
研究テーマ
高校生に向けた研究内容の紹介
生態学や環境政策学の知識や技術をもとにして、自然の機能を活用したインフラである「グリーンインフラ」の研究に取り組んでいます。グリーンインフラとは、公園や緑地、森林のことです。グリーンインフラとして自然を活かすと、近年頻発する豪雨災害を抑え、街ににぎわいを生み出すなど、人々の生活にプラスの影響を与えます。私たちは、グリーンインフラの様々な社会への効果を評価し、それらを活用する社会の仕組みを研究しています。
防災・減災に役立つ雨庭の効果を実証-グリーンインフラで、環境・社会問題を解決に導く
生命科学や生態学という理系分野と経済・政策学の要素を掛け合わせたフィールドワークを頻繁に取り入れているのが、この研究室の特長です。産官学連携のプロジェクトに参加する機会が多いのも、他の研究室と大きく異なる点でしょう。所属の学生たちは研究室を飛び出して、自ら調査し、自然共生の観点から環境・社会課題の解決策を探ります。実際に自分が経験して生み出したアイデアを企業に向けてプレゼンテーションしたり、研究成果を学会で発表したりと、学生の主体性と行動力には目を見張るものがあります。
研究室として特に力を入れているのが、グリーンインフラ政策の実践です。グリーンインフラとは、自然環境が持つ多様な機能を活用して持続可能な地域づくりを推進する取り組みで、防災や減災、自然環境の保全といった社会問題の解決を図れるとして、日本でも注目され始めています。しかし、まだまだ実践例が少ないのが現状です。
例えば、様々なプロジェクトがありますが、現在は、滋賀県野洲市にある近江富士花緑公園で行われているグリーンインフラの社会実験に参画。連携先の企業と連携して開発した雨庭(雨水浸透貯留装置)を定期的にモニタリングし、同じ樹木を植えた成分の異なる複数の土壌の雨水貯留量を調査するのが役割です。この雨庭の浸透貯留効果を実証できれば、街の景観と災害対策の確保だけでなく、さらには、生物多様性の確保も期待できるでしょう。自然や生態系の持つ力を災害対策に役立てる仕組みを確立させ、自然共生型社会の実現に少しでも貢献できればと考えています。
皆さんも私たちと一緒に、自然と共存できる豊かな未来を創っていきましょう。
ゼミナール/研究室のテーマ
グリーンインフラによる自然を活かした防災減災・地域活性化を促す政策
自然環境は守られる存在であり、活かされる資源。人口減少で生じる森林や農地など未利用の空間や、革新的な技術で生まれる生物資源を積極的に活用することで、異常気象に対する防災・減災、地域経済の活性化、地球環境問題の解決を同時に実現させる研究に取り組みます。
ゼミ/卒業研究の紹介
研究室のメンバーの多くは、グリーンインフラや自然環境保全に関するテーマとした研究に取り組んでいます。都市から農地、森林まで、様々な空間を研究対象とし、生物調査などの自然科学と、アンケートなどの社会科学の両方のアプローチを用いて社会課題の解決に挑みます。卒業後の進路は、環境関連メーカーととも、地域や自然環境に関する社会課題の解決を担う建設・環境コンサルタントへの就職も増えています。