
研究テーマ
高校生に向けた研究内容の紹介
里山や農地など、人々の暮らしと自然の関わりの中で成立してきた二次的自然環境を対象に、地域内資源循環や伝統的作物の保全など、幅広いテーマに取り組んでいます。制度や社会システムが上手く機能していくためには一般の人々の理解や協力が欠かせません。持続可能な地域づくり向け、アンケートなど社会調査手法も用いながら、人々が受け入れられる実現可能な方策の模索に取り組んでいます。
地域の視点から社会問題を改善
私は農業政策、農業経済の分野を扱っており、生物資源を使って、いかに地域を良くしていくか、生物資源をどう保全するかをテーマにしています。
例えば、地産地消などにより持続可能な社会構築を目指す「地域内資源循環」という考え方があります。給食で出た生ごみを堆肥化し、その堆肥を使って野菜を育て、地域で消費してもらう。これにより食・農を通じた資源の地域循環につながりますが、その実現には、技術だけでなく、地域の人々のつながりを踏まえた仕組みづくりが必要になってきます。
また、京都では伝統的な京野菜が有名ですが、生産者の減少が課題となっています。京野菜を守るためには、どういったアプローチがあるのか。もちろん遺伝資源として残していくための生命科学の技術は欠かせません。そして、流通の知識を生かして政策を確立していく。
そこで大切になるのが、地域の視点に立って考える素養です。生命科学を基礎とした技術、専門知識を生かした政策、地域の視点で考える素養、この三つでどうアプローチしていくか。皆さんとともに研究していきたいですね。
ゼミナール/研究室のテーマ
地域の食農システムはどのようであり いかにあるべきかを考える
地域生産物の付加価値化や地域内資源循環などをテーマ に、農作物の生産・消費フローを、地域特性や人々の結びつ きも踏まえて解明します。また関連する制度・政策の効果や 課題を検証し、食農を支える社会システムの在り方につい て検討していきます。
ゼミ/卒業研究の紹介
ゼミでは、学生がそれぞれ興味ある分野について自らテーマを設定し、自主的に取り組んでいます。研究室内で社会統計解析や地理情報システム解析を行うだけでなく、フィールドに出て、インタビュー調査や植生調査のような社会・自然生態系調査を行いながら、日々研鑽しています。年1回のゼミ合宿では、4年生が中心となって行先や共通テーマを設定し、現地調査も行っています。