2026年4月14日、コングレコンベンションセンター(グランフロント大阪北館地下2階)にて、関西圏の大学発スタートアップの祭典「KSAC DEMODAY 2026」が開催されました。本イベントにおいて、生命科学部の加藤 啓子教授が、「第2回 KSAC-GAPファンド」の採択研究者として、ピッチセッションおよびポスター発表を行いました。
「からだ」と「こころ」の健康を尿検査で数値化
加藤教授は、「尿中バイオマーカーを用いた壮年期からのフレイル予防システムの開発―食事・運動効果の定量化による健康増進スタートアップの創出―」という研究シーズを発表しました。この技術は、尿に含まれる揮発性有機化合物(VOC)をバイオマーカーとして活用するものです。ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC-MS)を用いて同定された特定の成分を解析することで、筋肉の衰え(サルコペニア)といった「身体的フレイル」や、うつや不安症などの「精神的フレイル」の状態まで高感度に検出します。
従来の主観的な「疲れやすさ」などの感覚に頼るのではなく、客観的に数値化・定量化することで、自覚症状が出る前の段階で対策を講じる「攻めの予防医療」の実現を目指しています。
ピッチとポスター発表で事業化を見据えた議論が活発化
当日は、ステージ上でのピッチセッションに加え、来場者が研究者と直接交流できるポスター発表も行われました。
ピッチでは、40代からの健康投資層や高齢者をターゲットとした社会実装の展望について発表しました。ポスター発表では、展示パネルを前に来場者と直接対話し、研究の展開可能性について多岐にわたる観点から意見交換が行われ、会場では技術の応用可能性や今後の発展に関する関心も寄せられました。


KSAC(関西スタートアップアカデミア・コアリション)とは
今回のイベントを主催した「KSAC」は、関西の大学・産業界・金融界・自治体など90以上の機関が参画する広域プラットフォームです。内閣府が選定する「グローバル拠点都市」のもと、世界に伍するスタートアップ・エコシステムの構築を目指しています。
「KSAC-GAPファンド」は、大学の研究成果とビジネスの間にある「溝(ギャップ)」を埋め、事業化に向けた検証を支援するためにKSACが運営するプログラムです。加藤教授は令和7年度に本ファンドに採択され、事業化に向けた研究・検証を進めてきました。今回のデモデイでは、その成果が紹介されました。