経済学部 沈 政郁 (Jungwook Shim) 教授の論文が Journal of Financial Economicsに掲載されました。

2021.06.24

経済学部 沈 政郁 (Jungwook Shim) 教授の論文がJournal of Financial Economicsに掲載されました。

https://doi.org/10.1016/j.jfineco.2021.06.018
※上記リンク先にて,論文が閲覧できます。

学術誌

Journal of Financial Economics
Cite Score: 9.6  Impact Factor: 5.731
Journal of Finance,Review of Financial Studiesと共にFinanceのTop Journal

論文名

Dynastic Control without Ownership: Evidence from Post-war Japan

論文概要

2000年以後から注目され始めた家族企業の研究は、30年間の間に飛躍的な発展を成してきました。特に最近の10年間で家族企業と非家族企業の業績の違い、戦略行動の違い、企業文化および組織の違いなど多様なトピックスについて研究がなされています。しかし、まだスポットライトがあてられていない面もあります。それは、所有せずに長い期間経営できるのかです。
欧米を中心とする研究では、家族のPowerは株の所有からくると認識されています。したがって、所有ができないと経営権を維持できないと考えています。一方、日本のデータを考察すると、日本では創業家が株をあまり持たなくとも、長い間経営に携わっている企業が多く存在します。本論文では、この現象に焦点をあてました。
全ての上場企業をSampleとして、1955年から2000年までの期間を分析した結果、サンプルの約7.4%の企業で株を持たないけど長い間創業家が経営に参加していること、株を持たなくなる理由は急激な成長に伴う資金調達が原因であること、創業家が経営を維持できる要因としては、優秀な後継者の育成と創業家が持つ価値が関係していることを発見しました。