ココに注目!予算&決算

あなたの知らない大学のマネー ココに注目!予算&決算

皆さんは大学が何のためにおカネを使っているか知っていますか?実は、大学は中長期的な視点から、皆さんがより有意義な大学生活を送れるように施設・設備の整備や学習教材の充実、新たな教育機会の提供などに取り組んでいます。本学の今後の発展に期待しながら、大学のマネーに注目してみましょう。

注目!大学の予算決算とは?

企業は営利目的ですが、学校法人の場合は質の高い教育研究を行うことが最大の目的。学校法人会計には、教育研究が円滑に行われたか、大学が永続的に発展可能かを示す内容がまとめられています。

まずは2017年度の成果報告!

2017年度決算には、本学が昨年度何におカネを使ったのかを表す項目があります。その中でも特に皆さんに注目してもらいたいのが、ここで紹介する4つです。

山地 勘介さん 経営学部 2年次生(香川県立高瀬高校出身)

注目!

食堂施設・奨学金制度が充実!

7号館の解体にともない、1階にあった「ふじカツ」は並楽館1階に移転し、2階にあった「なごみ亭」は「むすびキッチン」として雄飛館2階にリニューアルオープンしました。また、新たな給付奨学金制度として「京のまち下宿支援奨学金」を設け、下宿生に対するサポートの充実も図りました。

迫田 小祐希さん 経営学部 2年次生(兵庫県伊丹市立 伊丹高校出身)

注目!

学修環境が充実!

建物の耐震化や老朽化設備の更新を行うとともに、学修環境の充実も図りました。WebメールシステムをOffice365メールに移行したことにより、スマートフォンによるメール確認が容易になったことに加え、本学在学中であればWordやExcelといったOfficeソフトを自身の端末に自由にインストールできます。また、学内設置パソコンやネットワーク装置・サーバ機器の更新といった情報基盤の整備により、より快適な学修環境が整いました。

玉水 美帆さん 経営学部 2年次生(滋賀県立八日市高校出身)

注目!

初年次教育の推進

高校までの学びから、大学で求められる主体的な学びへとスムーズに移行できるようアカデミック・スキルを学びつつ、グループワークやディスカッションなどを通じて、コミュニケーション能力を高めるための少人数クラスのセミナーなどを開講しました。また、専門教育の基礎学力を身につけるための専門基礎教育科目なども開講し、学生の能力アップにつながる取組みも進めました。

松山 雄大さん 経営学部 2年次生(香川県立観音寺第一高校出身)

注目!

留学支援が充実!

2017年度は、新たに5つの大学と交流協定を締結し、協定校は世界28か国79大学1研究所となりました。留学先としては、英語圏では生活費が比較的安価なアイルランドや、欧州中心部にあり多国籍の留学生と学ぶことができるチェコが近年人気を集めています。海外留学プログラム全体では600名以上の学生が留学を経験し、活発な国際交流が行われました。

注目!2017年度決算から、大学の活動内容に注目!

注目!2017年度決算から、大学の活動内容に注目!

大学が1年間でどういった収入があったのか、またどこにいくらおカネを使ったのかを示す決算書。ここでは細かな内容よりも、大まかでいいので、大学が何に取り組んできたのかを読み取ってみましょう。

2017年度 資金収支計算書

その年度の資金の状況と、その年度に行った諸活動に伴う資金の動きの全てを記録管理することを目的に作られる表です。

2017年度 資金収支計算書

2017年度 資金収支計算書

2017年度 事業活動収支計算書

その年度の諸活動に伴う全ての収入・支出の内容とバランスを明らかにし、大学の経営状況を示します。(単位:千円)

2017年度 事業活動収支計算書

2017年度 貸借対照表

年度末における資産、負債、基本金及び収支差額を明らかにし、大学の財政状態を表します。

2017年度 貸借対照表

2017年度 貸借対照表

※単位未満を四捨五入しているため、合計など数値が計算上一致しない場合があります。

CHECK!用語をチェック!

  • 人件費支出専任教職員や非常勤講師、嘱託職員、契約職員、学生アルバイトの給与などの支出です。
  • 施設関係支出土地や建物などの固定資産取得のための支出です。
  • 設備関係支出教育研究を目的とした機器備品や図書などの固定資産取得のための支出です。
  • 資産運用支出将来の固定資産取得のための積立金や、特定事業目的のための基金などへの繰入額です。
  • 学生生徒等納付金収入入学金、授業料や実験実習料、教育充実費などの学費。 大学最大の収入源です。
  • 手数料収入入学試験受験料を中心とした収入です。各種証明書の発行手数料なども含まれます。
  • 補助金収入国庫補助金の「私立大学等経常費補助金」や「私立大学等研究設備整備費等補助金」などで、皆さんの学びは、国や国民の方々にも支えられています!
  • 受取利息・配当金収入大学が保有する預貯金や債券(国債、財投機関債など)の利息収入が中心です。

注目!「学校法人会計」の特徴!

