【文化学部】京都文化の華「花街」について学ぶ 祇園の街でフィールドワーク
2021.11.26
文化学部の専門教育科目「京都文化特論V」(担当:坂田 憲治講師)は、京都文化の華といわれる「花街」の歴史や年間行事、芸舞妓や祭など、花街の文化について学ぶ科目です。今回は、講義で学んだ花街の歴史を踏まえて、祇園周辺でフィールドワークを行いました。
(学生ライター 現代社会学部1年次 堤 彩葉)


まずは八坂神社を訪れ、仲林権禰宜から八坂神社の本殿について説明を受けました。
八坂神社の本殿は1646年に建てられました。しかし、建てられて半年もたたない内に火事で全焼し、1654年に再建されました。焼失した本殿も現在の本殿も、いずれも江戸幕府が建てたものです。江戸幕府は寺社を優遇する政策として寺や神社の修復に率先して取り組んでおり、これには「幕府」が日本の権力を持つ存在であるということを誇示する目的があったということが紹介されました。

また、八坂神社の本殿は、神社本殿建築として最大の床面積を誇る場所といわれており、その理由は本来別々にある本殿と拝殿が一つの屋根で覆われているためなのだそうです。

次に、江戸時代の祇園の地図や風景写真と照らし合わせながら現在の祇園の街を巡りました。老舗のお菓子屋の歴史や「花見小路」と名付けられた由来、江戸時代に祇園で起こった出来事などについて、坂田講師の説明を聞きながらさまざまな場所を巡りました。

最後に、下駄や草履、舞妓が履くおこぼを作る履物屋「ちょぼや」を訪れました。3代目の桜井 功一氏から「おこぼ」の由来や種類、歴史などについて話を伺ったり、実際におこぼを作る様子を見学させていただきました。
八坂神社の権禰宜や祇園の街で実際に働く職人から歴史や文化の話を聞くことで、より深く花街について学ぶことができたのではないかと思います。友人や家族と観光で何気なく歩いていた花街。長い歴史の中でさまざまな出来事があり、今の「花街」が形作られているということに気付くことができました。