経済学部イケダゼミが国際稲研究所(IRRI)と「Climate-resilient rice」についてのウェビナーを実施しました
2021.07.06
2021年6月9日(水)に、国際稲研究所(International Rice Research Institute・IRRI)とのウェビナーが行われました。IRRIは「Rice Science For A Better World」より良い世界のための稲科学」をスローガンに、様々な社会問題(例:貧困と飢餓、コメ農家と消費者の健康状態の改善、環境と調和した持続的なコメ生産など)に対応した稲を開発する国際的研究機関です。
今回はIRRIの方々と「Climate-resilient rice〜気候変動に強靱な稲〜」をテーマに世界の気候変動の問題と気候変動に強靭な稲に関するウェビナーを行いました。
世界では多くのコメ農家が気候変動の影響をうけ、大きな経済的損失が生じており、その状況を改善すべくIRRIでは品種改良が行われています。気候変動の中でも特に洪水、干ばつ、そして海水による土壌の塩化などに対応した稲の品種改良が行われているとのことでした。
そしてこのような気候変動に強い稲を栽培するために、様々な分野の専門家、例えば生物情報科学、バイオテクノロジー、統計学などの専門家が動員され研究を行っているそうです。
近年、地球温暖化などの気候変動に注目が集まっていますが、皆さんは気候変動と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。気温が毎年上がっている、台風がたくさん来るようになったことなどを思い浮かべるかもしれません。しかし、我々が日本で暮らしている中では直接気候変動による甚大な実害を感じたことは少ないのではないでしょうか。
確かに大きな台風がくれば多大な被害が出ます。しかしそれは一時的なものであり、広範囲とは言え一部の地域に限られます。他方、温暖化による海面上昇が起こり海水が一度土壌を侵食すれば、二度と農業ができなくなってしまうこともあり、干ばつも当然農家に甚大な影響を与えます。このように、気候変動は農家に持続的で慢性的に悪影響を与え、そして一次産業を基盤に暮らしている家計に直接影響します。
今回のウェビナーに参加して、我々が気候変動に対する意識が低かったことと、先進国による途上国への支援が非常に重要だということを考えさせられました。
気候変動による悪影響は最初に途上国を直撃するので、先進国に住んでいる我々は実害を感じにくい現状があります。様々な学問分野の知識が必要とされるこのような食料供給に関わる研究開発に先進国の人々がもっと関心を持つことが重要だと改めて気付きました。
最後にこの場をお借りして、大変お忙しい中、御講演下さり私たちに貴重な経験をさせていただいたIRRI関係者の方々に厚く御礼申し上げます。
(学生ライター 経済学部3年次 柴田浩希、林 寛斗、片岡 佑介)



