書籍紹介
本書は、著者が日本刑法学会で個別報告をした誤想防衛に代表される正当化事情の錯誤の問題を中心としながら、具体的事実の錯誤、抽象的事実の錯誤、違法性の錯誤、処罰条件阻却事由の錯誤といった刑法における錯誤の問題全体を比較法的に研究し、1冊にまとめた専門書です。
具体的には、(1)行為者がAという人を殺害するつもりで拳銃を発砲してBという人を殺害してしまった場合(具体的事実の錯誤)、(2)行為者がAという人を殺害するつもりで拳銃を発砲してBの犬を殺害してしまった場合(抽象的事実の錯誤)、(3)行為者が事前に行政機関に確認してその行政指導に従って適法と信じて行動したところ客観的には違法であった場合(違法性の錯誤)、(4)客観的には正当防衛状況がないにもかかわらず、行為者が正当防衛状況であると錯誤して反撃行為に出た場合(正当化事情の錯誤)、(5)行為者は、他人の社会的な評価が低下するおそれのある事実ではあるが、それが社会にとって重要で公益にかかるものであり、真実であると信じて公表したところ、裁判では真実であると証明できなかった場合(真実性の錯誤)等について、法的にどのように扱うべきなのかを明らかにしています。
40
![]()
50
![]()
『錯誤論の研究』
中村 邦義(京都産業大学教授)著
ISBN 978-4-7923-5479-4
成文堂サイト
https://www.seibundoh.co.jp/pub/products/view/166