2026.09.30

細菌毒素が膜に「孔」を開ける過程をクライオ電子顕微鏡で捉えた!―ドミノ倒しのように進む段階的な構造変化を解明―

京都産業大学生命科学部の山田 等仁客員研究員、津下 英明教授らの研究グループは、京都大学との共同研究により、ある種の細菌には人の細胞を攻撃するときに使う膜孔すなわち膜に孔を開ける装置が存在します。今回、クライオ電子顕微鏡解析により、どのように膜孔が組み立てられるのかを世界で初めて解明しました。
研究対象は、食中毒などの原因となるウェルシュ菌が出す毒素です。この毒素は細胞の表面に小さな穴(孔:ポア)を開け、細胞にダメージを与えます。しかし、そのポアがどのような手順で完成するのかは解明されていませんでした。
研究チームはクライオ電子顕微鏡を使い、ポアが形成されるまでの複数の構造状態を捉えることに成功しました。その結果、7つのタンパク質分子がまるで「ドミノ倒し」のように順番に形を変えながら、最終的にポアを完成させることが分かりました。さらに、細菌毒素の膜孔には、「Φ(ファイ)クランプ」と呼ばれる重要な構造があり、膜孔の形成過程にも重要な役目をしていることを明らかにしました。
この発見は、細菌が細胞を攻撃する仕組みの理解につながるだけでなく、将来的にはナノレベルの微小なポアを利用した医療技術や、薬を細胞の中へ届ける新しい技術の開発にも役立つことが期待されます。

研究成果は米国科学アカデミー紀要『PNAS』に9月28日に掲載されました。

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リリース日:2026.9.30

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