区分別に収支の内容を把握しやすい。

事業活動収支計算書では、経常的な収支(経常収支)と臨時的な収支(特別収支)に区分して、さらに経常収支は教育活動収支と教育活動外収支に区分され、区分別に収支が把握できます。

区分別に収支の内容を把握しやすい。

「基本金組入額」が最大の特徴。

事業活動収支計算書の「基本金組入額」は、校舎や設備など大学の資産になるものに費やした金額等を示しています。施設の充実を、単なる消費ではなく資産として扱うことで、大学の財政基盤が安定します。教育研究活動の永続的な展開を可能にするうえで、大切な仕組みです。

2017年度決算のまとめ

2017年度決算を昨年度と比較すると、現代社会学部の開設や今後の新学部設置等教学改革を背景とした大学志願者数の増加などによって収入が増えました。一方、学生への教育環境を充実させるため、また、教育の質の向上のための教育研究経費が増加し、支出も増えました。しかしながら、管理経費の削減に努めたことで、収支バランスは前年度より改善しました。

注目!2018年度予算から、これからの発展に注目!

その年度、何にいくらおカネを使うかの予定を表すのが予算書です。決算書とも比較しながら大学が注力している部分を見つければ、今後どのような変化があるかを知ることができます。

2018年度 資金収支予算書

その年度に行う諸活動に伴う全ての資金の動きを予算として明らかにしています。

2018年度 資金収支予算書

2018年度 資金収支予算書

2018年度 事業活動収支予算書

その年度の活動に伴う全ての収入・支出の予算内容とバランスを明らかにしています。

2018年度 事業活動収支予算書

CHECK!用語をチェック!

  • 減価償却額これらの経費には、建物などの劣化分を使用予定年数に応じた費用(減価償却額)として含めています。
  • 基本金組入額固定資産(土地・建物・備品・図書など)の取得価額、将来の固定資産取得のための積立金、特定目的(奨学事業・課外活動事業など)基金への積み増しにあてられた額です。
  • 事業活動収入負債とならない大学の収入(学生生徒等納付金・手数料・寄付金・補助金など)のことです。
  • 事業活動支出支出総額のことで、人件費をはじめ、教育研究経費、管理経費、借入金等利息などに加え、固定資産の減価償却額も含まれます。

注目!キャンパス
施設が充実!

注目!キャンパス施設が充実!

第5期施設設備計画に基づき、旧7号館跡地に真理館(東側)の新築工事がスタートしました。同館西側の工事は3号館の解体が完了次第開始し、東側は平成31年2月末、西側は令和2年2月末に完成予定です。また、総合体育館横に完成した遠望館(第一多目的棟)は、真理館の完成以降に、課外活動団体のクラブBOXの機能を備えることを予定しています。

注目!ファブスペースの運用が開始!

注目!ファブスペースの運用が開始!

日常的に電子工作やものづくりに取り組むための実践的な学びの場として、14号館1階に「ファブスペース」が完成しました。3Dプリンタやレーザーカッターなどのデジタルファブリケーション機器といった最新の設備を備え、充実した環境の中で学生の技術力を高めることができるスペースです。

注目!私立大学研究ブランディング事業の採択!

注目!私立大学研究ブランディング事業の採択!

タンパク質動態研究所を中心としたタンパク質科学の高い研究力が評価され、本学は昨年、特色ある研究に全学的に取り組む私立大学等を支援する文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」に採択されました。今後は、難病の克服や医療・創薬等の分野で社会に貢献するとともに「タンパク質研究の世界的拠点としての京都産業大学」のブランディング構築を目指します。

注目!新学部の誕生で、
学びが広がる!

注目!新学部の誕生で、学びが広がる!

人工知能(AI)の進化や、IoTと呼ばれるあらゆるモノがインターネットと繋がる世界など、社会環境の目まぐるしい変化に対応できる人材を育成するため、本学では教育改革を続けています。2019年4月には、国際関係学部と生命科学部を新設、既存の経営学部は学科を再編し、学びの領域はさらに広がります。

2018年度決算のまとめ

2018年度予算は、これまでに継続して行ってきた事業の成果を充分に検証したうえ、事業の削減に努めました。また、事業計画の基本方針である「さらなる教育改革」を推進するための施策に対して重点的に予算配分を行いました。2018年度末の事業活動収支における翌年度繰越収支差額の支出超過累積額は、150億円程度の規模となる見通しです。しかし、今後は学部・学科再編などに伴って収容定員が増え、増収が見込まれます。一方、学生数増加に対応した教育環境の充実を図るため、支出が増えると予想されますが、スクラップ&ビルドの徹底を図り、収支の改善に努めていきます。

vol.80 サギタリウス 2018年7月13日発行

サギタリウスに載りたい人募集!京都産業大学 広報部までお問い合わせください。E-mail:ksu-sag@star.kyoto-su.ac.jp TEL:075-705-1411

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