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PROFILE
- ラジオDJ タレント 谷口 キヨコさん [法学部 卒]
- 兵庫県西宮市出身。法学部卒業後、一般企業で2年間勤務。その後、DJに転身し、ラジオ番組やイベント司会、タレントとしてテレビに出演。α-STATION、FM OH!、KBS京都テレビなどレギュラー番組多数。2010年には、法学研究科博士前期課程修了。その後も法律だけではなく哲学など、勉学に勤しんでいる。2018年4月から現代社会学部の客員教授に就任。
誰かの毎日の、小さな支えになれるという喜び。
実は私、最初からラジオのDJを目指していたわけではないんです。大学卒業後はしたいことを見つけられないまま、なんとなく一般企業に就職し、なんとなく営業として1年半を過ごしました。でもこのままじゃいけないと感じていて。そんなときに友人の誘いがきっかけで、披露宴の司会者として人前で話す仕事を経験しました。最初はアルバイト感覚でしたが、いざ会場に行って私が話すと、大勢の人たちが笑うんですよ。「みんなが喜んでくれている」。その感覚がすごく新鮮で、快感だったんです。それで心を決め、いま所属しているタレント事務所の勧めでラジオのオーディションに挑戦し、DJの道を歩み始めることにしました。ラジオの向こうにいるリスナーに自分の声を届けられることに胸を高鳴らせてね。ラジオって聞いている人にしたら日々のホンの小さな楽しみだと思うんです。私が言ったことでその人の人生が大きく変わるなんてドラマはありません。でも聞いている人が「キヨピーも頑張ってるし、今日も頑張ろう」と思えるくらいの支えにはなれるじゃないですか。それが私にとって最高の喜びなんです。
なんでもない日々の積み重ねが、生きていく底力になる。
みんなに元気を届ける仕事だからこそのしんどさもあります。例えば、体調が悪かったり、辛いことがあったりしたときも、私はいつも通りのテンションでいないといけない。それってなかなか難しいことです。でも不思議なことに、私はどんなに大変でも、スタジオに入って、オンエアのサインが点灯して声を張り上げた瞬間、いつも通り元気なキヨピーになれるんです。まるでもう一人の人格にスイッチするように。これはきっと、いままでずっと、ひたむきにこの仕事を頑張り続けてきたことの成果。過去の私が、いまの私にくれる「ごほうび」かな、と。そしてこれは、私だけじゃなく、誰にでも起こることだと思います。いま学生の皆さんは、自分にはそんな強さはないと思うかもしれないけど、自分がこれだと思う仕事に対して、ただ正直に取り組み続けてください。毎日コツコツと。そうすれば、きっとあなたが苦しい状況に陥ったとき、いままでの自分がちょっと力を貸してくれ、挫けずに進み続けられるはずです。それが、今日を生きていく底力。知っていますか?人間って“意外と”強いんです。私はもっと強くなりたいですね。ここ数年、仕事を続けながら大学院で法律や哲学を学んできたことも、さらに自分を磨いて、この仕事を全力で全うしていくためです。私はこれからもDJという仕事と、ラジオの前の皆さんに、本気で向き合い続けていきます。
挑戦に踏み出す
ための、合言葉
自分は何をしたいかを
考えてみよう。
自分の描いた将来に進むため、何をすればいいのかと迷っている人もいると思いますが、周りと比べて何を“すべき”かではなくて、自分は何を“したい”かを一人ひとり考えてみてほしいです。今経験するどんなことも、きっと将来の養分になります。だから、「何がしたいねん」と誰かに突っ込まれるくらい、まずは手当たり次第にやってみる。そんな姿勢で前に進み続けてください。