2021.12.23

カルチャー

疲れを癒しに京都の銭湯へ行こう!②【雰囲気抜群の老舗銭湯編】

映画『マザーウォーター』のロケ地にも使用された「日の出湯」。

京都には歴史ある銭湯がたくさんあります。『銭湯ビギナー必見編』に引き続き、本記事では雰囲気抜群の老舗銭湯を2つ紹介!建物や中の装飾も見どころです。昔ながらの銭湯で温まってみてはいかがでしょうか。

東寺のそばに佇むお風呂屋さん 日の出湯

東寺の近くの路地を入ると突然見える迫力ある木造建築が「日の出湯」。現存する木造銭湯の中で最大規模であり、京都市から「京都を彩る建物や庭園」にも認定されています。
表ののれんは30種類ほどあり、2週間ごとに絵柄が変わります。
のれんをくぐって中に入ると頭上一面に広がる格天井。格天井は二条城でも使用されるほど伝統的な天井様式です。
その他にも脱衣所には体重計やロッカー、女湯には赤ちゃん用の寝台が昭和24年(1949年)の創業当時からそのまま使用されており、レトロな雰囲気を味わうことができます。
約30畳ある脱衣所。

脱衣所の壁に貼られた店主の村木さん自作の「昭和新聞」は、昭和30年から60年の間に流行ったものや出来事を年ごとに見開き一枚の年表にしてあり、利用客がよく立ち話の種にしているそう。

お風呂以外の楽しみは他にもたくさんあります。6月は庭で蛍を鑑賞することができたり、夏には氷の中に造花が入った氷柱が置かれたりと、季節ごとにさまざまなイベントが行われています。
村木さんは学生に「ここに来て昭和のテイスト感を味わってほしい。イベントも見に来てもらえたら」とおっしゃっていました。

店主の村木さん手作りの「昭和新聞」
銭湯は家のお風呂と違ってゆっくり足や関節を伸ばして湯船に入ることができるので、疲れの取れ方が違います。また地下水は柔らかく、肌に良いので女性には大変おすすめです。
日の出湯オリジナルの手ぬぐいやポストカードも販売されており、訪れた記念になりますね。
普段銭湯に行かないという人も、東寺へ観光に行った帰りに日の出湯で汗を流してすっきりしてみてはいかがでしょうか。

日の出湯

住所:京都市南区西九条唐橋町
営業時間:16:00~23:00
定休日:木曜日
入浴料:大人450円、中人150円、小人60円

唐破風をくぐって薪沸かしのお湯を楽しむ 長者湯

間嶋正明さんが経営する長者湯の創業は1917年。東堀川一条で小さな銭湯を営んでいた間嶋さんの祖父母が長者湯を買い取ったことが始まりでした。間嶋さんは3代目になります。創業当時から現在まで続くこだわりは、「地域を大事にすること」と「お湯は清潔にして、井戸水を薪で沸かすこと」です。
地域との関わりとしては、敬老会や運動会、防災訓練などのイベントに参加するだけでなく、ボランティア活動も行っています。
またこの業界では、経営者の方が年齢を重ねるにつれて力仕事が難しくなり、燃料を重油やガスバーナーに変更する銭湯が増えています。しかし、長者湯では井戸水を薪で沸かす昔ながらの方法を大切にしており、燃料が減ると遠方まで廃材を受け取りにいくのだそうです。
長者湯の創業は1917年。今年で104周年を迎えます。
建物や中の装飾も見どころです。長者湯は2002年に京都市歴史的意匠建築物に指定されました。昭和初期の趣のまま建物が残っていること、特に入り口に付いている「唐破風(からはふ)」が評価されたそうです。中国では神聖な場所に入るときにくぐる屋根を唐破風としていたことから、日本の銭湯では自分が清潔になる、綺麗になると置き換えて唐破風を設置していました。
こちらは女湯にある桜の清水のタイル絵。右には男湯の薄雪の金閣がのぞいています。

1993年の改装を経て、1994年には京都市が平安建都1200年の記念イベントを開催。そこで長者湯でも浴場入り口に記念のタイル絵を設置することになりました。男湯には薄雪の金閣、女湯には桜の清水のタイル絵が今でも見られます。
このタイル絵は釉薬(ゆうやく)で描いて焼いてもらったため、これまで色落ちや色褪せもなく28年前とほぼ同じ状態のまま飾られています。

「まったりとして優しい肌当たり」で評判の長者湯ですが、その理由は天然の地下水にあります。天然の地下水は水道水と違い、塩素による加工がないためお風呂から上がるとお湯が肌にまとわりつき、美肌効果があるそうです。お客様からも「長者湯ではずっと薪で沸かしてほしい」という声があるほどです。間嶋さんおすすめの入浴方法は、お湯でゆっくり身体の芯まで温め、最後に年間を通じて水温17度~18度の水風呂に入るという流れ。肌はサラっとしているのに、身体の芯が温まったままの状態を体感できるそうです。

女湯の浴場。メインのお風呂に加え、うたせ湯、座り風呂、水風呂の全部で4種類のお風呂があります。
大学生(大人料金)は450円で長者湯を利用できます。タオルやシャンプー、リンス、石けんも販売しているので、クラブ活動やアルバイト終わりなどに足を運んでみてもいいですね!

長者湯

住所:京都府京都市上京区上長者町通松屋町西入ル須浜東町450
営業時間:15:10~24:00
定休日:火曜日
入浴料:大人450円、中人150円、小人60円


京都には地域に愛されている銭湯がたくさんあります。取材を通じて、建物や歴史、沸かし方へのこだわりなど、たくさんの魅力を知ることができました。これまであまり行ったことがない人も、友人との遊びや頑張った日のご褒美に、京都の銭湯を楽しんでみてください。

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