【文化学部】文化学部の学びを創作活動に~個展「華と色彩の輪舞曲(ロンド)」を訪問~

2023.10.16

個展はみやこめっせ美術工芸ギャラリーにて開催されました

本学文化学部 国際文化学科の1期生で、現在作家として活動をされている、“花(か)円(えん)”こと村田そのこ氏の個展「華と色彩の輪舞曲(ロンド)」を訪問し、文化学部の学びが創作活動にどのように生かされたのか、お話を伺いました。

(学生ライター 文化学部2年次 大林真夕)

「感応~KANNOU~」
【村田そのこ氏プロフィール】
2004年に本学 文化学部 国際文化学科を卒業後、ワンストロークペイントに出会ったことをきっかけに絵に興味を持ち、ダブルロード、アクリル画、日本画など、さまざまな技法を学ぶ。2022年に「感応~KANNOU~」がフランスのパリ・ユネスコ本部に展示され、第168回日図展では「陰陽統合」が京都商工会議所会頭賞を受賞、さらには「花宙-HANASORA-」が入選。現在は、フラワーペイント教室を主宰しながら、作家活動を行っている。
村田氏は学生時代、海外の思想や言語に興味があったことから、国際文化学科の中国思想のゼミに所属され、興味関心の赴くままに中国だけでなくインドや西アジアの文化についても学びの領域を広げられました。また吹奏楽部に所属され、勉強だけでなく、クラブ活動にも毎日熱心に取り組まれたそうです。村田氏の作品は、西洋的な技法やデザインに本学で学ばれた、日本・中国・インドを思わせる色調というのが特徴です。数ある魅力的な作品の中で、今回は特に印象に残った作品を3点紹介します。
「陰陽統合」
1つ目は「陰陽統合」という作品です。「陰陽」とは、森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物を、広い観点から「陰」と「陽」の二つのカテゴリに分類する中国古代の思想です。
この作品には人の「陰」と「陽」の部分が表されており、さまざまな経験の中から足りない部分をお互いに補完し合いながら思いを「統合」し幸せになってほしいという意味が込められているそうです。学生時代中国思想を学んだことが生かされているそうです。
「華梵曼荼羅(かぼんまんだら)」
2つ目は「華梵曼荼羅(かぼんまんだら)」というシリーズです。このシリーズ作品は村田氏のお母様が病に倒れられた時に回復の願いを込めて作られた作品なのだそうです。
「起源」
3つ目は「起源」という作品です。この作品はインド調の部屋に合うように、ペイズリー柄で描かれています。ペイズリーは、原生動物などをモチーフとし、生命力、繁殖力、自然、霊魂などを結び付けられていると説明を受けました。黄色い花はろうそくの火をイメージしており、希望の火を灯した生命の起源と和の絆を融合した様子を表現されたそうです。こちらは入口に飾られており、個人的にひとめぼれをした作品です。レトロな雰囲気で可愛らしい絵柄なのですが、眺めているとその中に秘めている強い力のようなものを感じました。

取材を終えて

私は美術館や個展などに行ったことがなかったため、作品の良さをしっかりと理解できるのかと不安でしたが、実際に作品を目の前にすると心を動かされるものがあり、とても刺激的な時間になりました。心に寄り添ってくれる作品、大切なものに気づかせてくれる作品、背中を押してくれる作品など、様々な作品に出会うことができ、芸術がもつ力と奥深さを感じることができました。また、さまざまな国の文化を横断的に学べる国際文化学科での学びが作家“花円”としての現在の活動に生きてるという経験を知ることができたことで、大学での学びが卒業後に思わぬところで繋がることがあるのだと驚いたと同時に、私自身も文化学部の後輩として、今の学びを大切にしていきたいと思いました。