ボラトーク「揺れ動く未来への一歩~能登半島地震支援活動を語る~」開催報告

2024.07.25

ボランティアセンターでは、ボランティアや市民活動に取り組む人たちから直接話を聞くことができるトークイベント「ボラトーク」を実施しています。
今回は、2024年1月1日に発生した能登半島地震により大きな被害を受けた輪島市で、支援活動に参加した学生2人に、現地での取り組み、そして被災地の様子についてお話を伺いました。
会場の様子
対談の様子

開催概要

日時 2024年5月21日(火)12:30~13:30
会場 サギタリウス館4階 S404教室
ゲスト 早川 舞さん(法・3年次)
松本 柚葉さん(現代社会・3年次)
内容
  • 活動体験談
  • 質疑応答
参加者数 14人

内容

ボランティアセンターでは、2024年1月1日に発生した能登半島地震について、余震が続いていることに加え、とくに断水の影響および現地滞在先、移動の確保の難しさなどから、すぐに現地での支援活動をすることは難しいと判断し、当初は情報収集に努めていました。
その過程で、毎年当センターが夏期に実施している宿泊型体験プログラム「ふるさとワークステイinふくい」の活動受け入れ先としてつながりのある福井市殿下地区の活動団体「殿下被災者受入委員会」が、1月中旬から毎日日帰りで現地入りし、輪島市町野地区の避難所にて炊き出し活動のお手伝いをされているということを知りました。そこで、現地の様子やニーズを知り、今後の支援活動に取り組む足掛かりとして、2名の学生を伴い、現地入りすることとしました。
今回ゲストとしてお迎えした早川さんと松本さんは、2024年1月30日(火)から2月1日(木)に、当時避難所となっていた東陽中学校および町野小学校の避難所での炊き出しのお手伝いに取り組みました。災害の傷跡も生々しい時期に、現地での支援活動に取り組んだ経験から、現地の厳しい現実、活動の実際、活動を通じて考えたことをお話いただきました。

こんなにたくさんのゴボウをささがきにしたことはありませんでした

輪島市町野町で日本食料理店を営まれている冨成寿明さんが、隣接する東陽中学校と町野小学校の避難所の炊き出し担当として、毎日3食作られており、その食事作りのお手伝いが主な活動でした。
1食あたり約150人分の食事を作るため、調理するための食材の下ごしらえが大変な作業でした。調理は冨成さんがされるため、私たちは食材を切ったり、使ったものを洗ったりする役割を担いましたが、今までにこんなにたくさんの食材を切ったことがなく、その大変さに驚いた、と言います。

調理補助のほか、食事ができたら、小中学校の体育館、避難所を運営されている本部の3カ所に食事を運びました。また、自宅や他の避難所に避難されている方が自由に食材や衣類などを持っていけるように物資が置かれており、そこに調理した料理をパック詰めしたものや仕入れた食材を置いたりする作業など細かな活動もたくさんあり、避難所を運営する上での心遣いや配慮の大切さを実感しました。

心づもりして行ったけれど、現実はもっと衝撃的でした

休憩の合間に殿下被災者受入委員会の方に避難所の本部や避難所として使われている体育館を案内していただいたり、避難所近隣の被害状況を見て回ったりする時間を持ちました。道路が波打ち、多くの家屋が倒壊している様子に、強い衝撃を受けました。
ニュースなどで、家屋の倒壊や火災の様子などを見て、それを実際に目の当たりにすることを想定し、心づもりをして現地に向かったものの、目の前で屋根だけを残して倒壊している家を実際に見ると、地震の威力やそのときそこにいた人の恐怖を感じ、言葉を失った、と語ります。
活動から4か月近く経ち、細かいできごとは思い出せなくなっていっても、そこで立ち尽くしたこと、現場で考えたことは強く印象に残っている、と2人は言います。それゆえに、まだまだ自分の中でも整理ができていないことがあり、今後も考え続けたい、という思いが語られました。
お問い合わせ先
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〒603‐8555 京都市北区上賀茂本山
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日曜・祝日:閉室
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