【国際関係学部】アフリカ南部でのナビゲーションスキル/ブッシュマンたちの焚き火を囲む“物語”から考える(International Communicationゲストスピーカー)
2024.12.23
2024年11月28日(木)に、国際関係学部専門教育科目の「International Communication」の授業の一環として、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科の高田 明教授にお越しいただき、「Culture and Communication」と題して、講義を行っていただきました。
(学生ライター 国際関係学部3年次 山本 悠斗)

高田教授はナミビア、ボツワナなどの地域においてサンやグイガナ(少数民族)について研究を長く行なっていらっしゃいます。今回のご講演ではコミュニケーションを通じての文化や感情の社会的意味についてアフリカの事例を紹介しながらお話しされました。まずは、アフリカ南部の国々の歴史においてサンやグイガナの人々のrelocation(再定住化)projectが進む中で、狩猟採集を中心とした生活からある一定の地域に住むようになったこと、その経験を通じて道に迷う人たちが出てきたことを紹介されました。現地の人々が焚き火を囲みながらそうした経験の語りを共有する場面を会話分析における「物語」を使った分析として示されました。人々が会話の中で語っている物語には文化的背景や人々の感情、社会的・政治的背景に広く関連していること、その物語を語ることで民族のアイデンティティが再構築されているという点が興味深かったです。

高田教授は授業の中で、アフリカのクリック言語についても話され、アフリカの言語の話し方は私たちが使っている日本語や英語などの言語の発音や構造の点で異なる特徴を持っているという点が面白かったです。高田教授が実際に授業でクリック言語を喋ってくださることで、受講していた学生は違いについて驚きました。

講義後には、授業に参加していた学生から政治的な側面や言語構造について活発的な質問が行われており、高田教授も様々な事例を紹介してくださりアフリカ研究の一面を学ぶことができた貴重な機会となりました。