2026.06.16

【開催報告】みなべ町×京都産業大学 連携協定1周年記念プレイベントを開催しました

生態系サービス研究センターではミツバチがもたらす多様な「生態系サービス」に着目し、持続可能な社会の実現と地域社会への貢献を目指しています。梅もまた、ミツバチと深いかかわりがあり、古くから日本の農業・文化・景観に深く根ざした農作物です。

和歌山県みなべ・田辺地域の「梅システム*」は、2015年に世界農業遺産(GIAHS)として認定されました。この地域では、梅林と薪炭林、畑、ため池、石垣などが連携した伝統的農業が長年にわたって継承されており、多様な生き物と人の暮らしが共生する里山生態系が維持されています。

このような背景のもと、2026年6月6日(土)の「梅の日」に、みなべ町立うめ振興館1階研修室において、みなべ町と京都産業大学の連携協定1周年を記念したプレイベントを開催しました。当日は午前9時から午後4時まで実施され、地域の方々を中心に多くの来場者にお越しいただきました。

本イベントでは、梅を核とした地域の魅力や生態系について理解を深めてもらうことを目的に、生態系サービス研究センターの各研究室に所属する学生による体験型プログラムや展示を行いました。また、来場特典として、これまでの関連イベントに寄せられた声をもとに学生が考案・制作した3種類の「UME SYSTEMオリジナルクリアファイル」を配布し、多くの来場者に喜ばれました。

午前中には高橋研究室による「ハチミツ梅せっけん手作り体験」を実施し、50名以上の親子連れが参加しました。参加者は、みなべ町の特産である梅と、京都産業大学で採取されたハチミツを活用したオリジナルせっけん作りに取り組み、楽しみながら地域資源への理解を深めていました。

午後からは、西田研究室による「生き物調査アプリ体験」と三瓶研究室による「UME SYSTEM体験」を実施しました。生き物調査アプリ体験では、デジタルツールを活用した新しい生物観察の手法を紹介し、市民が参画する自然調査への関心を高める機会となりました。一方、UME SYSTEM体験では、音や香りといった感覚的な要素も取り入れながら、世界農業遺産である「みなべ・田辺の梅システム」を多角的に学べる展示を行いました。

当日は子どもから大人まで幅広い世代が来場し、体験型プログラムを通じて楽しみながら学ぶ姿が印象的でした。梅という地域資源を軸に、自然環境や生態系を身近に感じてもらう機会となり、多くの来場者から好評の声が寄せられました。

企画を担当した4年次生の砂畑 ひめゆりさんは「ご家族連れの方から大人の方まで、たくさんの方にご来場いただきました。ワークショップを楽しんでくださる姿や、私たちの取り組みに興味を持ってくださる姿を見ることができ、とても有意義なイベントになったと感じています。また、活動内容について質問していただいたり、梅システムや備長炭について地域の方々とお話ししたりする中で、私たち自身も多くの学びを得ることができました。」と述べました。

今回の取り組みを通じて、地域と大学が連携する意義や可能性を改めて実感する機会となりました。生態系サービス研究センターは、今後も、地域資源の価値を活かした活動や環境教育の取り組みを継続し、より多くの方々に発信していきます。

ハチミツせっけんづくり体験を楽しむ子供たちの様子

当日の展示の様子

本イベントは、京都産業大学生態系サービス研究センターの主催のもと、みなべ町、たかだ果園、NPO法人南高梅の会、京都産業大学生命科学部の協力により実施されました。

※本イベントに関する新聞記事

https://www.agara.co.jp/article/642309

参考:

<みなべ田辺の梅システム>
和歌山県みなべ・田辺地域は、日本一の梅生産地として知られ、400年にわたり独自の農業システムを維持してきました。養分の少ない斜面には薪炭林を残しながら梅林を配置し、土壌の流出を防ぐとともに、高品質な梅の生産を持続しています。梅の受粉にはニホンミツバチが活用され、生態系を守る役割を果たしています。この農業システムは自然環境を守りながら、地域の伝統的な食文化や祭事など人々の暮らしと結びついています。

<世界農業遺産>
世界農業遺産は、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業と,それに密接に関わって育まれた文化,ランドスケープ及びシースケープ,農業生物多様性などが相互に関連して一体となった,世界的に重要な農林水産業システムを、国連食糧農業機関(FAO)が認定する仕組みです。