第2回全学FD/SD研修会が10月9日(金)に開催されました。全学FD/SD研修会とは、大学教職員の能力開発を目的とした研修会です。研修会では、2026年7月10日(金)から7月31日(金)まで本学の学生・教職員を対象に実施された「学修実態と生成AI利用に関する調査」(仙台大学 AI教育研究チームの調査を参考に実施)の結果をもとに、教職員と学生が意見交換を行いました。
飛躍的に進化する生成AIに対して、それぞれの立場から率直な意見が交わされました。
(学生ライター 法学部4年次 山川 諒大)
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教員と学生の意識に差が?
グループワークに先立ち、教育支援研究開発センター事務室の山野 洋一さんと、情報理工学部の平井 重行 教授から話題提供が行われました。
山野さんからは、アンケート結果の分析が紹介され、学生と教職員における生成AIの利用実態について説明しました。分析によると、学生は日常生活の中で生成AIを利用する傾向が強く、職員は業務での活用が中心でした。一方、教員は積極的に利用する人と利用しない人に分かれる傾向が見られました。特に学生では、高校生の頃から生成AIに触れてきた1年次生の8割以上が、高校生の頃に生成AIを利用した経験があることが紹介されました。
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この結果から、生成AIが学生や教職員の間で広く浸透していることが分かった一方で、適切な利用に向けた課題も見えてきました。学生ではプライバシー情報の取り扱いやオプトアウト設定※への理解不足が見られたほか、教員からは生成AIを利用した不適切な課題提出への懸念が挙げられました。
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※オプトアウト設定とは?
ChatGPTなどの生成AIにデータを学習させないための設定。アプリ・ブラウザからオン・オフができる。
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続いて平井教授から、本学が定める「学びと生成AI利用の基本姿勢」と「生成AI利用ガイドライン」について説明がありました。特に印象的だったのはこれらの内容を知っているかという問い掛けに対し、教職員の多くが手を挙げた一方で、学生の反応はまばらだったことです。生成AIに関するルールや考え方の浸透度に差があることを実感しました。
学生の本音とは?
グループワーク前半では教員・職員・学生それぞれの立場ごとに分かれ、意見交換を行いました。私も学生グループに参加し、率直な意見を聞くことができました。学生の中でも学年によって利用状況に違いが見られました。私を含む、4年次生からは「生成AIを利用し始めたのが最近」という声が多く聞かれました。一方、2年次生からは授業の録音データを要約させたり、テスト対策のために練習問題を作成させたりするなど、生成AIを積極的に活用している様子がうかがえました。また、国際関係学部の学生からは「英語文献の検索でとても助かっている」という意見もあり、学部の特色に応じた活用方法も見られました。一方で、多くの学生が生成AIを発展途上の技術であると認識しており、「まだルールが十分に整っていないのではないか」という声も聞かれました。便利なツールとして活用しながらも、その課題について考えている学生が少なくないことが分かりました。
教員・職員・学生 立場を超えた対話
グループワーク後半では教員・職員・学生が一緒になり、それぞれの立場から意見交換を行いました。学生は生成AIを便利なツールとして捉え、日常生活や学習の補助として活用しているという意見が多く見られました。一方で、教員や職員の視点はより慎重でした。教員からは、「著作権を侵害していないか」「研究データを入力して問題はないか」「生成AIが示した参考文献は本当に存在するのか」といった点に細心の注意を払っているという意見が出されました。また職員からは、「新しい業務を覚える際に非常に役立つ」という前向きな意見があった一方で、「これまで新人職員の成長の機会となっていた仕事が生成AIで代替されることで、学ぶ機会が失われるかもしれない」という懸念も聞かれました。学生と社会人では、生成AIに求めるものや抱える課題が異なることを実感する機会となりました。
生成AIとの向き合い方を考える機会に
今回の研修会は、私自身が生成AIとの向き合い方をあらためて考えるきっかけとなりました。学生同士の意見交換では、特に1・2年次生がさまざまな工夫をしながら生成AIを活用していることを知り、時代の変化に取り残されないためにも、さらに理解を深める必要があると感じました。また、教員や職員との対話を通じて、仕事で生成AIを活用する際には、利便性だけでなくリスクや責任についても考えなければならないことを学びました。
来春から社会人になる私にとって、生成AIは単に使うものではなく、メリットとデメリットを理解したうえで適切に活用することが求められる存在です。生成AIによる技術革新の流れに取り残されないよう、卒業までの半年間も学び続け、自分自身をアップデートしていきたいと思います。