【国際関係学部】学部公認団体「PSIR」入管問題について勉強会を開催しました!

2023.06.30

2023年6月20日(火)昼休み、PSIR主催で入管問題についての勉強会が開かれました。映画「ワタシタチハニンゲンダ!」上映会の準備として開かれる3回シリーズの勉強会の最終回です。今回の勉強会で、入管のシステムやそれに伴った日本の現状・問題についてしっかり学ぶことができました。

(学生ライター 国際関係学部4年次 中野 莉子)


今回の勉強会では大きく分けて入管施設に収容されている人々と収容施設内の環境、収容施設から仮放免される制度について学びました。
初めにそもそも入管問題とは何なのかについて説明がありました。入管の業務には、在留資格がない人を帰国まで一時的に施設に収容することや、自主的に帰国しない場合は強制帰国させるというものがあります。この業務の中で起こる様々な問題が入管問題とされます。施設に収容されている人々が帰国できない事情として、1つは難民不認定があります。日本は難民条約に批准していますが、日本の複雑な認定制度から難民認定率が他国と比較してきわめて低いこと、また入管施設での長期収容の実態が紹介され、入管問題の深刻さが強く伝わりました。日本の難民認定基準が国際基準とかけ離れた厳しいものであることに疑問を持ち、また、帰国を拒む人の中には、帰国すれば祖国で安全に過ごせない難民認定申請者や、日本に家族がいる人、日本での生活が定着している人がおり、入管問題の幅広さ・深刻さ、そして、考えていく必要性を強く感じました。
真剣に聞く学生の様子
後半では施設での処遇問題と仮放免制度について説明がありました。まず、処遇問題として、在留資格のない外国人が帰国までの一時的な期間として収容される施設において、自由が制限されることや厳しい環境についての話しがありました。被施設者は施設から外出できないことや、公衆電話と面会のみの連絡が許されること、不衛生な環境、医療の制限などが挙げられました。また、劣悪な環境によって、暴行事件や健康問題などが引き起こされるなど新たな問題に繋がっているとのことでした。そして、次に仮放免制度について説明がありました。被収容者は収容施設での身柄拘束から解放されるものの、就労することができず、居住中以外の都道府県への移動が認められないなど、行動範囲が制限されていたり、住民登録ができないため健康保険に加入できないなど、厳しい条件が付けられているということでした。
3回全ての勉強会が無事終了しほっとした様子の、発表者の国際関係学部4年次 山口 愛依さん(左)と、外国語学部3年次 平野 瑳織さん(右)

このように、入管問題はニュースで取り上げられていたような職員による暴行事件の他にも様々なものがあることを今回の勉強会を通して学び、なぜこのように深刻な状態になっているのか、疑問を持つ貴重な機会となりました。また、施設に収容されている外国人はもちろん、その家族にとっても厳しい問題であることを知る機会となりました。

今回の勉強会はもちろん、事前にあった2回の勉強会(6月6日在日韓国・朝鮮人問題、6月15日外国人実習生問題)で得た学びや疑問を、6月28日の映画「ワタシタチハニンゲンダ!」の上映会で深掘りしたいと感じました。

発表後の意見交換・質問の様子