります。
「そば餅」。写真右の抹茶味は、不定期でお店に並ぶ限定品。
本店の隣には、菓子処があります。本店の昔ながらの雰囲気とは打って変わり、モダンな印象を受ける店内には、そばわらび餅や蕎麦ぼうる、蕎麦板など、蕎麦粉を使ったお菓子がずらり。おいしいお蕎麦を堪能したあとは、こちらでお土産を買って帰るのはいかがでしょうか。

おすすめは、代表銘菓の「そば餅」。蕎麦粉使った薄い皮で小豆こしあんを包んだ饅頭です。蕎麦の香りとこしあんの相性がよく、素朴な甘みが口の中に広がります。

取材を受けてくださった、尾張屋の広報担当者によると「そば餅をトースターで3〜5分間炙ると、皮がパリッとして中のあんこはトロリ。コーヒーとの相性が抜群」とのこと。和菓子は日本茶と一緒に食べるもの、というイメージが覆されました!
本家尾張屋
住所:京都市中京区車屋町通二条下る
定休日: 1月1日・2日、火曜日
営業時間:11:00〜15:30(ラストオーダー15:00)※菓子販売のみ9:00〜17:00
HP:https://honke-owariya.co.jp

職人技が光る!見るも美しく食べてもおいしい和菓子「鍵善良房」

最後に紹介する老舗は、江戸時代の享保(1716年〜1736年)から続く和菓子屋「鍵善良房」です。四条本店は、京阪本線「祇園四条駅」7番出口から四条通を東に徒歩3分、花街・祇園の一角に店を構えています。店内には、民芸品がたくさん。重厚感ある、老舗らしい雰囲気です。

「鍵善良房」の名物は、江戸時代から変わらず愛される「菊寿糖」。シンプルな白い菊の形がかわいいです。口に入れると、ホロッととろけ、最高級の阿波和三盆の甘みが広がります。

菊寿糖は、喫茶スペースでお茶請けとしてもいただけます。

実はこのとろける口溶けに、職人技が詰まっています。和三盆を木型に詰めるとき、押しが弱すぎると崩れてしまい、強すぎると口どけが悪くなってしまうのだとか。その日の湿度や気温によっても素材のコンディションが変わるので、至難の技だそうです。

鍵善良房の社長・今西善也さんにおすすめを聞くと、「上生菓子は1つ店頭販売価格450円〜。その時々の季節を表現しています。ケーキを買うような感覚で、和菓子を手に取ってみてほしいです」と話してくださいました。

年末年始のみ店頭に並ぶ、新年菓「玉うさぎ」(450円)。上生菓子の代表的な一つ、薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)。※1月15日で販売終了
店頭に並んだ京菓子はまるで宝石のよう。その美しさに目を奪われてしまいます。皆さんもぜひ「すてき!」「かわいい!」と、気軽な気持ちで、選んでみてくださいね。
くずきり(1,400円)。黒蜜もくずきりもシンプルだからこそ素材の味が引き立ちます。
店内奥には、喫茶スペースもあります。今回は、鍵善の代名詞ともいわれる「くずきり」をいただきました。器は二段になっていて、上に黒蜜、下にくずきりが入っています。弾力ある歯ごたえとつるんとした喉ごしに、甘い黒蜜が混ざり合って、絶品です。
鍵善良房
住所:京都市東山区祇園町北側264番地
定休日:月曜日(祝日の場合は営業し、翌平日休み)
営業時間:菓子販売 午前9時30分~午後6時
     喫茶 午前10時〜午後6時(午後5時30分ラストオーダー)
※ ラストオーダー時刻は混雑状況により変更する場合があります
HP:https://www.kagizen.co.jp

かつて都があった京都は、和歌や茶の湯などをはじめ、さまざまな文化が栄えてきました。そんな京都の長い歴史の中で、伝統を継承してきた老舗からは、洗練された魅力を感じました。今回紹介した3店舗は、学生でも手に届く価格帯のものもたくさんありました。この記事を機に、ぜひ足を運んでみてほしいです。

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