京都産業大学経営学部では、学生が企画から制作までを手がける「CMプロジェクト」を実施しています。2025年度は、高校生をメインターゲットに「大学生活CM」をテーマに、映像ディレクターのシャンソン氏 を講師に迎え、指導を受けながら約1分間のCMを制作します。今年度は「LINE」と「60」という2つのキーワードを必ず取り入れることがルール。学生たちはこれらの条件をもとに、自由な発想で映像制作に挑戦します。
(学生ライター 法学部2年次 笹山 美咲)
2019年度から始まった「CMプロジェクト」は、昨年度よりも参加人数が増え、9チーム・46人の学生が7月の制作発表会に向けて準備を進めています。今年度のルールの一つである「LINE」は本学が包括連携協定を結んでいるソフトバンク株式会社からの課題提供によるもの、もう一つの「60」は京都産業大学の創立60周年を記念したキーワードです。これらの要素をどのように映像として表現するのか、各チームが個性豊かなアイデアで制作に取り組みます。
本プロジェクトは全4回の全体ミーティングで構成されており、第1回ではオリエンテーションと動画制作の基礎について学んだあと、さっそくシナリオの作成に着手。続く第2回の今回は、絵コンテの作成と、撮影プランの検討に取り掛かりました。

この日は、シャンソン氏によるシナリオ構成の講義からスタート。実際のCM映像を交えながら、シナリオ作成に役立つヒントが紹介されました。
例えば、絵コンテで感情を表現する際には、「悲しい」といった抽象的な形容詞ではなく、具体的な動作で描写すること、複数の場面を盛り込まず、ワンシーンで構成する発想や、LINE画面の効果的な取り入れ方など、実践的な指導を受けました。
講義後は、チームに分かれてのグループワークです。和やかな雰囲気の中、学生たちは講義の内容を踏まえて、絵コンテの制作や撮影準備を進めます。各チームはシャンソン氏のチェックを受けながら、アイデアをブラッシュアップしていきました。
「LINE」や「60」といったキーワードをどう取り入れるか、高校生に大学生活の魅力をどう伝えるかなど、手を動かしながら活発に意見を交わします。シャンソン氏の助言を受けながら、真剣にアイデアを練る学生たちの姿からは、制作に対する意欲が伝わってきました。
「60」のキーワードの捉え方もチームによって様々です。第1回目の講義では、「60点」「60日間」「60kg」などの発想が出され、それぞれが自由な切り口でアイデアを展開していました。「60枚の写真を撮る」というアイデアを軸に、小学生時代に埋めたタイムカプセルのカメラで大学生活を記録するというストーリーを企画しているチームは、過去の自分に今の自分を届けるという構成で、高校生が未来の大学生活を思い描けるような内容を構想中です。そのほかにも、人気テレビ番組をモチーフにした作品や、ホラー要素を取り入れたストーリーなど、多彩なアイデアが登場。中には、「大学生活の楽しさを伝えたい」「人は変わろうと思えば変われる」といった高校生へのメッセージを大切にするチームもありました。学生たちが自分たちの言葉と感性で、その思いを映像にしようとする姿が印象的でした。
一方で、映像技術への不安や、メンバー間のスケジュール調整の難しさに言及するチームもありましたが、どのチームも工夫を重ねながら、前向きに制作に取り組んでいるようです。
完成映像は7月の制作発表会でお披露目されるほか、本学のオープンキャンパスやYouTube上でも公開される予定です。「LINE」と「60」という独自のルールを、学生たちがどのような形で映像として表現するのか、今からその仕上がりがとても楽しみです。