京都産業大学経営学部では、学生が企画から撮影・編集までを手がける「CMプロジェクト」を実施しています。2025年度は、ソフトバンク株式会社から課題提供を受け、『「60」と「LINE」で伝える大学生活』をテーマに、高校生をターゲットに、全9チーム・47人がCMを制作しました。今回は、LINEヤフー株式会社の「LINE」と京都産業大学創立60周年を記念した「60」を動画内に盛り込むという条件が設定され、学生が創意工夫し、取り組みました。本学の神山ホールで開催されたCMの完成披露発表会の様子をお伝えします。前編に続いて、後編では、感動の授賞式の様子をお届けします。学生たちの努力と創造力が結実した舞台裏には、数々のドラマがありました。
(学生ライター 法学部2年次 笹山 美咲)
審査員による講評
各作品の上映後には、審査員からの講評が行われました。各チームの演出力、ストーリー構成、撮影技術、メッセージ性などが丁寧に評価され、特別ゲストの大谷似翔平氏からは「SNSで話題になりそうな作品ばかり。自身の大学時代は教員と距離があったが、今回の映像では学生と教員の距離の近さがよく伝わってきた」と、京都産業大学の魅力や学生たちの創意工夫に対して温かい言葉を贈られました。
完成披露発表会の途中では、特別ゲストの大谷似翔平氏のイベントが開催されました。司会の谷口 キヨコ氏とのトークや大谷似翔平氏の直筆サイン入りボールのプレゼント企画で大いに盛り上りました。
そして、いよいよ発表会のクライマックス、授賞式が始まりました。
審査員
- 在間 敬子 学長
- LINEヤフー株式会社 事業開発部 部長 佐藤 将輝 氏
- 大谷似 翔平 氏
- 映像プロデューサー シャンソン 氏
「最優秀 監督・脚本賞」「最優秀 撮影・編集賞」「最優秀 俳優賞」、会場票が多かったチームに授与される「学生が選ぶ審査員賞」、そしてグランプリである「最優秀 作品賞」の5つの賞が授与されます。
最優秀 監督・脚本賞
ゼロヨン(上元ゼミ)
60の記憶をコンセプトに、成長のストーリーや構成が高く評価され、在間学長から表彰状が授与されました。今回、監督は所用で欠席でしたが、メンバーが監督役の学生の写真を持ち、「みんなで最後まで頑張って作ってきた作品だったので、光栄です」とメンバー全員で嬉しさを滲ませました
最優秀 俳優賞
ゼロヨン(上元ゼミ)
最優秀監督・脚本賞に引き続き、ゼロヨンチームが受賞。大谷似翔平氏が審査員代表として、受賞者を発表しました。主人公を演じた学生は、演技の経験があったことから、この賞を狙っていたそうで、喜びもひとしおの様子で感涙していました。
最優秀 撮影・編集賞
美白(経営学部学生広報スタッフ「マネスタ」)
血を吐くシーンなど、ホラー演出における編集技術が高く評価されました。今回、本プロジェクトの講師を務められたシャンソン氏から賞状が授与され、編集担当の学生からは「チームメンバーや先輩からのアドバイスがあったから、みんなで取れた賞だと思う」と、チーム愛あふれるコメントがありました
学生が選ぶ審査員賞
ゼロヨン(上元ゼミ)
会場票でも圧倒的支持を得たゼロヨンチーム。大谷似翔平氏から賞が授与され、「プライベートでも仲の良い6人で楽しく撮影できた。会場の方に実際にCMを見ていただき、魅力が伝わって嬉しい」と感想を述べました。
最優秀 作品賞(グランプリ)
ゼロヨン(上元ゼミ)
今回、本プロジェクト初となる4冠達成となりました。LINEヤフー株式会社の佐藤氏からは「高校生をターゲットに大学の魅力を伝える点で、ゼロヨンチームが最も優れていた」とコメントがあり、学生は「四冠に驚いた」という感想とともに、「チームみんなで喜びを分かち合いたい。本当に良い経験になった」と感慨深く語りました。
閉会式とメイキング映像
授賞式の後には、映像プロデューサーのシャンソン氏による総評が行われました。「今回の作品は、過去で最もジャンルの幅が広かった」と振り返り、学生たちの挑戦に刺激を受けたと語りました。そして、シャンソン氏からこれまでの学生の頑張りを収めたメイキング映像がプレゼントとして上映されました。今回のために制作された、CMプロジェクトのテーマソングや取り組みの様子、撮影の裏側が収められた映像に、学生たちは感銘を受けた様子でした。そして審査員から順番に、改めて学生たちにエールが送られました。大谷似翔平氏は感想として、「大学生になると映像制作のレベルが格段に上がる。仲間と喜びを分かち合える経験ができて羨ましい。卒業まで突っ走って楽しんでほしい」と話されました。LINEヤフー株式会社の佐藤氏は、「動画制作を通じて得た経験は貴重。後輩にもこの良さを伝えていってほしい」と期待を寄せられました。最後に、本プロジェクト統括の森口助教が、閉会の言葉として学生の頑張りを称え、「さまざまな経験や想いがあったと思う。この経験は必ず今後に活きる。今後の皆の活躍を期待する」と締めくくりました。
初回ミーティングから本プロジェクトを追ってきましたが、学生たちが試行錯誤しながら、チームとして作品を最高の形にしていく姿に感動を覚えました。そして、チームの個性が作品に表れていると感じました。高校生に向けて映像制作をするなどの一つの目標に向かってチームで活動した経験は、将来に活きる、実践的でうらやましい経験だと思いました。より多くの人に届き、学生たちの努力が広く評価されることを願うとともに、今後のプロジェクトにも期待が高まります。なお、各チームのCMはYouTubeで公開中です。学生らの力作をぜひご覧ください!