本学の客員教授に教わる「コミュニケーションの極意」

2022.02.08

現代社会学部専門教育科目「現代社会の諸問題B」の講義は、現代社会のさまざまな諸問題について、各分野に精通する方から現場のリアルな声を直接聞くことにより、問題意識を養うことを目的に開講しています。今回は、放送メディア業界の第一線で活躍中の元TBSアナウンサー 吉川美代子客員教授が、「コミュニケーションとは何か」、「コミュニケーションの上で大切なこと」について、アナウンサー時代に経験したことや、その後のアナウンススクール(吉川氏が校長)での実体験などを基に講義が行われました。

(学生ライター 法学部2年次 八木 一真)


学生に直接質問を投げかける吉川客員教授
講義は「コミュニケーションとは?」という吉川客員教授の問いかけから始まりました。
私たちは、コミュニケーションを取る際に言葉と言葉のキャッチボールを交わす相手を自然と意識しており、お互いの状況や関係性によって言葉を変化させています。つまり、コミュニケーションとは相手のことを意識して初めて成立します。
また、言葉だけではなく、体全体のしぐさからもコミュニケーションは成り立っており、言葉とボディーランゲージの両方を使ってうまくコミュニケーションを取っていくことが大切になってきます。

ところで皆さんは「高い建物」と聞いて何階ぐらいの建物を思い浮かべますか?
人によって8階くらいの人もいれば、15階以上の人もいるのではないでしょうか。このように、高い建物といってもイメージはさまざまです。相手にわかりやすく伝えるためには相手のことを思いやることが大切で、それは人間力にもつながると話されました。
また、「音」と「言葉」の違いについても解説がありました。
皆さんは「フジサン」という音を聞けば大半が大きな山をイメージすると思います。しかし、日本語を知らない人や富士山を見たことない人はイメージすることができません。つまり、富士山をイメージできる人は「言葉」として聞いているのですが、できない人は「言葉」ではなく「音」として富士山と聞いていることになります。このことから、言葉を発するときは相手がイメージできることなのかを考えて発することが重要になってくるとのことでした。

最後に言葉のキャッチボールを行う上で重要なことについてまとめられました。

  1. 自分の中で言いたいことを理解すること。
  2. 相手の目線や立場に立つこと。
  3. 挨拶をしっかりすること。
  4. 伝える相手に目や体を向けること。
  5. 自分の声に自信を持ち、言葉に気持ちを込めて話すこと。
  6. 敬語を使うときは構えすぎず自分の気持ちを伝えること。
  7. 間違った言葉を伝えてしまった場合は誠意をもって訂正すること。

これらを常に意識することによって、コミュニケーション力は格段に向上していく、と伝えられました。

今回の講義を受講して、コミュニケーションを取る上で相手に配慮するべきことについて理解が深まりました。会話することは良好な人間関係を構築する上で大切なことですが、うまく伝わらなかったり誤解を招いたりすることがしばしば起こります。そのような時こそ、伝えたい相手のことを第一に考えて努力することが何よりも大切になってくると感じました。

実践しながら説明される吉川客員教授
吉川客員教授の講義を熱心に聞く学生