【文化学部】舞妓さんと京都のおもてなし。花街で働くことで見えてきたもの
2022.07.28
文化学部の専門教育科目「京都文化演習」(担当:平竹 耕三教授)にて、現役の舞妓さんをゲストにお招きし、平竹教授との対談が行われました。
平竹ゼミでは、4年次生が「花街について」、3年次生が「おもてなしについて」を学んでいます。京都におけるおもてなしの特色ともいえる花街で働く舞妓さんの話を聞く貴重な機会を取材しました。
(学生ライター 現代社会学部2年次 伊藤 淳仁)
登壇された舞妓の真矢さんは、中学2年生で家族と訪れた祇園・花見小路で、偶然芸妓さんを見かけて憧れを持ち、この道を志しました。芸妓になるためには舞妓として修業する必要があると知り、中学卒業後に15歳で現在の置屋に入られました。置屋に入った後、約1年間の仕込みと呼ばれる期間を経て、舞妓になって現在3年目で、「妹(花街では後輩のことを「妹」と呼びます)」の指導も行っておられます。

平竹教授がさまざまな質問を投げかけると、15歳で挑んだ仕込みの期間は、寂しさもあったが芸妓になるという夢があったため頑張れたこと、初日は着物の帯が苦しくて辛かったことなど、これまで経験してきたさまざまな出来事について話されました。
また、気配りだけで終わっていた1~2年目とは違って、現在はお客様と会話のキャッチボールができるように日々努力していると語られました。受講生たちは終始、真矢さんの話に耳を傾け、熱心にメモを取っていました。

自身の経験の他に、舞妓として活動した年数によって襟の色や着物の柄など、衣装が異なることが紹介されました。本物の衣装を見ながら話を聞くことができ、受講生は実感を持って聞き入る様子でした。
平竹教授との対談後には、受講生が真矢さんに質問する時間が設けられました。受講生からは「おもてなしには何が大切だと考えていますか?」などの質問がありました。
おもてなしについて、真矢さんがお客さまと関わる際に意識していることとして「お客さまに特別感を感じてもらうこと」を挙げられました。さまざまなお客さまと接する舞妓さんにとっては、お客さまとの関わりは日常の一部となっています。しかし、お客さまにとって舞妓さんと過ごすことは「特別な時間」であり、何日も前から楽しみにしている方が大勢いらっしゃいます。そんな時間を楽しんでもらうためにも、言葉遣いや行動も特に丁寧にするよう心掛けていると話されました。
また、型にはまったおもてなしをするだけでなく、個性を出すことも重要だと話され、お客さまが楽しめるように、そしてまた次回も呼んでいただけるように、日々細かい努力を怠たらない真矢さんの強い思いが語られました。
授業終了後、今回の講義について受講生に話を聞きました。
- 自分たちで調べているだけでは分からなかった舞妓さんの努力を知れた。今後、ゼミ活動では花街に関するマップなどを作成するつもりだが、その際には舞妓さんおすすめの店など、舞妓さんの『日常』『思い』も取り入れた物にしたい。
- 花街について情報をまとめる中で、インタビューのページを盛り込みたい。今回、舞妓さんの生の声を聞けたので充実した内容になるのではないかと思う。
- 就職活動の際に、このゼミで活動した「京都の大学で、花街について学んだ経験」を伝えると、とても興味を持って聞いてもらえる。周囲の関心の高さを感じる。


京都の街で見かける舞妓さんは、とても華やかに見えます。しかし、その陰には大変な努力があることや、芸妓さんになると衣装が簡素なものになっていくことを知り驚きました。
本学では自分の興味や関心に合わせて授業を受けることができるので、京都で学ぶ大学生として、京都の歴史や文化についてもっと学びたいと感じました。